第9話 【宝物庫はっけ……え?】
ここまで遅いのはないんじゃなかろうか。
あれからしばらく格闘した俺とバトはなにはともあれ無事にミューの元にたどり着いた。
「遅いよ〜僕、周り見てるだけじゃ飽きちゃうじゃ……ってなんで新米君あげた服がそんなボロボロなってるんだい?」
「ははは……おきになさらないでくださいお嬢さん、ちょっとバカな金属に攻撃されイテッ!!」
「黙ってろクソ新米」
「どうしたのハオ君?」
「オイラはなんでもないぜミュー、そこのバカな新米を指導してただけだからさ」
「ええ……なんでも……なんでもないんですよ……ハハハハハ」
くっそこの動けない魔法撃てるだけのへんてこ生物のくせにぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
ミューは俺に手をかざすと光が溢れ傷や火傷、服の穴が綺麗に治っていった。
さて、俺達はいったい何事で呼ばれたのだろうか?
「それでミュー、オイラたちを呼んだのはいったいなんの用事なんだよ。一応基礎を教えてたんだがな」
この南京錠、勝手に進行するなし。
「うん、バト君、そろそろダンジョンに魔力球……クリスタルを使うか技術を使って魔物を作るとこでしょ?」
「そうだな、ちょうどそこら辺だ、バカな新米は寝てたがな」
「ハンセイシテマース」
「してねぇだろ!!」
「やんのかこらぁ!?」「上等だぁ!!」
俺はバトを投げ捨ててボクシングのファイティングポーズ【見よう見まね】をとり、バトは地面に滑りながらさっきの炎の玉と氷の玉【固くていたい】を空中に作り出した。
「お〜い、喧嘩するならよそでやってよ。ちょうど良いのがありそうな部屋があったからそこからなにか拝借しない?それでも喧嘩するなら二人とも」
ミューの方から謎のオーラを感じて振り向くと
「二人とも一旦動けなくして抵抗できなくなるまで叱りつけてあげるよ」
「「すいませんした――!!」」
彼女の目には光がなかった。
「素直は美徳だね、バト君、この部屋入ろうよ」
部屋の前には《宝物庫》と書いてあり、金色で重厚な感じだ。
張り紙のようなものが張ってあるがこの距離からは確認できない。
「ここって宝物庫だよな……まてよ、なにか忘れてる気が?」
「どうしたよ南京錠、しかし、へ〜宝物か……中、見ないのか?」
「なんだよ期待した目でこっち見やがって気持ち悪いな……でもよ新米、なにか引っ掛かるんだよ……あ〜なんだっけな、確かなんかめんどくさいから閉じ込めてたような……しかも戦略的には申し分ないけど面倒なya」
「開けるね〜」
「「あ」」
扉が大きな音をたてて開いていった、すると中から
バガン!!
とおもいっきり大きな音がして開き
「おね〜〜〜〜さま〜〜〜〜〜!!!!!!」
「キャ!!」
「お待ちしておりましたカーラお姉様!!ああ、ナクアはこの時をずっと心待ちにしておりましたわやっとわたくしの罪を許してくださるんですね嬉しいですさぁカーラお姉様ミュー様やプニルちゃんと、他の城の可愛い子達と一緒にわたくしと寝室に行きましょう楽しい夜に行きましょうああ今から胸が踊りますわウフフフフフ」
「あ、お前か、すっかり忘れてたわ」
「な、なんだぁ!?」
中からちょっぴりボロいメイド服を着たピンクのロングヘアーの女の人が現れた!!!!
あと絶対ヤバイ人だこの人!!
読んでくださる皆様に感謝