三皇女
翌日久しぶりに自分のベットで目覚め裏庭で水浴びをしたのち制服に着替え、あの後急患で徹夜だった母親が診察室で寝ているのを確認すると学校へと向かう。昨日はどうやら大通りは皇女歓迎のパレードが行われていたのか通りは汚れており朝からギルドで雇われた人々が掃除を行っておりその間を通り抜けながら学校へと向かい衛兵に挨拶をしながらはいると何時ものように誰もいない校庭を通りすぎ校舎へと入ると、珍しく私より早く登校をしている女生徒がおり私は見つからないようにと後ろを通りすぎ階段を上がろうとした所で呼び止められる。私はため息を一つついてから振り返り丁寧な挨拶をすると、私と同じくらいの背丈で赤い燃えるようなか腰まである長い髪の女生徒はA-1は何処かと聞かれたので
「階段を上がった2階の正面の教室になります」
そう答えると
「そこまで案内を許す」そう言われ、面倒を背負い込んだと顔には出さないように
「こちらです」と誘導すると、私は失礼しますと言いながら自分の教室から逃げ出してしまう。
私は授業が始まるまでの時間をどこで潰すか悩みながら校庭に出てくると、朝練で出てきた先輩達が準備体操をしはじめたので居所がなく職員室がある建物の中の図書館にでも行こうと思い回れ左をして正門の左にある建物へと入っていく。中ではオルク先生が丁度職員室から他の先生たちと飛び出してきたところに出くわし私はすぐ横の階段を上がろうとして今日二度目の先生からの呼び止めに神妙な顔をしてふりかえると、どうやら昨日こられた皇女が行方不明で城でも大騒ぎしており先生たちも探しに出るところだと言うことを言われたので、なるべく控えめに先程A-1教室に知らない女生徒がいたことを伝えると、オルク先生は無言で建物から出ていってしまった。
私は3階の図書室に向かったが会館時間にはやはり早いのか閉まっており私はため息をつきながら建物から出て、木刀で素振りをしている先輩達を遠くに見ながら校庭の外れにあるポツンと立っている大木の根本に座るとまだ探し回っているのか先生達が走っているのを眺めていると隣に誰かが立つ気配がしたので、私はあえて気がつかないふりをして黙って先生達が走り回って探しているのを眺め続け立ち去ることを祈った。
しばらくするとようやく横から気配が消えホッとして早めにここから立ち去ろうとして腰をあげたときにつむじ風がふいてきて「あっ」と言う声が上がりチラッと声の方向を見ると黒い長い髪の女生徒が池の前で風に飛ばされたらしいつばの広い帽子を見ており、厄介事ばかりと思いながら見ないふりとそのまま校庭へ行こうとすると、凛とした美しい声で
「そち、すまぬが帽子を拾って来るがよい」と声をかけられ
私はゆっくりと左右を見渡し私しかいない事を確認するとあきらめて女生徒に振り返る。
女生徒は両腕を前に組んで偉そうにしており顎であれと言う風に指示してきた。
私は「少々お待ちください」そう言うと靴と靴下を脱ぎ、上着を脱いで横に並べると池へと足を沈める。
池の中は泥が堆積しており軽い私でも沈み混み、目標の帽子は目の前にあるのだが中々近づけない。後ろではなぜさっさと取らない等言いたい放題されており涙めになりそうになりながらようやく取って振り向くと、待ち疲れたのかものの見事に私の制服の上に座っており、しわくちゃになるとさらに涙めになりながら池から出ると渡そうとしたが、「綺麗にして返すのが礼儀であろう」と無茶苦茶な論理で言われ「水場で洗わせて下さい」そう言うと靴と靴下そしてシワがよった上着を回収して講堂の横にある水場に向かい帽子を洗い干してから自分の足を洗い流すと布で足をふいて靴と靴下を履いた。
私は「帽子は乾きましたら大丈夫です」そう黒髪の女生徒に伝えると、「下に落ちたのは汚くて使えない」そう言いながら怒って行ってしまった。私はあっけにとられながらまた後で返せと言われるのも困るのでまだ濡れている帽子を持って教室へと戻り今度は誰も中にいないことを確認すると一番後ろの定位置に座り、帽子は後ろの窓のところに引っかけ乾かすようにしてようやく落ち着いたと思い座って寝ることにして机に顔を伏せて寝始めると、同級生にしては明らかに早い登校と思われる足音がしたがこれ以上の厄介事はもうごめんなので狸寝入りを決めてしまう。
歩き回る靴音だけが朝の教室内に響き渡りやがてそれは階段を上がりこちらへと一歩一歩進んでくる。やがてそれは私が顔を伏せている長机の横に立ち足音が止まる。しばらくするとトントンと机を何かで軽く叩く音がしてそれでもまだ私は狸寝入りを続けており反応せずそのままにしていると叩く音がしなくなった瞬間、教科書か何か分厚い本で頭を叩かれ速度と本の重さで顔面を机に強打してしまい痛みで声も出ず鼻を押さえているともう一度本で叩かれてしまい手ごと顔を長机に強打され三度目の打撃から逃れるために反対側に転がりながら涙目で相手を見上げると、金髪で朝みた二人と同じ腰までの長さだがカールがかかっており教科書を両手で構えているが一言も発せず私を見ており、私は
「はじめまして、何かご用ですか」そう聞くとなにも言わず降りていき教室を出ていってしまい、結局この痛さは何だったんだよと叫びたい気持ちを押さえて隠れるように長椅子に寝転び痛さで赤くなった額と鼻をさすっていると、登校時間になったのか同級生達が次々と教室に入ってくるようで賑やかになる。
私は体をおこし教室を観察していると、先程の女生徒はおらずホッとした気持ちでマルシア先生が入ってくるのを眺めていると、続いてオルク先生が入ってきてその後ろにはあの赤と黒と金の女生徒が入ってきて教壇に並ぶと、マルシア先生が隣国のマーフィー皇国からの転校生であり今日から一緒に学ぶことになったので仲良くしてあげるようにと言うと一番前の席につかせた。
私はよりにもこんな事がと自分のあまりの不幸にへっこみながらマルシア先生の魔法学の授業を聞いており、昼になったら速攻で教室から更けようと思いながら昼のチャイムが鳴るのをまち、鳴るのと同時に腰を屈めながら一気に階段を音もなく下るようにして先生が開けたドアの横を「すいません」と断るとロッカーに荷物をすべていれて家路についた。
自宅に戻ると母親がレッドベアに襲われて怪我をした猟師さんが退院のため見送りで出てきており、ただいまと言って部屋に入ろうとする私を捕まえると今回の退治で頑張ったんだと喜びながら私を抱き上げ頬擦りをしてきて周りの奥さん達や猟師仲間が笑いながら誉めてきたので、私は気恥ずかしさで「はなして」と言いながら下ろして貰うと「もう子供じゃないんだから」そう言いながら自分の部屋へと入っていき、制服を脱いで上着はシワがよってしまったので軽く水をかけて重石で引っ張るようにしてから洋服に着替え待ちに待った新品の装備を作るためにカードを持つと外に出ながら「行ってきます」そう言うと一目散にお店へと走っていった。
カードに書かれたお店の場所は私も知らないので大通りを巡回している衛兵に尋ねてみると、貴族がすんでいる地区に構えておりこの格好で入れるのかなと一抹の不安を抱きながら大通りを城の方へと向かい、途中衛兵に呼び止められたりしたが制服を着て学院に通っているのを覚えていてくれたので通してもらうことができた。地区のメイン通りにお店はあり外からは普通の館にしか見えず戸惑いながらベルを鳴らすと、執事のようなビシッと決めた男性が出てきたのでカードを見せて装備を作りに来ましたと言うと男性は顔色一つ変えずに私を奥へと連れていってくれる。
中にはいると先ずはホールになっており、そこでは貴族の子弟なのか少年が座っていてその前にフルプレートメイルやきらびやかな装飾を施されたチェインメール等が並んでおり「すごい」と声に出すのを押さえながら奥の部屋へと通される。
そこには蝶ネクタイをした紳士がおり私を担当する旨を伝えカードを渡すと、私にどの様な鎧を希望するかと言われたのでハードレザーの鎧だが動きやすいものなるべく軽くと言うとかしこまりましたと言いながら前のカーテンから消えていき、入れ替わりにお茶とお菓子をお盆にのせたメイド服の女性が現れテーブルにティーカップうぃおくと紅茶を注ぎ入れていき焼き菓子を置くと一礼をして下がっていく。
焼き菓子はほんのり甘く中には果実を干し他のが入っており普段口にすることができないと言うかはじめての味にほほが緩み半分は母親におみあげと思いしかれていた紙に包んでポケットに入れて、普段飲んでいるお茶とは違う良い匂がする紅茶を楽しんでいるとカーテンから次々と革の鎧が運び込まれ並べていっており同じような形だが革の種類が違うのか表面の色や厚さが違うようで一つ一つ説明を受けながら目移りしていき迷ってしまうが、最終的に表面はワイバーンの皮をつかい内側は北冷バッファローのうぶ毛がついているタイプで、真ん中は衝撃を吸収するために南部に生息しているローリングバッファローの子供の柔らかい皮を使うことにして、ヘルムと上半身と下半身そして両腕と両足、そしてブーツとドラゴンの大きな鱗を花びらのように5枚丸く並べた盾を製作してもらうように頼み、最後に聞いてはいけないことなのかと値段を聞くと金貨百枚はいくでしょうと言われ、頼みすぎたかなと思いつつ1か月後の完成を目指してフィッティングをその場で終わると館から自宅に戻る。
自宅に戻り母親に焼き菓子を渡すと明日と明後日は学校が休みなのでギルドの依頼を受けてくると言うと部屋で装備を整えるとギルドへ向かう。中に入ると午後もかなり回っているので冒険者はおらず閑散としているので何時もはカウンターで依頼を調べるが、今日はGに上がって初めてだしどんなのがあるのかと思い掲示板の前に椅子を引っ張ってくると依頼を見始めた。
依頼の内容はHと変わらない物のドクが私に禁止した討伐もいくつかあり早く大きくなりたいと思いながら特種な薬草の採取等少し森の奥に入らなければ出来ない依頼を受けると城門を抜けて森へとはいる。レッドベアを倒した広場を抜けさらに奥へとはいると何時もはそこまでと決めている小川を渡ると知らない世界、獣道を見つけ足跡を見ると鹿やウサギそして猪と大型の肉食系は見当たらないので少し安心して進んでいくと昼過ぎには滝が見えてきてこれがフォールの滝かなと簡単な布に書いてある地図を取りだし確認すると、そこから滝の裏を抜けて穴を抜けると目的の薬草等が生えている場所に行けるので、滝壺を迂回しながら滝の真下に向かいそのまま滝の裏側に入るとそこから私の背丈位の小さな穴が開いており猟師の親方から教えられたとおり穴を通り上へとどんどん登っていきかなり上がると岩の影から外の出ることができて、右手から川の流れる音が聞こえたの向かってみると先程の滝のおお元と思われいずれ確認すると思いながら川の横をさかのぼり支流である小川に入っていった。
小川をたどり到着するとそこは小さな湧き水が染み出ている小さな泉になっておりその回りに目的の薬草や珍しい草花等を少し興奮ぎみに採取していると、いつの間にか日もくれており慌ててランタンに火をつけて夜営場所を探したが暗がりではわからず途方にくれながら小川沿いを下り、川に出るとさらに下り目印の折った木を見つけると岩場の穴に到着する。穴に潜り少しへっ混んだところにあお向けに寝転ぶと水筒と干肉そして固いパンを食べながら調子にのってしまったことを反省しいつの間にか寝てしまった。
翌日は日ノ出前に起きるとパンと干肉を水で流し込むと暗闇の中川音をたよりに川岸へと到着し昨日と同じところへ向かうと、そこには先着がおり鹿やウサギそして小山のような猪がおり私は指をしゃぶり風を確認すると風下にいることがわかり大人しく水を飲んでいる動物たちを見学することにして、木陰から見ていると左横から何かが動く音がしたので静かに落ち着かせるため目を閉じてその音が通りすぎるのをひたすら待っていると、急に音が大きくなり草をわけながら進んでいくのでゆっくりと目を開けると黄色の大きな肉食獣なのか水を飲んでいた鹿に襲いかかり喉笛に食らいつく。
私は呆然と見ているだけ動けずに牙を鹿に突き立て満足そうな顔を上げたときにその鹿ごと肉食獣が見事に飛ばされ木の影に消えていった。
飛ばした相手は小山のような猪でありまだ興奮しているのか前足で地面を蹴りあげており相手が死んだのが分かったようでゆっくりと森の中へと消えていったので、私はゆっくりと回りを確認しながら泉に行くと左手に動かなくなった鹿と大型の肉食獣が折り重なるように倒れており私はラッキーと思いながら解体を始める。
鹿は角はそこそこ大きく、素材としても高く売れるかなと思い皮をはぎ肉食獣も牙を採取し皮をはいでしまうともう昼も過ぎており急いで帰らないとと思い本来は肉などの処理をしなければならなかったが、その時間もなく皮を二枚と牙と角をリュックの上にくくりつけると急いで小川を下り川を下り穴まで走る。
岩の横のあがってきた穴の中へと入り滑る落ちるように入ると下り滝の裏までとにかく歩いた。ようやく滝の音が聞こえてきて裏側へ到着すると手を伸ばし滝の水をすくうとお腹がふくれるまで飲むとようやく空腹感がおさまり私はホッとするとまた急いで来た道を走り抜けようやくレットベアの広場に到着、疲労困憊になりながら森を抜け街道に出ると日も沈み始めており急がないと門が閉まってしまうので泣きそうな顔で守衛の門番に声をあげながら閉まりそうな門の間を通してもらい
「遅すぎるぞ」と守衛に怒られながら自宅へと戻ることができてベットへと直行したかったが、皮の下処理をしなければ売り物にもならなかったので泣きそうになりながら鞣し薬品を塗り、ようやく次の日になった頃に終わることができ水浴びもせずにベットにたおれ込んでそのままの格好で寝てしまった。
ふっと目をさまし空を見上げると太陽は高くなっており遅刻だと瞬間的に認識すると、服を脱ぎらかし制服を着ると顔だけを洗い学校へと走り始める。
「遅刻どうしよう、学校辞めさせられたらどうしよう」そんなことを走りながらつぶやきようやく学校の門へ到着すると守衛に挨拶もそこそこ教室へと向かうと、一時間目の修了のベルが鳴り響き私は脱力感に全身を支配されその場にへたりこむと教室のドアが開きマルシア先生が出てこられ、私を見つけると悩ましい顔をしながら私に近寄ってきた。
私は「寝坊しましたごめんなさい」そう言うとマルシア先生は
「体調は大丈夫かな、急病かと思って心配したんだよ」そう言い私の両脇に手を差し入れ立たせてくれ、私は顔が赤くなるのを自覚しながら
「冒険に昨日まで出ていて新しい場所に行くことがうれしくそれが初期ミスを連発してしまい余裕がなくなってしまいこんな事になってしまいました」
そう言い一礼をするとマルシア先生は
「この事について放課後話し合いをしましょう、職員室に来てください」
そう言うとチャイムがなったので私は顔を下に向けながら教室に入ると一番後ろまで上がり座って前を見ずに机を起立と言われるまで見続け、授業の終わりまで教科書と先生の声だけの授業であり、はっきり言えばそれどころではなく、授業は上の空で起立と言われて始めて終わったことに気がついたぐらいであった。
そして終わった瞬間に階段を下り私を呼び止めようとした声も耳に入らず教室を出ると職員室へと向かう。
職員室の前に立ったが気押されてしまい悩んでいると影が後ろから延びてきたので振り向くとオルク先生が立っておりドアを開くと私を押した。私は押し出されマルシア先生を探すとすぐ奥側の机におり私はゆっくりと静かに近づくと
「マルシア先生、アポロニア来ました」そう言うと先生は少しビックリした様子で私に振り向くと微笑みながら
「してしまったことはしょうがないのだから何をこれからしないと」そう言いながら私から一昨日から昨日までの聞き取りを行い、いくつかの質問を聞くと
「アポロニア君先生からの提案、これをするしないは君次第なんだけどいいかな」そう言われ私は頷くと先生は微笑みながら
「ギルドの職員のドクさんが言っていたとおり採取に専念するように、新しいトンネルを抜けた台地には肉食獣もいるので採取には向かない。もっと大人になるまでは近隣の森で今までと同じことをするように」そう締め括ると私は
「先生ありがとうございます、ドクさんがOKしてくれるまではそのようにします」そう言うと嬉しそうに先生は頷き
「でもアポロニア君はGランクなんだよね、その年で異例中の異例なんだろうけど浮かれるのもわかるかも、これから野外授業があるからお手伝いよろしく」そして終わりとつぶやきながら職員室の入り口まで押していくと
「また明日」そう言って私は頷くと急いで自宅へと帰った。
自宅では母親が珍しく暇なようで私が採取した珍しい薬草等をきれいにして取り分けてくれていたので、思わずその胸に飛び込んだ。母親はこんなことをする私が珍しかったのか頭を撫でてくれ
「無茶はしないように私を一人にしないようにすること」そう言うので頷き
「もう少し大人になるまでは我慢する」そう言うと珍しく「夕飯作るね、早くギルドへ納品してきなさい」そう言って薬草を手提げにつめて革と牙と角をリュックにいれると私を送り出してくれる。私は嬉しそうに「いってきます」そう言いながらギルドへの通りを勢いよく走り抜けていった。
ギルドの作業場を借りると昨日行った革の下地処理をチェックしたあと鞣してようやく渡せる段階まで来ると、材料屋に移動して依頼書と共に薬草と革そして牙と角を並べ、依頼書の半分だけしか薬草は取れていないが希少な草花なので銅貨40枚にもなり欲が出てきそうになったが、マルシア先生との約束を思いだし落ち着くように意識しながら革を二枚広げた。
鹿の革は大型を剥ぎ取るには経験も体力も無いため本来の価値の1/3にしかならず銅貨33枚、角はさほど大きくないようで銅貨20枚と言われ少しへっこんだが大型の肉食獣の革と牙二本を見せるとギルドのお姉さんは
「えーーーーーっ」と奇声をあげたので他の職員や冒険者が集まってきて、その中にはドクさんもおりお姉さんが指差している毛皮を見るとその毛皮と牙を持ち「ちょっとこい」と怒った声で私をギルドの応接室へと連れていく。
かなり怒っているドクさんに私は泣きそうになりながらついていくと、応接室のテーブルに毛皮を広げ私の腕の半分以上もある牙を置き、私の前に座り座ると両手で私の両肩を掴むと
「俺との約束は何だったか覚えておるか」そう聞かれたので頷くと
「じゃあ、これは何だ大型の肉食獣の中でも凶悪狂暴なサーベルタイガーの毛皮とこの長い牙」そう言うので、
「自分で倒したのではなく鹿を襲ったサーベルタイガーがその後小山のような猪に襲われ死んだので漁夫の利と言うことで皮をはいで牙をとることができた」そう言うとドクさんが「何処で」と言うので、
「ライン川の上流、台地の上の泉が有るところ」そう言うとあきれた顔で
「アライ親方の入れ知恵か」そう言うと「俺がいいと言うまで2度と行くなよ」とマルシア先生と同じように釘を指してきたので盛大に頷きようやく許してくれて評価額を話してくれ、「サーベルタイガーは希少種であり依頼でも銀貨五十枚と高値だし、牙も同じような値段で買い取れるが折角だからオークションに出してみたらどうか」と提案してきたので喜んで了承した。
ドクさんはそれ以外の報酬銅貨93枚、税金で9枚引かれ84枚をもらうと5日後の夕方から行われるのでこれを持って貴族の居住区にある大聖堂に来いと布に印がついた物が渡され、印を見ると国の正教会であるフェニックスのマークであり大聖堂で行われるのが不思議でしょうがなかったが、まだ一度も入ったことがない大聖堂には入れると思うとうれしくなり
「ありがとうドクさん」そう言いながら自宅へと戻りながら果物や飲み物、母親用にたまにはアルコールをと思いながら銅貨10枚で購入しながら戻った。
余程暇なのか近所のおばさんたちと母親は井戸端会議をしており、私を見つけると手招きしており恥ずかしさで顔を赤くしながらそのまま家へと入ると、母親も後から入ってきて私に近づくと
「相変わらず恥ずかしがり屋だよねアポロニアは、学校で友達出来たのかな、それとも一番後ろで静かに座っているだけかな」そう私の行動を見透かしたように私の髪の毛をくしゃくしゃにして夕食の準備を始める。
私はバックから果物やお酒などをテーブルに並べると嬉しそうに母親も並べると、久しぶりにそろって
「いただきます」と言いながら私は果汁ジュースで母親は麦酒を飲み始め買ってきたのは私だけど急患がきたらどうしようと思いながらハラハラしながらご飯を終えると、今度は普段のむ暇もない母親が物の見事に出来上がり洗い物をしている私にからみながら
「お母さんは酔っぱらいました。息子よはやくねるぞ洗い物は明日でいいし、真面目すぎるぞ大人しすぎるぞ」そう言って私を持ち上げると母親は私に服を脱がせるように命令し、終わると私をベットに引き込み嬉しそうにほおずりした後急に悲しい顔をして「必ず帰ってくるんだよ」と言いながら泣き上戸になりようやく大人しくなったと思ったら寝てしまった。私は服を着替えて自分のベットで寝ようかとしたが、母親は私を話そうとしてくれずあきらめながら寝てしまった。
朝早くから玄関の扉がたたかれ「ドクター急患ですお願いします」そう言って何度もたたかれたので私は眠い目をこすりながら母親を起こそうとしたが目を開けずに唸っていたので、私は起きて扉を開けるとそこにはお年寄りを抱えた青年が立っており親を助けてくれと言われたので、私は台所に行き壺に水をくむと母親のベットへ戻ると母親の顔目掛けて水をかける。母親は悲鳴をあげながら起きて私を見たので「急患ですかあさん」そう言うと母親はつぼを受けとり底に残っていた水を飲み干すと気合いを入れながら診療所へとあがって行ってしまった。私はもう少し寝ようと思い自分のベットで寝ることにして部屋へ戻り就寝する。
翌朝はいつもと同じように日ノ出と共に目が覚めると井戸で水浴びをした後に母親の分も含め朝食を作りパンとスライス肉と果物を食べおえると、制服に着替え学校へと向かう。まだ人通りも何時ものように少なく眠そうに立っている衛兵に挨拶をしながら学校に入るとやはり人気がなく教室へと向かう。誰もいないことを確認すると階段をかけあがりいつもの椅子に座ると、こないだはこれで頭を叩かれたと思い机にではなく長椅子に寝転がった。昨日の事が急に思い出され恥ずかしさで身をもだえさせてしまいなんとか忘れるように繰り返しドツボにはまったようで誰かが入室するまでそんなことを考えており入室の気配で動くのを止める。
それから次々入室してきたのでゆっくりと起き上がり前を見ると王子と三皇女とその取り巻きが最前列におり、三皇女にはなるべく穏便に関わらないようにと考え丁度先生が入って来たので号令と共に起立そして礼をして座る。
マルシア先生が授業を始め今日は野営についての知識と実際2週間後にキャンプを行うことを伝えると皆は嬉しそうに隣同士で話始めマルシア先生が注意するまで続き授業が終わってからも話し合っていたが、
「アポロニアご無沙汰だね、昨日も色々あったみたいだけど大丈夫かい」そう言われ横を向くと王子がいつの間にか立っており私は慌てて立ち上がると
「ごめんなさい、疲れて寝坊をしましてその事で先生に呼ばれて職員室に急いでいったので」そう言うと興味を刺激されたのか王子は
「今日は僕のために時間をつくってくれるとうれしいな、良いよね」そう言われ仕方なしに頷いた。
次の時間は元冒険者のハンス先生が実際の道具を見せながら野営についての手順と使い方を教えながら明日は学校の野外授業を行う事を伝えると授業は終わった。
私は逃げたいのを我慢しながらゆっくりと階段をおりて私を待っている王子と合流すると食堂へと向かうが、後ろには三皇女と取り巻きの視線が突き刺さり王子からの野外授業についての抱負などを話ながら到着して王子は食事を頼むと私にも同じので良いよねと頼んでくれた。
私は配膳されてきた王子の分も持つとついていき王子の横へと座らされてしまう。
王子は「レットベアから昨日までの事を話してくれるよね」と嬉しそうに私を見ながら言い、私は話始めた。
レットベアとの遭遇、猟師の狩と大怪我を負ってしまった人のこと、国からの命によりギルド主体での討伐、だが老練なレットベアに結果がでないので私が囮になりギルドの職員のドクさんのお陰で九死に一生を得たこととレットベアを討伐できてその功績で冒険者ランクがGに上がったことを話すと、私が穴に引き入れられ間一髪助かり穴から引き上げるところが気に入ったようで何度も聞いてくる。
全然かっこよくも無いのにと思いながら話続け、連休で行った台地への冒険は王子にとってもたまらないほどの話だったらしく目を真ん丸と見開き聞いてくれていたが、横から黒髪の皇女が
「そんな作り話で王子の感心をかうだなんて、平民の分際でいくら王子の頼みとはいえ図々しく座るだなんて」そう言うと赤い燃えるような皇女は
「そちのようなものにわらわたちが話しかけるのも不愉快だと言うのに」そう言うと、金髪の皇女が
「なぜ一緒のテーブルにつかなければならない、遠慮というものがホントないな平民は」そう言われ王子は不愉快な顔をして何かを言おうとしたので
「すいません王子様、すいません皇女様」そう言うと王子と自分の食器を持つと返却して、悲しそうな顔をしている王子に挨拶をすると帰宅への道へと帰っていった。
私はため息をつきながら王子の好意は有りがたいがその他の人との軋轢がきつく明日からの学校生活もゆうつになり行きたくない気持ちにさせられる。
帰り道に焼き肉と野菜を購入し、固いパンを明日の朝の分と共に購入すると自宅へと帰り、少し時間があったので制服から冒険者の格好に着替えると罠を持って城外にでると、獣道や水場等に罠を仕掛けると夕方に自宅に戻る。
母親は昨日と一転忙しいらしく二階の診療所からおりてくる気配が無いので一人でご飯を済ませると裏の井戸で水浴びと、一昨日の冒険の装備を洗ったり自分でできる範囲で補修をするとベットに潜り込み就寝した。
その夜の夢は三皇女が出てきて苛められる夢になってしまい朝起きると寝汗をかなりかいていたので布団を干してから水浴びで汗を流すと、パンに肉と野菜を挟んだ物を二つ作るとひとつは朝食で食べてもうひとつは母親の分として置いておくと制服に着替え学校へと向かう通りを目指した。
学校へと到着して何時ものように教室へと入ろうとすると呼び止められる。誰かと思い恐る恐る振り向くと王子が一人でいたので私は慌ててしまい声が上ずってしまいながら返事をした。王子は
「いきなりごめん、昨事もふくめてだけど」そう言いながら私に近寄ると私の腕を引っ張りながら屋上へと向かうと座るように促された。
私は緊張しながら座ると王子も横へ座ると改めて謝られてしまい私は慌てて
「気にしないでいいです。貴族の中に平民がいれば普通のことですし」そういわれ王子はため息をつくと
「たしかに階級は絶対であるがそれが人をおとしめる言い訳になっていいものでもない、私は私が知らない事を価値を教えてくれる君は私にとっては大切な親友なのだからそう言わないでくれ」そう言われ私は私の考えもしなかった事を言われてしまい言葉も言えずにいると
「私から言えることではないが、三皇女と取り巻きからはきつい言葉もあると思うが許してくれると助かる」そう言われようやく私は頷き
「王子様、ありがとうございます私なりに頑張ります」そう言うと手をさしのべられ私は握り返した。
私達は二人で話し合いたいときはここに来ることにして授業時間に近づいたので先に王子が教室に向かい、私はギリギリに入ると一番上までかけあがり席へと座るとハンス先生が入ってこられ、今からや外実習に出るので玄関に集合と言うので皆が出ていくのを見ながら私も最後尾で立ち上がり降りていく。
玄関に班毎に整列しており王子の班の後ろにつくとベレが後ろを向くと「邪魔するなよ」と言われ私は頷いた。
ハンス先生が先頭に立ち野外実習の場所につれていくとオルク先生が待っており班毎に道具が準備されていて、生徒は配置につくと先生がテントを設営するように言い生徒たちは設営しはじめたが初めてなのでうまくいかなかった。
私たちの班も三皇女は横で見学、血縁のマルスが中心になり取り巻き3人がたて始めるが、適当に柱をたてたりするのでテントを張ると倒れてしまったりしてかんしゃくを起こしており、王子はそれを見て私に手伝ってくれと言ったので地面に棒で排水用の溝や柱をたてる部分を書くと王子に説明をして指示を出してもらった。
柱を決められた場所に立ててテントを張るとそれぞれ地面に引っ張るためのペグをロープを引っ張りながら立てて安定するのを確認したのち排水溝を堀始める。
取り巻きは何でそんなのと言っていたが、王子が率先して動いてくれたので手伝わずにはおれなくなってしまい完了した。
その後石を運び込みかまどを作ったりと王子のサポートにより一時限目で終わりほっとした所、金髪の皇女に背中を蹴られ転んでしまい、「王子様に何てことさせるの、貴方がだらだらとしているからわずらわせることになるんだから、本当に使えない平民ね」そう言われ起き上がると何度も謝り、溜飲が下がったようで元のところへ座り直す。
王子を見ると怒っているのを我慢しているようで、それをみて勘違いしている皇女はそれみなさいと話していたので、私は小さく手のひらを王子にだけ見えるようにふり気にしないでいいと気持ちを伝える。
二人の先生はお互いまだ出来ていない班を手伝っており私たちの班はかまどに火をつけようと黒髪の皇女が言い出し、残り二人の皇女も同意したので私に薪を持ってこいと命令をしてきたので積み上がっている薪と火種用の小さな枝や木の削りかすを何度か行き来して準備をする。
その間も「おそい、とろい、使えない」と合唱をもらい準備をしようとすると王子が
「皇女の方々、よろしければ私のために火を起こしてくださいませんか」そう言われ満更でもない様子でお互いを見つめており3人は立ち上がるとかまのまえへ移動したので、王子はさらに先生に食堂で食材をもらう了解を得ると取り巻きの生徒に取ってくるように頼み私には先生の手伝いをしてあげてほしいとあえてここから離れる用に言われたのでオルク先生の元に走っていった。
先生は私が手伝いを申し入れると嬉しそうに頷き他の班の手伝いを頼むと言ってくれたので少し躊躇しながらすぐ横でうまくできない同じクラスの男女6人組の手伝いを始める。
リーダーは都市で一番と言われる商家の子息でギョウネと言いふっくらとした顔が汗だくになりながらテントを他の3人の男子生徒とたてようとしていたが私達の班と同じ様にうまくいかなかったので、棒切れで同じ様に設置場所を書くとお互い声をかけながら引っ張っていく。ギルドで習った時と同じ様に声を出していけばそんなに難しいことではなく立てられ嬉しそうに例を言われたあとギョウネは私だと思い少し躊躇しながら手を出して握手をしてくれ、私は照れながら返した。
かまどを作るのも手伝い始めていると
「あーもうなんで火がつかないの、こんなの侍女にしてもらえばいいだけじゃないの」そう言う叫びが上がり、見てみると三皇女の黒髪の子がかんしゃくを起こしており、私が心配そうに王子を見ると私には首をふって何も手出しをするなと言う事を伝えてきたので、それから騒いでいるのを聞こえないふりをしてかまどを完成させる。
そしてギュウネに薪を取りに行こうと言われみんなで抱えながら戻ると、授業で習ったけど初めてなので教えてほしいと言うので大きな薪をかまどの中で組み上げ一番下に小さな枝や木屑を入れるとここに火種をつければ良いよと言うと、あらかじめ用意された火種で火をつけると徐々に煙を出しながら燃え始め、板で空気を送り込みながら食材を食堂から貰ってくるように伝える。
三皇女の方を見ると3人で喧嘩を始めており、王子はあきれ顔取り巻きはドン引きで王子の後ろに隠れており、王子は三皇女の前に行くとなにか話始めており気になりながらも板で空気を送り込んでいた。
王子からお呼びがかかったので私は残っていた二人の女の子に火が強くなるまでしばらく板であおいで、燃えたら様子を見ながら薪を追加するように伝えると王子のもとへ戻っていく、王子はありがとと言いながら三皇女が積み上げた薪をかまどからのぞくと組み直しながら昨日の授業で教わった通り進めていき私を見たので問題はないので頷ずいた。
火がついて王子が板であおぐと炎は徐々に強まり、しばらくすると調理出来るようになってきたので、材料を準備された鉄の串に肉と野菜を交互にさしていき塩をふって胡椒をかけたあとかまどにおいて焼けるのを待つ。
良いにおいがただよいはじめ、私はたまらず唾を飲み込みながら十分に焼けた串を取り出すと皇女達もにおいにつられ戻ってきて私の手から奪うと食べ始め、王子は何時ものように苦笑した。




