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我は魔王ダーマなり:中編

お待たせいたしました!!

久しぶりの更新です!!

皆様を待たせてしまった分、私の過去最高文字数を記録しました!!



「それでですな!私が心血をそそいで売れる飯を考え、店が良くなるよう切り盛りして……だから内装もこんなしっかりと言うわけですよお客様!!部屋一つ一つにたいしても見ております快適に泊まれるようにそれもこれも私だけ残して消えてしまった家内のせいなんですよ?他の男が出来たからってどこかに消えましたよ、ほらあそこに人形で表現された物があるんですよ!!え、何もないって?くそまた盗んだなあのやろう!!」


ジョッキを何もおかれていないテーブルの壁に叩きつける店主。

顔はもう真っ赤で眼はトロンとしているようで……俺を見てるんだがどこを見ているんだがさっぱりだ。

酔いは完全に回っているようで会話の内容は支離滅裂な上に……なんというかその、内容が噛み合っていない。

店主が出してきた酒は薄かった、俺が酒に慣れているからなのかそれとも元々薄いのかはわからないが。

三倍、いや四倍に薄めてあるのか?

つまみも塩漬けし過ぎた干し肉に、固すぎるしクズ野菜ばかりのよくわからない食い物……正直食わない方がましだ。

俺はというと気付け用の酒を少し店主に分けただけで終わっている。

……そこまで度数は高くないはずなんだが。

あんな酒を飲むくらいなら適当に俺が作った方が上手い。

そして酒をとりにいくさい自分の部屋も見てきたがベッドは布団だけしかなく藁がおいてあるだけ、床はボロくほこりだらけ……これでは料金を取りすぎだ、せめて50インフィ……食事つきで100ってところか?

と言うかまともにやってるのかすら不明である、外で寝た方がましなんじゃないか?。


「店主、俺はいつまでこうやってつきあってやればいいんだ?」

俺はもう店主の話しに飽きたし汚い部屋で寝るのも嫌なので適当に部屋を片して寝たいのだが……

「もちろん私が満足するまでですよぉ!!……部屋にお戻りになられるのですか?ならば席をたつまえに金……払ってください。15000インフィですよ!ガッハッハッハッハ!!」

店主がバカなことを抜かした。

……そして俺をしたなめずりしながら見つめている、上から下までだ、服の下まで見てくるかのような目付きだ。


「……!?店主その値段は飲食代か?あとそんな目で見るな気持ち悪い」


「おおっとしっけいしっけい、もちろんですよお客様!!我が宿最高の肉に野菜、酒樽一個だったら通常もっともっと料金はしますよ!!私の宿は質の良いお酒使ってますから樽一個50000インフィ、いや100000インフィだったかな?……まぁいいやそれを一樽潰されたら明日泊まりにこられるはずの予約済みのお客様に大変失礼なことをすることになってしまいます、酒の在庫がもうありませんからね!!だが私は優しく心が広い!!30000インフィで手をうちましょう!!どうですお客様!」

そう言って俺の肩を掴みながら片手で酒をあおり肉を食う。

そして俺の顔にげっぷをしてきやがった!!

……こいつ、一樽潰したのはお前だろうが!!食ってるのもお前だし!!

と言うか後ろの棚に謎の空洞があるのはしってんだよ!!

そっからいける地下には生体反応もあるしな……関係ないから放置するか。

「もちろんお払いいただけないのでしたら……可哀想ですが体で支払っていただくことになりますねぇ、お客様は素晴らしい顔つきでいらっしゃいますからきっと引く手あまたでしょう、ヒヒ」


……気持ち悪い目で見てくんな!!しっかしまともに払うのも馬鹿らしいな、こう言うアホはちゃんと払うとさらに付け上がる、そして払えなくなるまで難癖……仕方ない。

俺はズボンのベルトに吊るしてある白銀性のコインしか入っていない袋に手を突っ込む。

備えとけば、なんとかなるもんだな。

基本的に俺には必要ないが気まぐれで武器や道具を買うんだが……探すのボらずにまともそうな場所探せばよかったぜ。

俺は小声で呟く。

「【複製】」

「お客様なにか言いましたか?」

「いや?なにも言っていないがこれで足りるか?三枚でいいか?」

そう言って俺はコインをテーブルに五枚置く。

「これ……は、一枚100万インフィする市場に滅多に出回らないコイン……!!」

店主は顔を真っ青に染める、腕はコインに伸びたり引っ込めたり……眼だけが正直に言っている。

欲しい!!!!

「そうだ、これを三枚でどうだ?」

「え、三枚?」

「そうだ、三枚置いてあるだろう?店主が頑張っているのに俺は感動してな、店や料理をさらに向上させるための投資だ、それともなにか?これを三枚貰って問題があるのか?」

わざと俺はとぼける、五枚だがな。

どうせ複製した物は俺のお金になんら痛手にはならず、よほど目がよくないと気づかないくらい精巧な偽物だ……こんな寂れたバカ店主に気づかれるわけがない、そしてこいつが持っていてバレたとき、バカの首が飛んで未来永劫複製貨幣の罪で晒し首だがな!!

「そ、そうですなたしかに三枚ですないやぁお客様は太っ腹だ!!フヒ、フヒヒヒヒヒィ!!!!」

キモッ……顔は歪んでよだれ垂らして虚空を見つめていらっしゃるよ。

これならばあの開かずの扉の正体がわかりそうだ。

「そ、そういえば店主よ」

「……あ、はい?なんでしょうかなお客様」

トリップしていた店主はハッとした顔になりこちらに向き直った。

「あの二階の入ってはならない場所、あれはなんなんだ?」

そう言うと店主は顎に手を当て悩んだような顔をする。

「……さすがにそれは言えませんなぁ、ただ最近物忘れが激しくて、ほら、まだあるんでしょ?きっかけさえあれば私今酔っぱらってますので秘密を漏らした上でその事を忘れてしまうかもしれません」

こちらをチラチラうかがうように見てくる店主。

わかってたことだがやっぱり調子に乗りやがった……。ちっしかたねぇ。

「ああわかったわかったよ、もっとだな。ほら、これで満足か?」

俺はまた二枚複製してテーブルに置く。

「もうないんですかねぇ?」

こ……こいつ!!複製すんのも楽じゃねぇんだぞ!!

「ああ、もうないよ、単純計算500万インフィもあれば十分だろ?それで?思い出したか?」

「ええ少し、思い出しましたよ。あそこにはですね……人間の秘術をバカな雑魚モンスター共に漏らした裏切り者の雌がいるんですよ、見た目は肩まで?いや腰くらいかな?長くて美しい緑髪の可愛らしい子なんですがね?そいつが術を漏らしがった!!これは世界を揺るがす……はずってことで村長が捕まえたんですよ!あとはこの私が管理を買って出て世話してやってるって訳ですよ、お陰さまで悪魔を育てる宿って悪評がつきましたが……まぁお陰で余りある恩恵が……おっとっと」

「どうした?」

「なんでもありません、なんでもありませんよ?さて二階についてはもうよいですかな?」……部屋がなんであんなボロいのか、まともにやってんのか?地下の存在について聞きたいがどうせとぼけるだろうから時間の無駄だな。

「ああ、ありがとうな」

「フヒヒ、私も思いがけない収入が入りました!!ヒヒ」

情報は手に入った、ならば……

「じゃあ寝ろよ【スリープ】」

俺は店主に向かって呟きながら指を座す、その瞬間店主は睡魔に襲われ、テーブルに頭を強く叩きつけた。そして寝息が聞こえてくる。

「性格も容姿もブタなら寝息までか……ブタに失礼だがな」

ちなみにブタは良質な肉が手にはいる美味しいモンスターだ。正式名ピッグブタトン。

こいつで作っても不味い肉しか作れんか。

俺はブタの着ているものの袋をあさり鍵束を見つけた。

「もういまんところこいつに用はないな」

ブタの足にキックをぶちこんでから二階にいく、ブタから呻き声が聞こえた気がするが気のせいだろう。

さて、二階の開かずのドアの前に到着し鍵束から鍵を指していく。

「これ違う……違う……違う……」

ガチャン

「お、こいつか、失礼しま〜〜す」

ドアを開けると、所々割れた窓から夜の光が部屋の中に入ってきて、光が床に当たる場所にうつむいて顔は見えないが、座っている一人の人間がいた。

部屋の中は……俺の泊まる部屋よりさらに酷いことになっていた。

部屋の角には虫の糸が付いていて朽ちた木の壁には穴だらけでボロボロ、ドアだけが外側だけ綺麗で内側は真っ黒だった。

藁さえもなく隙間から風がふき、部屋の中は外より寒く感じた。

「これは……なんともスゴいな」

あのブタ、嘘っぱちだらけじゃねぇか。

部屋の中を見回していると……


「また……私に乱暴しに来た知らない人、やるなら早くやって、どうせすぐ私、気絶しちゃうんだから、早く終わらせてよ……満足して帰ってよ……」

なんの話だ?

「おい、ちょっとまてなにをいってるんだ?」

「やらないの?」

「なにをやるんだ?」

人間が顔をあげる、目は大きく見開き下唇を噛みしめ、今にも泣きそうな顔でこちらを睨み付ける、痩せこけて垢にまみれ、泣き腫らした跡がある、女の子だった……

「とぼけないで!!また私を殴るんでしょ!?裏切り者裏切り者って言いながら蹴るんでしょ!?いつもお前たちはそうだ!!私をまた殺す手前まで苦しめるんだ!!そして私が苦しむ様を何度も何度も何度も……また腕を切り落とすの!?指を一本一本切るの!?お前たちはそうやって私を何度でも苦しめにやって来るんだ……!!」

髪を振り乱しながら女の子は立ち上がる。

「まて!本当になんの話だ!!お前落ち着けよ!!」

俺は必死に説得しようと一歩近づく……が

「止めて、来ないで!!来ないで来ないで来ないで来ないで!!」

逆効果になってしまった、女の子は壁に向かって走って行くと隅で丸まった。そしてブツブツとなにかを呟く。

「皆を裏切ったんじゃない……、自分がわからない魔族の人がいたから知る方法を教えただけなのに……!!なんで、なんでなんでなんで……!!なんで私が悪いの?なんでそんな物が秘術なの?最初に裏切ったのは皆なのに、なんでなんでなんで!!!!!!」

「そうだな、皆が悪い、お前を傷つけたやつらが特にな」

俺は静かに、そっと女の子に近づいた。気配遮断に察知遮断、他にも使ったがこの際関係ない。

「ヒッ……」

女の子は小さな悲鳴をあげる、俺は逃げられる前に髪に触れて頭を撫でてやる。

「よく頑張ったな、いや、なにを頑張ったかは詳しくは俺にはわかんない、けどお前はさっきいったその自分がわからない魔族の人のためになにかを教えてやったんだろ?魔族の人は、自分がわかったか?」

「触らないでよ!!」

どこからか取り出したナイフで俺の腕を刺す、なにを障壁をはらず受け止める、腕ならなにも支障はない。

この子に誠意を見せるために俺は……

ザクっ

「ガッ」

「死ね!!やられる前に殺ってやる!!」

ザクザクザクザク!!

片方の腕を目一杯、複数回刺してくる女の子、頭を撫でるのだけは止めない俺。

でもさすがに埒が明かないか

「ああ……殺されるようにしてやる、だけど暴れんなよ」

俺は女の子を抱きすくめる。ナイフは当然心臓の位置に移動する。

「え……」

「ほら、降り下ろせば心臓だぞ、刺せよ、今なら絶対殺せるぜ……」

俺は動かなくなった手で女の子の背中をポンポン軽く叩いたり、頭を撫でてやる。

「ほら、殺すきないならナイフは捨ててくれよ、そしたら自己紹介、しあおうぜ……?」

しばらくお互いに抱き合ったまま少し時間がたち……唐突にナイフが床に落ちる、木の床に刺さり……女の子が泣き始めた……

「よく頑張ったな、耐えたな、偉いぞ、お前は偉い」

俺は泣き止むまで頭を撫でてやった。


次回は……もっと早くあげますので今後とも【俺が魔王】よろしくお願いいたします。


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よろしくお願いいたします。

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