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第1話 俺、異世界で推し少女になる

 『クインテット・ワールド』それはTCGと呼ばれる2人でする対戦形式のゲームであり、5つの種族つまり人族、獣人族、エルフ族、魔人族、不死族で覇権を争うというコンセプトで制作され、その人気は20周年を迎えた今でも衰えることがないほどである。


 俺はいつものように『クインテット・ワールド』の新パックの開封動画を撮っていた。昔は遊ぶためにカードを集めていたが気づけばカードを集めることが目的になっていた。そんなことを思いつつも、俺はパックを剥いていく。


 今回開封しているパックは20周年を記念して販売されたパックということもあり、レアリティが追加されているのではという憶測が飛び交っていた。ただこういう憶測は、10周年の時も同じようにあったが結局はそんなレアリティは存在しなかった。


 あれは、プレイヤーもコレクターもガッカリしてたよなと思い出しながら、パックを開封していた時に俺は今まで一度も見たことがないカードに出くわした。


 まず『クインテット・ワールド』のレアリティは、コモン、アンコモン、レア、スーパーレアの四種類しかなく、しかもそのレアリティの確認方法もカードの右下にスーパーレアなら、SRといった感じに印字されているだけというシンプルさ。

 

 しかし、今手に持っているそれはカード名もテキストもなく、いつもならイラストが描かれている箇所に『扉ーGATEー』と白い背景に黒い手書きで書いたかのような文字があるだけで、あとはレアリティが印字されてるところにはEX。


「EX・・・エクストラとかってことなのかなこれは?」


 そう呟くと、気づいたときには樹海の中にいた。


「俺の部屋こんなにだだっ広かったっけ?」


 冗談まじりで、ボソッと独り言を言ったときに俺は違和感を感じた・・・。30を過ぎたおっさんから出た声とは思えないほど綺麗な澄んだ声だったからだ。


 そして、ふと頭を下げて自分の体を見てみると・・・そこには真っ赤なドレス、その下にはなにやら膨らみのようなモノが二つ確認出来る。


「あー、じゃーこれはあれだVRゲームとかいうヤツだろ、最近のは画面もリアルだとかいうしな・・・」


 と口に出しつつ、目に入っていたモノをついつい触ってしまった・・・。


「柔らかいな・・・」


 VRでは感じることが出来ないはずの触感があった。そこで自分が異世界転生しかも性別が変わってしまっていることに気づいた。

 

 いま自分が置かれている状況を調べるためにもまずは、異世界転生モノでよくある自分のステータスを確認ができるか試すべく、俺はある言葉を叫んでみることにした


「ステータスオープン!!」


 すると、正面に俺が『クインテット・ワールド』を始めるきっかけとなったカード”永久なる乙女~アスティナ~”が映し出されていた。


 アスティナとは不死族のリーダーカードに該当する。『クインテット・ワールド』では大まかにカードの種類は三つに分かれている。


 まず一つ目がリーダーカード。簡単に言うとプレイヤーの分身になるカードであるためこのリーダーが倒されると負けになる。またリーダーにはそれぞれ3種類ずつ能力がある。あとはリーダーと同じ種族しかデッキに組めなかったりする。


 種族が同じだからといっても、リーダーによって能力が違うためデッキが千差万別になるのもこのゲームの人気を支えている要因かもしれない。


 二つ目はクリーチャーカードと呼ばれるもので、これはマナというコストを支払うことにより召喚出来るカードのことだ。マナは毎ターンごとに最大値+1にしつつ溜まっていくので、後半になるにつれて強いカードや大量に召喚したりなど出来るようになる。


 このクリーチャーカードが剣にも盾にもなるため、基本はこのカードをメインしてデッキを組むことが多い。


 そして、最後の三つ目がスペルカードと呼ばれこれもクリーチャーカードと同じようにマナを支払うことにより使用できるのだが、こっちはクリーチャーカードと違い一回使えばそれで終わりの使い捨てカードだ。


 それだけを聞くと使えなさそうだが、その分一撃の威力が高かったり、手札を増やしたりなどうまいこと使えれば劣勢を一気に優勢にすることも可能だ。


「可能だ。じゃねぇよ!ヤバい脳内ですっげー説明してたわ・・・」


 と自分に残念なツッコミをいれていた最中。


「きゃぁぁぁ!誰か、助けてえぇぇぇ!!」


 どこからか助けを求めている女の人の叫び声が聞こえた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] カード収集をしたくなる気持ち、分かります。僕もウィクロスでハマりましたから。カードの袋を開封する時はワクワクしますよね。それはともかく、最後の悲鳴が気になりますね。
2021/10/17 08:02 退会済み
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