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冒険者の苦労

松風を走らせて進むがゴブリンにさえ会わずにキャンプ地に到着する。

「なんでいないのか、足跡はふたてに別れてる」

会わなかった理由はキャンプ地から別々に足跡が延びており小さい方を追跡する。

どうやら村を迂回しているのか足跡は続いており夕方に騒がしいゴブリン達の寝床を確認して戻った。


マリーに報告すると、

「挟み撃ちで村を襲うつもりなのかな、反対側にはオーガがまわりこんで、すぐに確認してきて」

そういわれて松風に乗ると急いでゴブリンのいる場所と村をはさんで反対側に走らせると同じように寝ているオーガを見つけ報告をした。

「挟み撃ちは不味いわね、村の防御はさほどないし」

マリーは皆を集めて状況を説明した後、

「決めた、今からホブゴブリンとゴブリンの集団を襲うわよ準備させて」

そう言われて村人を起こして準備させていると、

「無理して攻撃しなくても村で戦えばいい」

村人が騒ぎ始めてしまい統一ができない、残った冒険者もどちらかと言えば消極的で準備は終えているが無理にと言うのが本音で、

「だいたい別れたからって襲ってくるとは限らないし、うまくいけばそのまま反対側に通りすぎる事もある」

それを聞いてマリーが怒りを押さえながら言おうとするのをワーレンがなだめると、

「いいわ、私達は別行動をとらせてもらうわ、ワーレン行きましょ」

確かに何とかしようと思ったことを余計なことをするなと言われてしまったので、これ以上もめて自滅は不味いのでギルドのフェドに言うとすまなそうに手紙を託されライカのギルドへ知らせてくれるように頼まれた。


ギルドの馬2頭を借りて私のと含めて二人乗りで暗闇の中キャンプ方向に進みそこからライカへと馬を走らせる。

馬車では5時間程だが二人乗りでも馬は早く4時間でライカに朝方到着をして門番を呼ぶ、

「ギルドへの至急の知らせだ」

ワーレンが書状を見せると待っていろと言われて未だ開門時間ではないが通用口が開かれたので通り抜け衛兵と共にギルドに向かう、

「マリー、みんな疲れているだろうからこないだの宿に直接向かってくれないか」

リーアも一晩中起きていたので疲れておりマリーも同意して大通りを馬を引いて別れるとワーレンと共にギルドに入った。


「オーガとホブゴブリンそしてゴブリンの集団が村をか」

当直のギルド職員がフェドからの手紙を読んですぐに責任者を起こすといい、衛兵に騎士を呼ぶように伝えるとうえに上がっていった。

「間に合えば良いけど」

ワーレンが呟く、

「往復で10時間位、今頃戦いが始まってるかも」

そう言ってると上の階の外で木を鳴らす音が響き渡り寝起きの責任者があわてて降りてきて、

「手紙の報酬はあとで払う、村を襲っている者の数は」

そう聞かれてオーガが20体、ホブゴブリンとゴブリンは300はと言うと、

「原因はなんだと思う」

聞いてくるのでワーレンが、

「卒業試験の狼煙が見えなかったのをギルドの教官が気にしていました」

そう言うと職員に試験の詳細を持ってこいといっている間に次々と眠そうな目を擦りながら冒険者がギルドに入ってきた。


「みんな聞いてくれ、緊急の依頼だ」

ギルド長が騎士と共に階段の上から説明を始める。

「拒否はできない緊急なのでEランク以上とする。銀貨1枚に成功すれば銀貨3枚」

報酬は多いとは言えないが数がいる依頼では国からお金が出るので皆頷いて正門の前の馬車に走っていった。

「現状を知っているオブザーバーとして二人とも来てくれ、報酬は同じだけだす」

そう言われてワーレンと頷いて皆が宿をとったレクシーズブルティーズに言付けを頼むと馬車に乗って村へととんぼ返りをした。


「しかしオーガやホブゴブリンがふたてに別れてなんて聞いたことないぞ」

ギルド長は起きたことを聞きながら騎士と話す。

「卒業試験で何かあったと考えるのも必要です」

馬で横を並走しているギルドの職員に試験となる場所を調べてくるように言い、お昼前に煙が複数見えてきて戦いが始まってることを知らされた。


「降車」

ギルド長が馬車を止めると冒険者と衛兵が500程が馬車からおりてそれぞれに集まる。

「助けてくれ」

村の方からは複数の村人らしき人々が見えておきて、衛兵が保護しながら村へと向かうとオーガが何かをつかんで振り回して暴れており騎士が突撃を命令した。

「お前達はオブザーバーだ、ここにいろ」

ギルドが職員と共に馬車を並べ救護所を設置していく、

「我々も村人を助ける手伝いをさせてもらえませんか」

ワーレンがギルド長に言うが、

「決まりは決まりだ、救護の手伝いをしていてくれ」

そう言われてしまいワーレンは気持ちを切り替えて負傷した人々を受け入れて薬師の知識がある私の指示で手当てをはじめ時々手を止めて村を見つめていた。


「奴ら卑怯にも村人を盾にして反撃をしてきやがる」

怪我をおった冒険者が村を指差して叫ぶ、どうなっているのかわからないまま倒れこむ冒険者を受け止め手当てをおこなっており村からはここまで聞こえる悲鳴がおこりギルド長が、

「偵察をして来てくれ、偵察だけだ」

そう言われてワーレンと頷くと走り出した。

「ひどいな、残っていれば一人でも助けられたかも」

ワーレンは元国王として責任をと考えている様なので、

「今は冒険者、前が何であろうが関係ないし依頼を受ければ成し遂げる事が大切だと思う」

そう言うと一言、

「すまない」

前を見ながら変わらないのだろうと思いながら村へと入った。


村の中心に教会がありそこを衛兵や冒険者が包囲しており、中にはオーガやホブゴブリン等が村人を縛り盾としていた。

「卑怯だぞ戦え」

「俺達が恐ろしいのか、少しでも勇気があるならかかってこい」

「薄汚い亜人め首を切り落としてやる」

そう叫ぶがオーガ達は大きく笑いながら村人を掴むと槍を構えている衛兵に投げつけてその穂先で貫かれ悲鳴が上がる。

怒りを声に出すが村人を盾にとられて何も出来なかった。


「ワーレン、成功するかどうかわからないけど」

そう言うと頷き指揮をしている騎士に話しかける。

「何とか出来るなら良いが、我々では今のところ手立てはないか」

そう言って前に道をつくる様に言い私達を通してくれる。

背中には兼光でなく故郷を出るときに購入した刀、持つと異様な感じが手からも感じられる業物と呼ばれる逸品だろうと説明を受けたが持ち主に同時に不幸をもたらし、その波紋に血を欲すると、

「下がっててくれ」

背中から外すと腰にさして目を閉じて静かに進む、周りの音は遮断されたように静かになるがまぶたには生きている全てが浮かび上がりこちらを見ている。

丁度中間に達して歩みを止めると足を開き腰を沈めた。

集中をし続けると村人の輪郭が消えてオーガ達だけが浮かび上がりゆっくりと息を吸って止めた瞬間束に手をそえて居合い抜きをした。

「鳳凰疾風斬」

練られた気が刀から放たれ吸い込まれていく、気からの感覚で輪郭が横に真っ二つに両断され抜けていき同時に気力が急激に消費されるが刀からのフィードバックなのか命のエネルギーが逆流してきて刀に消えていくのとそこから力を貰えた。


驚きの声と共に、

「いまだ民を助けよ」

そう言った声が聞こえ横を通りすぎていく、私はその声を聞きながら別の声に引き込まれる。

「命だもっと、もっと奪え、周りの者のをすべて奪うがいい」

心の奥底に響くその声に引き込まれていく感じがして歯を食い縛る。

「この力で全ての怨みを晴らせ、それだけの力をやろう」

汗が吹き出して刀を持つ右手に力が入っていき周りに浮かび上がる輪郭に刃を向けたくなった。

「アポロニアどうしたんだ、顔が真っ白だぞ」

ワーレンの声が聞こえ私はしゃべろうとするが、

「ぐわがげぎぐ」

言葉にならない言葉を唇の間から吐き出しながらワーレンを見て、

「ぐをろぜ」

そう言うと悟ったのかロングソードを抜きざま私のお腹に切りつけた。

息が吐き出されたが倒れず踏ん張った瞬間にさらにお腹を凪ぎ払われ吹き飛び意識が遠退いた。



「アポロニア、アポロニア」

意識の奥底にミリアやノルンそしてリーアの声が聞こえ意識が引き出された瞬間、お腹の痛みに吐きながら丸くなる。

痛みに何度も意識が飛びそうになりリーアが痛み止と差し出すがそれどころではなくお腹を押さえていると、

「リーア貸しなさい」

その瞬間起こされ唇に柔らかいものが触れて液体が流れてきた。

食堂を通り胃に達すると熱い痛みが引きはじめゆっくりと目を開けることができた。

「ねえちゃんやるな」

「うんうんすごい」

ノルンとリーアがいうのをミリアが顔を赤らめながら、

「こいつが苦しんでたから仕方なくよ、世話が焼けるんだからなんか暖かいものもらってくるわ」

そう言うと私のももを叩きながら部屋から出ていってしまった。


「あれはすごかったけど、あれよりももっとすごかったよ2度めだけど」

ワーレンは私の祖父である師範から手解きを受けてその後にその息子に代替わりしたときにこの刀を免許皆伝もと言う高弟の一人が試しに抜くのを見たと、

「抜いた瞬間、恐ろしいほどの殺気をだして顔色が同じように真っ白になり悲鳴を上げて周囲の者に切りかかったんだけれども、すごかったな放たれる矢をひとつ残らず落として切りかかる者を切り捨て、ミスリルプレートの近衛騎士団が押し包むようにランスで周囲から突き出して半数をミスリルごと切られてながらも倒したんだから、しかし鳳凰のは師範の時に見せてもらったけどそれよりもアポロニアのあれはすごかった」

「そうだよ兄ちゃん、騎士団やギルド長とか大臣までお礼とお見舞いに来たんだから」

ノルンが誇らしげに言うのを頷きながらも、

「せっかくだけどここから去らないと駄目だろう」

そう言うとワーレンはやっぱりと言う顔をしてノルンやリーアそしてマリーは何でと言う顔をするので、

「ワーレンは見たからわかるだろうけど鳳凰は使い手次第だけど余りにも攻撃力が大きく危険だと言うことが今回のことで自覚できるくらいだから大臣もこのままとは出来ないと思う」

ワーレン以外は何でと言う顔をしたのをワーレンが、

「村人を盾にしたオーガ達を村人を傷つけず倒したと言うのを地位が有るものがどう見るか、ふるさとでも秘密にされていたし、師範代が生きている間は何処も手を出そうとはしなかったからね」

そう言うと、

「確かに私達が留学したのもワーレンとの婚約を前提としたお付き合いもあったけどアポロニアの事を同級生として調べるようにと言われてたからね」

マリーが笑って言うのを驚きながらも思いだし苦笑して、

「て言うことは寝ている上から本で叩いたり池に飛んだ帽子をとか」

「それも有るけど、後で調べてわかったんだけど城外でのキャンプを提案したのも私達の国だったりしてあの1つ目もと言うらしいわ」

そう言われて私もだがワーレンも驚きながら思い出したくなる過去を思い出してしまい震えている。

「あそこで亡くなった同級生の理由が国家間とは、アポロニアすまない」

ワーレンが謝るので、

「この血のせいです。この血が」

そう言いながら思っているとミリアが入ってきて、

「過去は過去、未来はこれからなんだから、皇女や国王そして師範の肩書きなんてもうないんだからねリーア」

そう言うと私の背中をおもいっきり叩いて頷いた。


一週間程休養をして起きるとワーレンが、

「国とも話し合いはうまくいったよ、お互い干渉もしないが敵対もしない」

どうやら小国である悩みでありもし他国に走られればと言うことで交渉をしてくれたらしく感謝する。

「そうそう新人研修やり直しだね」

そう言うとワーレンは苦笑してミリアとマリーをみて横からノルンが、

「姉ちゃん達すごいよ、ギルドに話をつけて今回の功績で免除にしてもらったんだ」

そう言うとミリアとマリーは大きく頷きリーアが、

「でもお姉ちゃん達怖かった」

ボソッと言うのをあわてて二人は、

「あれは大人の交渉よそうよ正しい当然の事をわかって貰えただけ、わかった二人とも大人と言うことよ」

目茶苦茶な論理に苦笑するしかないが確かに助かったのは事実なので二人に感謝の言葉を伝えた。


数日後、

「あれが疾風迅雷か」

依頼を受けにギルドに入るとこちらを見て冒険者が言うのを思い出したようにミリアが、

「そうそう、こないだので2つ名がついたみたいよ良かったわね」

目立ちたくないのにと思いながら大勢の前でと言うのを思いだし自業自得と頭を悩ませていると、

「ワーレンも沈黙の王だって何でかな」

マリーが言うのをノルンが小声で、

「姉ちゃん達は火竜姉妹て面と言わないけど裏で呼ばれている。それのせいで沈黙」

そう言って明るく喋りまくる二人を見て微笑んだ。

「さて、竜退治何か無いかな、目指せドラゴンスレーヤーの2つ名が欲しいのだけど」

ミリアが言うのをマリーも同意して、

「そうよ疾風迅雷なんて格好いいのもらってずるい、早く探してきて」

私に顎で指図してワーレンを苦笑させた。


「さすがに竜はね」

「私もそう思う、先ずはウルフの退治何てどうかな」

見せると村で困っていると言うことなのだが、

「集団でこられるとうちの連係プレーが」

後ろで大騒ぎしている二人を見ながらワーレンに言うと、

「それも確かめるために丁度いいさ」

そう言うとギルドの職員に詳細の説明を受け、合わせて薬草採取等をリーアが選んで一緒に申し込んだ。

「イヌきらい臭いし吠えるし」

「イヌ倒したって称号も貰えないし」

イヌが聞いたら怒る酷いことを並べ立てる二人にワーレンが、

「私が選んだんだけど、村人にも退治ができれば感謝されるから良いと思うけどだめかい」

「いやワーレンが選んだのならむしろ積極的にやるべきよ」

「ワーレンに気を使わせるんじゃないわよ最初から言いなさい気が利かないわね」

マリーがあわててワーレンに同意してミリアは私のほっぺたをつねり涙めにさせてくれる。

「兄ちゃん将来お尻にひかれるな、フェドばあちゃんが言ってた」

フェドばあちゃんて誰だよと思いながらも何故か謝り許してもらう。

依頼票をもらうと高地迄は乗り合い馬車でそこから歩いて3日のアークテリクス村に向かうことになった。


「乗り合いって言うか荷馬車じゃない、こんなのに乗ったらお尻が保存用の乾パンになっちゃうわよ」

相変わらず二人で騒いでいて馭者も苦笑いするしかない、高地へは避暑で向かう人々もおり前からの予約なら二人の希望のふかふかの馬車だが急にと言うことで説明するとさらに文句を言うのをなだめながら馬車に乗って出発した。

夏に入り平地では今まで経験した中で一番暑く南の巨大な湖の港とアークテリクス村が人気を二分にしているとギルドの受付の女性から教えてもらった。

渓谷を通り抜け目の前に山脈が連なり馬車で行ける避暑地に到着をしてお尻をなでながら二人は言いたい放題でおりてきてリーアが、

「湿布薬をつくろうかな、お尻痛い」

そう聞くと二人はあわてて問題ないわよと笑いながら時々気にして歩いていく、

「ここから食料とかを準備して出発するよ」

皆でお店に向かい3日分の食料を買い込み狼の出る外れの畑へと向かった。



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