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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第2章 アルトグラム王国編

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第129話 俺、異世界で有翼人のお守りをまたもらう

 レイヴンから譲り受けたテレポートの絵日記をストレージに収容すると、彼女に王城に行く前の準備をするため場所を貸してほしいと頼んだ。


 彼女は渋々了承してくれた・・・ただ・・・彼女からはもうお前ら帰れと無言の圧も同時に出ているように感じた。


 俺はその圧に対して華麗にスルーを決めると、その場であぐらをかいて座り前回使って補充していなかったデッキケースに今回覚えたテレポートやあとで師匠と練習するようにデスサイズを含めた各カードを選び、デッキケースに補充していった。


 システィは無言のまま俺の隣に座って俺が補充し終わるのを大人しく待っている。


 エリンはというと・・・端っこから順番に本を背表紙をただひたすら見ている・・・一切手に取り、読もうとはせず・・・ただひたすらに見ているだけだった。


 デッキケースに上限の50枚を補充し終わると、また太ももにデッキケースに備え付けられているベルトで落ちないように固定した。


 それにしても自分で言うのもあれだが・・・色白のアスティナに真っ赤なドレスも見事に似合っているが・・・ドレスで隠されて見えないが、装着時などにチラッと見える、この太ももと黒いベルトの組み合わせも悪くないな・・・悪くないどころが最高だな。


 この太ももでの固定をあの時、アッシュの店で思いついた俺自身に感謝の念を捧げたい・・・そして想像したものを現実に再現してくれた職人さん・・・マジでグッジョブ・・・これは良いものだ。


 途中邪なことを思いつつも、こっちの準備が完了したところで、俺は背表紙だけをいまだに見続けているエリンに声をかけると、彼女はすぐさま俺の声に反応し、もう本など見飽きたと言わんばかりにそっちのけで、こっちに駆け寄ってきた・・・。


 3人が集まったのを確認したレイヴンはやっと俺たちが帰ってくれると思ったのか、あの喋り方や彼女のテンションからはとても信じられないほど、両手を大きく広げ、左右にブンブンと振っては「さようなら!さようなら!さようなら!・・・」と言い続けている。


 そこまでされると逆に居座ってやろうかとも思ったが、このあと王様に会いに行かないといけないので今回は断念することにした。


 本屋の出る前に少しだけ気になっていたことをレイヴンに尋ねてみることにした。


「出る前にちょっと気になることがあるんだけど・・・それを聞いたらすぐに出て行くから」


「・・・分かった・・・・・・それでなに?」


「えっとな、レイヴンって妹か姉がいたりしない?今日ここに来る前にレイヴンと同じ色の髪でしゃべり方が良く似ている人にあってな、もしかしたら姉妹なんじゃないのかなって思ってさ」


「・・・いる・・・妹・・・名前レイラン・・・故郷から一緒に王都に来たはずなのに・・・気づいたらいなくなってた・・・どこにいた?」


「あー、やっぱり姉妹だったか。彼女なら冒険者の町ミストの北門で門番の仕事をしているぞ!!」


「・・・ミスト・・・分かった・・・ありがとう・・・あとで行ってみる」


 やはり俺の読み通りレイヴンとレイランは姉妹だった。


 それにしてもこの姉妹は姉も妹、どちらも探す気がなかったのか・・・それか両者ともそのうちそっちから来るだろうと思って移動せずに待っていたのかもしれない。

 

 そこからよくよく話を聞いてみると彼女たちが王都に来たのは1か月ほど前でそれまではずっと故郷でぐーたらな自堕落な生活をしていたらしい・・・いまもさほど変わらないような気がしなくもないが、ちゃんと姉妹ともそれぞれ働いてお金を稼いでいる時点で立派になったのではないだろうか。


 まぁお姉ちゃんの方は本を売る気があるのかないのか・・・さっぱり分からないが、問題なく本屋が維持できているということは生活する上では十分な利益が出ているはず、確か俺たちが入ったときに・・・彼女はここの本屋に入るのに魔力が足りていなければ、本屋に入ることすら出来ず、はじかれるようなことを言ってきたような気がする。


 この本屋は一般市民が利用するというよりかは魔法を主としている職業の方々が利用することが多いというか・・・のみをターゲットにしている店のようだ。


 師匠も最低限これぐらいは見習ってほしいところだ、あっちはマジで本を売る気が皆無だからな・・・まぁ俺の方からそのことを絶対に口に出すことはないが・・・。


 なぜか途中から師匠の本屋のことを心配していると・・・先ほどまで両手をブンブンと振っては帰れコールをしていたレイヴンがジッと俺の方を見ている。


 彼女の視線がどこに向けられているのか確認すると・・・どうやら俺が肩から掛けているポシェットを見ているようだ。


「レイヴン、さっきからジッと見てるけどさ、このポシェットがどうかしたのか?」


「・・・ポシェットじゃない・・・その羽根を見てた・・・それレイランの?」


「あー、これか!これはな、王都に行く前にレイランがお守りとしてくれたんだ」


「・・・・・・レイランがあげた・・・じゃー、これもあげる・・・おまじない」


 彼女はそう言うと、レイランと同じように自分の羽根を一枚引っこ抜くと俺に手渡してくれたのだった。

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら

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