第8話 【基礎を教え……寝るなバカもんが!!】
やっと次が出せた。
あれから南京錠に閉められていた部屋に入り、俺は木箱に座り小さな机の前で翼の生えた南京錠が言うには大切な講習らしい。
周りには風景が変わってはいないが、宙に浮かぶ薄く青い光を放つ小さな球体が乗った台座がある。
先ほどバトと名乗った南京錠は箱を二段重ねした上に顔がこちらを向くように立て掛けられている、ミューはどこかに消えていった。
バトは器用に羽で棒切れを持ち、黒板みたいな板に書いてある文字をつついている。
黒板の文字をつつくとホログラフィーが浮かび上がってわかりやすい、話は分かりにくいが……さて、分かりにくい話を聞いたらどうなるか。
「と、まぁ基礎は終わりだ、どうだ解ったか?」
「………………………」
「ん?難しくて黙りか?」
「……………………」
「おい」
「むにゃむにゃ……」
そう、眠くなるに決まっているているのだ!!
さっき説明が終わるまで完全に寝落ちして変な夢を見てたんだけど……なんだったんだろうか?
「起きんか新米!!」
「イテェ!!アッチャアぁぁぁ!?!?!?」
俺は頭に起こった固く冷たい石の激痛と熱さで転がり回る!!
「あちぃ!髪が、服が、燃えるぅ!」
「【クリエイト】」
バシャア!!
俺の上から水が降ってきた。
「さて、これが魔力が一定数あればすぐに使える便利なもの、クリエイトだ。追加で受けるか新米?」
南京錠の周りには火の玉と水の玉が浮かんでいた。
「大丈夫……です、説明最初からお願いします」
「よろしい、聞きたいことあったら随時聞けよ」
最初から講義が始まる。
「まずダンジョンの作り方はおおよそ3つ。1つは自分で掘る、2つ目に自然の洞窟等を使う、3つ目に建造物を使うだ。基本的には1つ目のやり方がセオリーだな」
「なんでなんだ?」
「人工のものには魔力が無く運営しづらいんだ、逆に城や要塞なら防御率は高いだろうな、次に魔物の産み出しかた、これも大まかに3つ、自然発生、自身の技術で作成、魔力球で作成だ」
ほうほう……
「どんなものが産み出せるんだ?」
「マスターの性質、土地の属性によって変わるな。魔物は土地のレベルまたは魔力球のレベルにより変動する、これをみてくれ」
バトが黒板をつつく。
そこにはスライムみたいな粘液体生物、ボロボロの服を着た醜悪な見た目の小人、今にも崩れそうな土人形があった。
「これは一例だ、酷評で悪いが貧弱すぎるな」
「こいつらは一体?」
「右からスライム、ゴブリン、マッドゴーレムだ」
「ゴーレム!?これがか?」
俺は箱から立ち上がってホログラフィーを指差した。
「そうだよ……いきなりなんだよ」
「いや、こんなボロボロなのがか?」
「そうだよ、あのな、これだって立派なゴーレムなんだよ。ちゃんとしたのはちゃんとしたの技術を学ばねぇとできないんだっての……逆に自然生産でゴーレムができるなんて異常もいいとこなんだかんな?」
バトは棒をブンブン振り回す。
「わかったよ……ちゃんとしたやつってのはどう作るんだ?」
「ゴーレムのレベルによるな、こいつ程度なら魔力球でいくらでも、粗悪品ならこいつ100体、普通クラスで1万体だな、一級品は言わずもがな、技術学んだやつらじゃねぇと到底無理だ、魔力球で作ろうとしたら……」
「作ろうとしたら……?」
俺はゴクリ……と唾を飲み込む
「一般人の生け贄が10人いても足りないな」「なん……だと」
「つっても魔力が魔王クラスならポンポン作ってるアホがいるしな、実際ダーマの野郎に付きまとってたカラミディアがポンポンポンポンそりゃあもう作りまくってたぜ?、小さい女の子からおばちゃんまで節操無くな」
おいおい……何者なんだそいつ。10人必要な物をポンポン、しかも女性型……
「なんといううらやまけしからんな野郎なんだ!?」
「言っとくが野郎じゃなくカラミディアは女だぞ、女吸血鬼幼女」
さらに救えませんでした。
しばらくたってある程度聞いてから【寝落ちしそうになるたびチョーク投げならぬ氷投げをくらいながら】基礎が身に付いた所で。
「お〜い、二人ともぉ〜〜ちょっときて〜」「ん?ミューの声だな、だいたいこれで講義終了だ、ちゃんと覚えておけよ!!さぁ俺を持て新入り!!」
「…………………………頭が痛いです」
俺の頭には無数のたんこぶが出来ていた。
「知恵熱か?まったく最近のやつは」
「お前の……」
俺は南京錠を掴んで
「ふむ、しっかり持つように」「せいじゃあ!!!!!!」
ガチャン!!
「ギャア!!」「ふ〜スッとしたぜぇ……」
さて、南京錠もってミューさんの元に行くとイデデデ!!
「地面に叩きつけるな痛いだろぉ!?」
「俺は現在進行形でいてぇわぁ!!」
俺は南京錠との心理戦[物理]を10分くらい繰り広げてからミューのもとえ向かった
次いつ出せるかなぁ……。