わたしをまつあなたへ5
#ネット小説大賞七
もう高校は自由登校でしょ?あなたは自宅で勉強かしら。
もはや、何をやって良いのかわからないわよね?
チャート式やら、山川の参考書を片手に?
センター試験が良かったから、二次対策にかかっているかしら?私立大学があるから、その過去問対策かしら。
もうね、やるだけやりましょ?私なんてバイトをしながら、チャート式の例題をひたすらかき写していたわ。
数学が苦手なのに、世界史よりましかなという消去法で。短大受けたけど、数学、国語、英語の三科目にしたのは、二科目じゃ合格しづらいと判断したから。文系の女子は、国語英語は出来て当たり前。ここに数学を入れたのは受験生が少ない短大を受けたいから。抜かったのは、理系の女子がやってくること、、。本当に抜かったわ。
昔は家政今は生活科かしら。
栄養士だの、被服だの、文系なのかと不思議な家政は、保育科とならんで女子短大としては主流。特に先を考えず、受験してしまうお馬鹿な女子がここにいた。
とりあえず、高卒で行ける場所に行くわよてな感じで。浪人なんて無理。私立大学にいくかと言われても今さらだわと蹴り、なんとか受かりそうな公立短大を受験した。どうせ、ここにいくんだよねと、鷹をくくっていた短大に落ち、こんな問題出すなよという短大に受かったから、驚いた驚いた。数学の問題が半分しか解けなくて落ち込んでいたら、皆が、そうだったという。変な問題を出す変わった短大だった。ちなみに、試験会場にいた同じ高校の女子には入学式では会わなかった。顔だけ知っている同じ高校の女子。どこへいったのやら。
春は誰にもやってくる。あなたにも私にも。
さあ、あなたの冬は、いかがかしら。