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手違いの異世界転生  作者: 彩月 海利
始まり
5/17

新しい生活

記憶が戻ってから自室の本棚をみると新しい生活って背表紙に日本語でかかれた古書があったので手に取ってみる。

軽いプロフィールが書かれている。


ベイリー公爵の次女アレクサ・ベイリー1才9ヶ月。

父は1,000年弱の歴史を持つオプティムス王国の現132代宰相で、王族の次に偉い家系の家長。

この国には宰相に任期があり4年程度とされている。

なんでも建国当初は2年とかでやめたりしているから任期を決めたとか。

建国当初からベイリー家は王族に仕えており王女を何度か嫁に迎えたりもしている由緒正しきお家柄。

ベイリー侯爵家は、父ユーゴ、母フィーリア、兄ネオ、姉イザベラ、私の5人家族だが母がご懐妊中なので6人になる予定。

オプティムス王国の現王レガリア・オプティムス6世は賢王と呼ばれている。

母のフィーリアとは現国王の異母兄妹の妹らしい。

私はロイヤルとノーブルのハイブリッドということになる。


あと、この王国では公爵家は御三家だ。

行政の番人ベイリー家、武力の番人ベネット家、司法の番人ベルガー家の3B。

この御三家は建国当初より王族に仕えている。

建国にも関わった由緒正しきお家柄と書いてある。


さらに1年くらいで自我は早すぎないか?と思っていたけど表紙を捲ってすぐに理解した。

ごめんなさいと大きく書かれていた。

神様が待てなかったみたい。


よって、早く問題解決に着手して欲しいみたいだから考えてみた。

子供でも考えるだけはできるからね。


前世の記憶では、ほとんどの衛生事情は解消されていたため正直いえば学問的にしか覚えていない。

疫学から始めればいいのか、上下水道を設置することからなのか、どうしたらいいのか。

深く考えてもわからないものは立ちはだかるものから処理していこうと思う。

上下水道はコストの試算とか設計とかの準備をして、地図も見てから計算していきたいな。

あと食文化についてはうちの料理人たちに頼んで作ってもらい広めてもらうことにしよう。

ほぼ他人任せだが、何せ1才だ。

仕方ないので大人に頑張ってもらいましょう。


「にー、にー?(お嬢さん、今日は何をするんです?)」

「アレクサよ、バナ。便利な名前だと思っていたけどこれも仕組まれていたなんて。」

「にー(あー、ね)」

「声をかけられても、音楽もかけられないしレシピも空で言えないしネット注文なんて論外よ。わかる人が居てくれるだけありがたいのだけどね。」


なんとも言えない空気が漂う中、自室の扉からノックがされる。


「アレクサ、起きてるかしら?」


入ってきたのはベイリー公爵家の長女のイザベラ。

私が今世でお世話になっているお姉さまなわけだが、如何せんこれが我が儘で意地悪なのよ。

返事もなしに勝手に部屋に入るし、宿題は押し付ける。

仕舞いには美味しいものが欲しいと暴れる。


「何かおいしいものを用意して」


私の方が2つも歳が下だが、毎回彼女の我が儘に付き合わされている。

使用人たちがすぐに用意してくれるからなんだけどね。

私の部屋が強盗にあったみたいになるからさ。

なんてこった。


さくっと使用人たちからお茶やお菓子を用意してもらいました。

ほくほくと嬉しそうにマドレーヌを堪能している姉を半目で見ながら彼女の宿題を片付ける。

それを使用人たちは黙認する。

癇癪姫だから面倒なんだよね、わかる。

そもそも悪役令嬢って傲慢で高飛車な人格の持ち主だと思っていたけど、今の私はただの苦労人ではなかろうか?

悪役令嬢が苦労人とか、手違いすぎる。

前世から続く手違いの雪崩に押し潰されそうだわ。


この連鎖、打破できる気がしない。

そう思ういつもの朝だった。


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