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TCGコレクターのイラストアドな異世界生活!?~異世界に飛ばされたけど、推しカードの見た目や性能で召喚されたので、特に問題はありません~  作者: 虎柄トラ
第1章 樹海ミスト編

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第99話 俺、異世界でシスティが結界に弾かれるのを見る

 その後、食後のハーブティーを堪能した俺たちは師匠の家に向かうため宿屋をあとにした。


 宿屋を出る時に晩御飯が楽しみで仕方ないのかリリアーヌは手が千切れるんじゃないのかというほどにブンブンッ!っと振りながら、俺に大きな声でありがとうと伝えてくれた。


 そのやり取りを横で見てみたエリンは道中歩きながら、俺にリリアーヌがどうしてあんなに嬉しそうにしているのかと聞いてきた。


 どう答えようかと悩んでいると俺とエリンの一歩後ろを歩いているシスティが急にエリンに声をかけた。


 急に声をかけられたエリンは少し戸惑いを見せていたが、システィの方から自分に話しかけてくれたことが余程嬉しかったのか、すぐにシスティの真横まで移動すると彼女からどんな質問がくるのかわくわくした様子で待っている。


 これでとりあえずは俺への質問は無かったことになった・・・ありがとうシスティ。


 ただ・・・それだと俺ひとり先行して前を歩くことになる、なんかこれ他人が見たら従者をふたり連れてお出かけをしているお嬢様って感じだな。


 やばい・・・なんかちょっと恥ずかしくなってきた・・・俺も同じように列に入るべきか、でもそれだとシスティが俺のためにしてくれたことが無駄になりそうな気もするし・・・でも・・・いまは我慢しよう。


「エリン様、先程のケーキは他にも色々な種類があるのでしょうか?」 


「ふふん、システィさんもケーキに興味があるのね!もちろんあれだけじゃないわよ、わたしが知っているだけでも20種類以上はあるわね!!」


「そ、そんなにあるのですかエリン様!!・・・ごほん、失礼いたしました。私めとしたことが・・・」


「ふふふ、これからも一緒に色んなケーキを食べましょね、システィさん」


「はい、エリン様。それと私めのことはシスティとお呼びください」


「わかったわ、システィ。それじゃわたしのこともエリンと呼ぶこと、いいわね」


 とエリンがシスティにさん付けで呼ばないように言うと彼女は「はい、エリン様・・・はい、エリン」と答え、それを聞いたエリンは嬉しそうに頷き「よろしくね、システィ」と返していた。


 その光景を見た俺自身もエリンとシスティの仲が縮まったことが嬉しかった。これから一緒に冒険する仲間として・・・あっ、このことも本屋に着いたら言わないとな・・・すっかり忘れていた。


 そんな事を思いながら歩いているといつもの禍々しい本屋が見えてきた、俺は本屋を指差しながらシスティの方を見て「システィ、ここが師匠の家」と教えたのだが、システィは俺が指差す建物を見るや否や視線を俺の方に向け「本当にここですか・・・お嬢様?」と俺が最初にこの本屋をエリンに案内された時を思い出すような返答が返ってきた。


 そのシスティの様子を見た俺は彼女に「やっぱそう思うよな・・・」と言葉をかけた。


 今回は俺が先頭ということもあり、そのままドアを開け本屋に入り、次にエリンそして最後にシスティが本屋に入ろうと足を踏み入れようとした時だった。


 師匠が張った結界の防衛システムが起動したのか、システィは本屋に一歩を入れなった。


 俺やエリンは特に問題なく、行ったり来たり出来るのだがシスティだけは見えない壁があるらしく、何もない空間にペタペタと手を当てここに結界が張られていることを俺たちに教えてくれた。


 なんだろう・・・パントマイムの壁がある描写をする時のやつと言えば分かりやすいのではないだろうか。


 システィのパントマイムを見ていると本屋の奥からドタドタと普段この建物からは聞こえてこないはずの音が聞こえたと思えば、いつもの気だるそうな師匠とは全く違う形相で奥から出てきた。


 それに黒いワンピース姿なのはいつも通りなのだが、今回はさらに杖を持っている。


 師匠が持っている杖はエレメントロッドというらしい。テキストとしては先端に大きな魔石が取り付けられています。特別なコーティングが施されていて、生半可な攻撃では一切傷をつけることが出来ない。またこれを売却した場合、メイド付き豪邸を一括で購入できるほどです。


 これはあれだ、特注で作ってもらった俺のデッキケースと同等レベルの品物だ。


 そんなものを持ち出してどうしたんだろうめずらしいこともあるもんだなと、師匠の方を見ていると急に師匠は俺たちに向かって「エリン、アスティナ!いますぐ家に入るんだ、早く!!」と叫んだ。


 俺とエリンにはその意図が全く分からずただただ顔を見合わせるだけ・・・その様子を見て師匠も何かがおかしいことに気づいたのか、ゆっくりとこっちに向かって歩いてくると俺たちに質問をした。


「う~ん・・・もしかして・・・・・・あの人は君たちの知り合いなのかい?」


「そうだけど・・・それよりもイクストリア、いきなり大声出すから驚いたじゃない」


「あの・・・師匠、とりあえずシスティも家に入る許可をいただいてもいいですか?」


「はぁ・・・分かったよ、た・だ・し、ちゃんと説明してもらうよ。あの人の形をしたなにかについて・・・ね」

「面白い」「続きが気になる」と思っていただけましたら

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