冒険者
私は家まで駆け足で帰ると制服を脱ぎ布の動きやすい服に着替え、ホビット用の小さなザックに縄や革袋を入れ使い古したナイフを腰にさすと今日採取する予定の依頼書を3枚ほど机から取り出し直ぐに家を飛び出す。
家はスラム街に近い2階建ての建物で1階は診療所で母親が忙しく働いており、2階が親子で暮らしているところになっており小さいが私の部屋もあり、棚には採取した品物が置いてあり依頼書の数が揃わないときに持ち出して提出することもあった。私は小さいのでまだ森の奥へと進むには危険なので、依頼の中でも採取しやすく森の奥にいかなくても採取できる物を選んで受けていた。
王都の正門の横の通用口からいつもの衛兵さんに挨拶をしながら通り抜けると、衛兵から今日は遅いんだなと声をかけられ学校が今日から始まったんですと言いながら森へと急いだ。森へは街道を少しいくと右手は畑が続くが左手は草炎の森が続いており私はいつものように森へと入ると一端立ち止まり音や気配がないか意識しながら確認して問題がなさそうなら少し奥へと進む。なぜ慎重かと言うと以前これを怠り入ったとたん熊に遭遇し慌てて街道に逃げるとたまたま歩いていた冒険者に助けられたことがありいらい必ず行っている。
何時もの獣道に出ると罠の設置してある場所に向かい獲物がかかってないか期待しながらいくと自分の中では大当りな真っ黒なヒールラビットが罠にかかっており首に巻き付いた罠で動かなくなつており触ってみると死んでからまだ時間がたっていないのかほんのりと温かく、私は罠をはずずと近くの枝にロープをかけてヒールラビットを吊るして血抜きを行い穴を堀血を溜めて埋め戻した。捕獲した獲物はザックに仕舞い罠を解体しザックに同じようにしまうと次の罠に向かい、到着すると同じくまだ暖かいヒールラビットでありこんなラッキーなことが有るんだと思い血抜きをしてザックにしまう。本来なら素早く動くにはラビットは2匹でも重いくらいで、欲の出てきた私は3匹目が罠にかかったのを喜ぶと同時に周囲を伺う。
こんなにラビットは罠にかかるおとはあり得ないのにかかると言う事は何か大きな危険から逃げていたと考えられ、私はリスクを考えたが少しでも稼ぎたいと思い周辺の探索にいくことにしてロープを枝に引っ掻け、体重をかけてロープにつなげたザックを吊るし終わると獣道を歩き始める。小動物の足跡がいくつかあり爪をたてて走っている様子が土の後から想像がつきそれを追っていきながら匂いと音に注意を払い歩いていくと大きな爪痕と血痕が地面についておりここで先回りして襲われたことがわかり、血のあとからそんなにも時間がたっておらず足跡からなかなか大きいレッドベアであろうと推測ができたので、今度は足跡がどこに続いているか追跡しようとしたが足跡の前方には続いておらず左右にも見当たらないのでレッドベアは自分の来た道を
下がっていったのではと猟師に聞いた老練な熊を想像し追跡は打ち切ると、ザックを吊るした場所へと戻ると、罠のヒールラビットを回収してザックを下ろし入れると一目散に森へ出ようと走り始めようとしたときに気がついた。
周囲の鳥のさえずりが一切無く静寂が支配しており、多分何処かで老練なレッドベアが私の隙をうかがっていると想像でき大変不味い状態におかれているのがわかる。風は私が戻ろうとしている森の切れ目から吹いており風下森の奥から匂いを嗅いで私がいることを把握していると考えられ、とにかく少しでも早く森を出るために音に意識をさせながらもしものために足止めになるかわからないが残りの罠がある2ヶ所を通るように意識しながら最短ルートをを通りすぎていく。時間がたてばたつほど私の不利な条件が重なっていき生き残ることが絶望になりつつも足は止めず進む。
あとこう少しと言うところで後ろで音がして私は練習用の一番大型用の罠の横を通りすぎ必死に走ると、次の瞬間後ろで吠える声とワイヤーと木のしなる音が聞こえてきて運よく引っ掛かって試しように拾った鉄製で出来たワイヤーに引っ掛かりワイヤーを巻き付けた木をそのパワーで破壊しようと暴れ木が裂けていく音がし始めて、罠の設置をもっと教えてもらわないと駄目だなと変に冷静になりながらようやく森を出てそのまま街道に出て馬車の間を縫うように街道の反対に出て森を見ていると、森のぎりぎりに罠を破壊したらしいレッドベアがこちらを見ているが人通りが激しいため出れずに見ていると感じられたので早々に城へと戻るために帰途についた。
行きと同じように通用口から衛兵に挨拶をしながら通過すると家とは正反対の大通りを通り抜け商業が盛んな通りの一番奥に何時もの目的のギルドがあり、まずはその横の冒険者に対する支援センターに入ると、何時でも几帳面で静かにカウンターの向こう側に座っている冒険者ギルドの職員のノリスさんが私が入ってくるのを見ていらっしゃいと声をかけてくれる。私は挨拶を返し解体部屋を一時間借りたいと言うとノリスは頷き空いていますからどうぞと言ってくれたので勝手知ったる我が家のように並んでいる小部屋のひとつに入ると、そこは四畳半ほどの広さで頑丈な机と椅子があり机の横に洗い場もついており包丁などの道具も完備されている。この部屋を含め1日1回一時間ほどギルド会員は無料で使用することができるので重宝しており罠に獲物がかかるとここで解体をいつも行っており、ザックの中のさらに袋に入ったヒールラビットを3匹取り出すと机に並べた。
まずは3匹の小さくて短く幅広い耳を全てナイフで切り取ると母親にまじないの効果アイテムとして加工してもらえばそこそこ高く売れるので私は袋に仕舞う。そしてヒールラビットの体は皮を剥いでいき肉と毛皮に分離して皮はあとで鞣して商品として売るため洗うと設置してある乾燥用の棚に並べ、肉は内臓は血抜き出来なかったのは捨てざる終えなくて残りのものは水洗いすると鍋に入れ設置してある簡素な釜戸に水を張った器に入れ弱火で煮込み始め、肉は設置してある容器に水洗いしてから入れると部屋を一度でて、ノリスさんに隣に行きますと言うとカウンターの横の通路から右へ回り込み隣の建物へと向かう。
通路を抜けるとそこは材料屋であり同じくギルド職員が数人おり冒険者から品物を売買しており、顔見知りの職員に器の肉を渡すと木札を貰うと支援センターに戻り乾燥させている毛皮を丁寧に鞣して商品として購入できるように設置してある道具で簡単な下処理を行い、途中二度程弱火にかけた内臓を煮込んでいる鍋の水を入れ換えながらまた鞣し革を作成していくと、壁に設置してあるベルが一度鳴り10分前の知らせをノリスさんがしてくれたので続きは家でとザックに仕舞い、鍋の内臓も水を捨てると部屋の片隅に使い古しの欠けた陶器の無料の器に入れ換えると作業台を洗い流しザックを背負うと外に出て終りですとノリスさんに礼を言いながら材料屋に戻り、木札を職員に渡すと代金ですと銅貨13枚を並べ、2匹は血抜きをしてあったので5枚と血抜きしてないのは3枚ですと言われ頷くと税金ですと1枚そこから抜かれ12枚を腰の革袋に入れると礼をいって直接通りへと出られる扉から帰途についた。
流石に日も傾き始め私は家路に急ぎながら八百屋さんで野菜をいくつか銅貨3枚で購入すると急ぎ自宅に戻り、階段を上がり2階の診療所を覗くと診察が終わったのか誰もおらず1階の自宅に入ると疲れたのか母親がソファーで寝ており、私は起こさないようにそのまま台所へ入ると診察代がわりに置いていった薪を釜戸の中に並べ、火種皿に木屑を並べ火打ち石で火をつけ息を吹きかけ薪に火をうつすと水を張った鍋に下ごしらえをした内臓と刻んだ野菜を入れ塩をふりかけ弱火で煮込み始め、これまた診察代であろうかという少し表面がかびているパンの表面を削り中はまだ大丈夫と確認し木の器にもるとテーブルに置くと、釜戸で火にかけている内臓の煮込みはしばらく時間がかかるので自分の部屋に戻ると毛皮を取り出しなめし始め。気がつくと日は暮れて部屋の中は真っ暗になっていたので慌ててランプを持ち出し台所へ戻ると美味しそうな匂いに起きたのか母親がランプをつけた中で、器に煮込んだ内臓のスープと患者さんから何時ももらう野菜を盛ってテーブルに準備して私を呼ぼうとした時に私が入ってきたので、ご飯にしましょうと席に着き私はランプをテーブルに置くと席に着き母親とと共に神への感謝の祈りをすると食べ始める。
母親は私に入学式などの学校の様子を聞いてきたので場違いと言いたいのをこらえて、新しく友人も出来そうで楽しい学校生活が始まりそうと実際とは逆の言い方をして母親を安心させる。そしてヒールラビットの耳がとれたのでまじないで商品を作って欲しいと頼むと食後にするから置いておいてと言われスープにカチカチなパンを浸しながら食べおわり、片付けは母親がしてくれるというので私は釜戸の残り火でランプに火を灯し部屋からヒールラビットの耳が入った袋を母親に渡すと、二本づつ対にして紐で根元を縛ると神聖言語でまじないを始める。しばらくすると赤い暖かな色に発光をし直ぐに消え同じように残りの耳もまじないを施すと私に返してくれ、母親は私を抱き寄せてソファーへと座る。
母親はアポロニアが先程食事の時に話した話に違和感を覚えたので聞き直すと、実はと今日学校が終わったあとに何時も罠を設置しているすぐ近くの森でレッドベアに命を狙われしまって九死に一生をえたと話したが、問題は学校にあるとお思ったが話そうとしないのでこの頑固さは父親譲りだなと思いつつ森へはギルドで警戒し討伐してもらうように頼むようにと言い聞かせ、私がもっと稼がないといけないが貧しい人からはなかなかお金をもらうことはできないのでこれからも苦労を掛けると思いおもいっきり抱き締めると、嬉しそうに胸に顔を埋めて苦しいですともがいている我が子をいとおしく思いさらにきつく抱き締めてしまいその夜は暮れていく。
私はまだ綺麗な母親に抱き締められ嬉しいけど窒息しそうになりながらいつの間にか寝てしまい、翌朝日の出の差し込む光で目が覚め母親がベットに寝かしつけてくれたので気持ちよく目覚めることが出来たので、昨日のスープを暖め直しその間に裏の井戸の前で軽く準備体操と子供用の木刀を持つと父親に習った型を繰り返し行い汗をかいたので水浴びをして中へと入ると、母親が朝食の準備をしており神への祈りを捧げて朝食を食べ終わると昨日の鞣し革の仕上げを行い学校の後売りにいくためにザックに入れて、昨日報告ができなかった依頼の薬草等は乾燥させた在庫をザックに入れて机におくと通学準備のため制服を着て身一つで母親に「いってきます」と笑顔で言うと学校への道をランニングもかねて走った。
ようやく家に着き遅くなりましたと言うと返事はなく明かりは2階の診療所だけがついており、私は食卓のランプを引き寄せ火付けの器に藁と木切れをのせると火打ち石で火をつけてランプを点けて釜戸にも火をいれ昨日の鍋に火をいれた。診療所で不足の事態があったのかと思いランプをもち2階への階段を上がっていくと階段の上の窓から男の人の悲鳴と母親が大人しく押さえていろと言う声が聞こえてきたので診療所の中へと入ると、待合室には血で汚れた服を着た数人の男達が疲れた顔で座っており診察室にはいると数人の男が診察台の男に押さえつけられて母親が処置をしており、私は後ろにある机に靴を脱いで上がってみていると診察台には大型動物の爪で大ケガをした大男が仲間に押さえつけられて寝ており母親は出血箇所を止血していたが怪我が大きすぎているのと大男が痛みで動くので思うように進んでいないように見える。
私は今日採取した中に強力な痛み止めの実があるのを思いだし机から降りて靴を履き直すのも面倒なので裸足で階段をかけおりると食卓の横にあったザックの中を食卓に全部だし袋をいくつか開けると目的の物を見つけると急いで階段をかけ上がり診療所へと戻る。中に入り男が相変わらず暴れており男を押さえつけているがかなり難しそうだったので、「お母さんクコの実」と言うないなや母親が返り血を浴びたひどい形相でこちらを見たので袋の中の黒々とした実を見せるやいなや引ったくられ、実を取り出し布にくるみ診察台のはじっこに叩きつけもう片方の手で他の布を口に当てながら砕いた実が入った布を大男の口に押し当てる。私も咄嗟に布の服のはじっこで口と鼻をおおい一瞬甘い匂いがしたが咄嗟に布でおさえられた何ともなかったが、それ以外の男達と大男が次々と意識を失っていき倒れていき、大男は大人しくなった。
母親は口の布を包帯で自分の顔に押し付けながら巻いていき、終わると素早く処置を開始しそれからかなり長い時間かかり処置を終え先程砕いた実が入った布を器にいれてランプの火で点火し灰にするとようやく口の包帯をはずし、赤く染まった顔をこちらに向けると「よくやった」と私を抱き上げほおずりをしてきて逃げられるわけでもなくされるがままに母親から最高のおほめをいただいた。
患者と倒れた男達の様子を見るのでもう寝なさいと言われおやすみといいながら1階に戻り消し炭とかしたスープの鍋に水を足し空腹のままベットへと潜り込み疲れからすぐ寝てしまった。
翌朝外の騒がしい話し声で目が覚めて家の外に出るとそこでは町の人が炊き出しに集まりご飯を作っており、小柄な女性が私を見つけると駆け寄って抱き上げられありがとうと何度も言われながら抱き締められ、キョトンとした顔で女性を見ていると、横にいた年を取った女性が「猟師のグズリの奥さんで昨日の薬を持ってきてくれたお礼だよ」と言われようやく大男の奥さんなんだとわかったので、「母親が助けただけですよ」と言いながら私のお腹が空腹で鳴ったので赤くなっていると下ろしてくれすぐにご飯を用意するから座っといでと言いながら年を取った女性が炊き出しの方へ戻っていき、改めて大男の奥さんにお礼を言われ助かってよかったですと返した。
置いてあった椅子に座り込み奥さんに怪我をした理由を聞くと私が予想した通りあのレッドベアにギルドからの依頼で昼過ぎから様子を見に行ったときに仲間を助けるために怪我をしてしまい母親の診療所に運び込まれたと言うことであり、自分も絡んだことなので少しへっこんでしまっていると、先程の女性が色々な具材を煮込んだスープを持ってきてくれたので急いで食べ終え、学校に行きますと断りをいれて家の裏で水浴びをして制服に着替えると炊き出しの人々に行ってきますの挨拶をして全速力で走って昨日と同じくらいの時間に教室へと入ることができて一番後ろに座って一息ついた。




