ファミコンウォーズ(物理)
おはようございます!私は兼樫 益代と申します!この春から大手メガバンクの一般職として店舗の受付業務を任されることになりました!社会人一年目で不安はいっぱいだけど、お客様の笑顔が見れる様に頑張ります!
「兼樫君!早速だけどね受付をやってもらおう。基本的なことは研修で習っているだろう。分からないこともあるだろうが、そこは先輩に聞いたり自分で考えて臨機応変にやってくれ。では早速頼んだぞ!」
「分かりました課長!」
はあー緊張するなあ・・・あっ早速お客様が来店された!
「いらっしゃいま
「オラァ金出せえ!強盗だぁ!」
「キャー!!!」
目出し帽に包丁・・どうしよう!強盗よ!誰か助けて!
「待て待て待てーい!!!」
「ハッ、あの人は!!」
入り口にはスーパーファミコンのカセットを大量に持った青年が立っていました。
「あれはスーファミマンだ!」
「あ、課長いつの間に!」
課長は対峙する強盗とスーファミマンを見つめながら解説し始めました。
「スーファミマンはどこからともなく現れ、スーパーファミコンのソフトを使って悪を退治する新手のヒーローだ!兼樫君!彼が現れれば百人力だ!」
「スーファミマン・・・心強いですね。あっスーファミマンがソフトを取り出しました!」
課長は興奮のあまり少しどもりながら解説を続けます。
「あ、あのソフトは「ウルトラセブン」だ!1993年に発売された2D格闘ゲームだ。その名の通りウルトラセブンの怪獣とウルトラセブンが戦うゲームだ。多くの技か使えるが、実際は飛び蹴りしか使いものにならない所が特徴だ。なので実際のゲーム画面はウルトラセブンがひたすら怪獣に飛び蹴りを繰り返すシュールな光景が繰り広げられる!余談だが対戦モードのゲームバランスの崩壊が著しく、友達とやるとかなりの糞ゲーっぷりを発揮するぞ!あっ!スーファミマンが強盗に攻撃をするぞ!」
課長か解説を終わるやいなやスーファミマンはソフトを使って強盗に直接殴りかかりました。
「ああやって攻撃するんですね!?」
「そうだ!スーファミのソフトで殴られると痛いからな!!」
「あっ!スーファミマンが次のソフトを取り出しました!!」
「あ、あのソフトは「スーパーマリオワールド」だ!説明不要!スーファミソフトの金字塔だ!わかんない奴はググれ!スターロードの隠しゴールから行けるボーナスステージが鬼畜にも程があるぞ!あとチーズブリッジからソーダ湖への隠しゴール分かりづらすぎだぞ!!」
「あ、課長!今度はそのソフトを使って強盗のスネを殴っています!!」
「スーファミのソフトでスネを殴られると痛いからな!!」
「課長、また違うソフトを取り出しました!」
「あのソフトは「がんばれゴエモンキラキラ道中〜僕がダンサーになった訳〜」だ!人気シリーズの4作目だ!このゲームの特筆する点はラスボスが「ハラキリ切腹丸」というBPOギリギリのネーミングと、ミニゲームの充実度だ。特にクリア後に遊べるシューティングゲームが激ムズかつハマるという良作だ。私なんかはむしろこのシューティングの方が長く遊んでたかもしれんな!!」
「課長・・・スーファミマンはそのソフトを使って・・・強盗の耳を切ってます!あの本体とソフトを繋ぐフーフーする部分、あの金具の部分を強盗の耳にあててノコギリみたいに切り刻んでいます!ああ、強盗の顔が血ダルマになっています!」
「まさに外道!鬼畜の所業!まるで最近のヌルゲーマーにゲームの厳しさを教えている様だ!!」
「あ、強盗が・・・事切れました!強盗死にました!!」
銀行は拍手喝采に包まれました。スーファミマンのおかげで平和が取り戻されたのです。
「スーファミマン!ありが
「待て待て待てーい!」
「あっあれはプレステマン!」
入り口にはプレステのディスクを頭につけた、お医者さんごっこ風の青年が立っていました。
「プレステマン!!噂には聞いていたが実在したとは・・・」
課長が息を飲みます。
「課長!プレステマンて何ですか?誰ですかあの人?」
「プレステマンとは元陸上円盤投げ選手の新手のヒーローだ。その経験を生かした時速300キロのプレステディスク投げが必殺技だ。あっ奴がディスクを取り出した!あれは「刻命館」!テクモの名作だ!特筆すべきなのは敵の女王蜂の声が女王なのにめっちゃおっさ
課長が説明し終わる前に、プレステマンはスーファミマンの首を切り落としていました。
血だらけの銀行で、スーファミマンと強盗の死骸を前に、プレステマンは勝利に酔いしれました。
ヒーロー新時代の幕開けです。