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小学三年生編〜 第二話 どうしても、大堀タケルは大切な事を思い出せない -3

 放課後、俺はとある要件を伝える為に白雪しらゆきを呼び出した。


 待ち合わせ場所に向かっていると、前方で何やらワチャワチャ動いてる人物を見つけた。


「おい、林檎りんごお前と話して俺……やっと素直な気持ちに気が付いたんだ。これからはお前しか見れない。付き合ってくれ」


「嫌……でも貴方には輝夜かぐやちゃんという人が、それに私の罪もあるし……それは出来ないの」


 …………何やってんだあいつ。白雪は一人二役で、壁に手をついたり壁に寄りかかって頬を染めたりしている。


「そんなに私の事を思ってくれてるのね、分かったわタケ……うぎぁぁぁぁぁぁあ!!」


 本当どうしたんだこいつ、今度は俺を見るなり叫びやがった。


「タタタ……タケルッ! どうしたのいきなり呼び出して、もしかして……告白? ついに? きったぁぁぁ!」


「んなわけあるか。俺には大罪があんだよ。恋愛なんてしてられるか。俺には月野を好きって言う資格すらない」


 そう言うと白雪は真っ赤になってしまう。


「なんだい。期待しちゃったよで、用ってなに?」


「あぁ、その事なんだけど。月野って毎日どっか出掛けたりしてるか? ちょっとこれから毎日月野と放課後あそんでくれないか? それで、月野の行動をチェックして欲しい」


「いいよ。それだと私が直接教えたって事にもならないしね」


「おう! じゃあこれ俺のメアドよろしくな」


 そう言って紙切れを渡す。これを気に月野のパソコンメールアドレスでも手に入ればいいんだけどな。いかん……俺は月野と恋人になるんじゃないんだ。月野の為に生きるんだ。間違ってはならん。


「やっとだ……やっと来た、私の携帯にタケルのアドレスが入る日が」


 白雪が胸元で小さくガッツポーズを作っているがもう気にしない事にする。


「じゃあ俺帰るわ」


 後ろで何か言っていたが、無視して帰る。俺に友達はいらん。誰もが俺の事を心配しなかったら、昔のような事件は起きなかったのだから。


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