新たなる生活
「にいちゃんお帰り、すごいねこの馬車」
ノルンが馬の世話をしてくれており小川で馬にブラシをかけている。
確かに冒険者と言うよりは大商人クラスの馬車で6人が段つきベットで寝れるがとにかくでかいの一言につきるのを指摘され苦笑いするしかない、
「私達が乗るんだからこれでも全然何だから、さっさと出発しましょ」
空気を読めないのは知っているがノルンとリーアに悪影響を与えないかと思っているがノルンは気にする様子もなく呼んでくると滝の向こうに消えていった。
「マリアって言うかアポロニア何でこうなるよ、この寝台の狭さ暗い馬車の中って言うか荷馬車でしょこれ、内装もセンスがないしこれにあたしが乗れっていうわけ」
マリーが現れた瞬間から言われるとわかっていたことを言われワーレンになだめてもらうには一苦労でノルンとリーアが荷物を運び込むまで続いた。
「ところでワーレンの鎧は、あなたもいい加減にみすぼらしい姿何とかしたら」
マリーはよく気づいてくれるがあわてて私は、
「服とかもだけど鎧も発送を行く予定の街に頼みましたので安心してください」
少しだけ不満そうだがワーレンの手前マリーは納得してくれ馬車へと乗り出発を促す。
「新たな冒険生活を」
ワーレンが嬉しそうに言い皆が同意する。少し遅い出発だが街道に出ると次の街へと向かった。
「パーティーは6人だけどどんな風に戦うのワーレン」
「マリーはクリック、マリアはパラディン、私はソードオブワードナ魔法剣士、アポロニアはサムライ、ノルンはレンジャー、リーアは薬草師ヒーラーまでは未だみたいだけどいずれはだね」
ワーレンはリーアを見ながら頷く、
「アポロニア以外はHランクだからね、冒険の登録も学校でだし実習で本来Gランクに上がるはずだったんだけどね」
マリーがつまらなそうに言い、マリアは不満そうにこちらを見た。
街道を進んだが出発が遅れたため村にも到着できずに野営となり小川の側に馬車を止め準備を始める。
薪をワーレンに言われマリーとマリアとワーレンの3人で出掛け残った3人で料理の支度を始めしばらくすると戻ってきた。
「ねえちゃんダメだよ生木は、青々した葉っぱついてるのは燃やしたら煙師かでないから」
ノルンにねえちゃんと言われた事なのかそれとも注意された事なのか口をパクパクさせるマリー、「すまない私が注意してなかったからだ」
「ワーレンのにいちゃんも王様って言ってもなんにも知らないんだから、世話が焼けるよなにいちゃん」
ワーレンは苦笑いで謝り私は顔を真っ赤にしているマリーとマリアにおっかなびっくりしてしまうが当のノルンは気にしないのでマリーが、
「明日は私が料理するわよ、その代わりノルンが薪拾ってくるのよ」
「まかせとけよ、得意だからなリーアとすぐに集めてくるから」
そんなことを言い私は馬車から非常用の薪をおろして料理を始めるのだった。
食事の後手際が悪くテントを未だなので準備をしようとすると、
「テントは私達女子で使うわ」
マリアに言われ男3人はテントをおろして組み立てにかかる。
1つだけ組み上げるとそそくさと入り寝ずの番を男3人で行うようのして先ずはノルンが起きていることになる。ノルンには複合弓と紋様が浮かび上がるナイフを渡すと興奮して眠気が飛んだようで時間になったら起こすようにと伝えて早々に馬車のベットに入った。
寝付こうとして目を閉じるが何故か眠れずに微睡んでいるとノルンと何故かマリーの声が聞こえ話し込んでいる。私に対する言葉とは裏腹に優しい声で話しかけ夕方はごめんなさいと言っており驚かされる。
私がいなかった間に何気にコミュニケーションを取っていたのかリーアの事やワーレンの事を話しており黙って聞く、もうそろそろ交代時間かと思っているが声をかけられずにいるとどうやらノルンが寝てしまいマリーが馬車に乗って私の寝台を蹴って起こしてくれた。
「いつまで寝てるの交代よノルン疲れて眠っちゃったんだからベットに運んで良いわね」
先程のと違う対応に寝起きを演じながら頷きノルンを寝台に寝かせるとマリーはテントに入ってしまった。
明け方にワーレンと交代して再度寝て起きると雨で文句の合唱が始まるのをノルンと笑いながら片付けを終えると出発した。
「こんな朝食やだ」
雨で火は使えなかったので干し肉のみと手渡された冒険者にとっては普通の食事なのだが先が思いやられると思いながら村への分岐に到着してもめ始めた。
「普通の村にパンもそうそうないですし、朝食は野菜が少し入ったスープだけですよ」
このまま通過して次の村に泊まりたいなと考えているので説得するが説得できずに向かう、決して2人でつくる食事が怖いと言うわけではないと自分に言い聞かせながら結局暖かい具が少しだけのスープだけをいただき旅を急いだ。
午後には雨が上がりぬかるんだ道に速度が上がらず結局野営となった。
「野菜と鳥の塩漬けとリンゴね、わかったわさあ始めるから薪を取って来て」
男たちは追い出され何ができるのかと思いながら薪を拾いまくる。その動きは誰言うわけでもなく急いでいたのだが運が悪いのか近くに落ちた枝も枯れた木もなく予想以上に時間がかかってしまい戻った。
「さっさと火をつけて」
かまどを石で組み上げ薪をいれてワーレンが呪文を唱えて着火する。
水を鍋にいれて火をかけると追い出されたので夕闇の中複合弓を取り出しノルンと二人で狩猟に出掛けた。
「あそこにいるよ」
ノルンの方が目が良いのか木にとまっている鳥を見つけ教えてくれる。ノルンのからだではまだ複合弓を引くことは出来てもコントロールが上手く出来ず私に頼まれ弓を引く、次の瞬間弓をはなち吸い込まれるように命中をして鳥をゲットして皆のところに戻った。
帰ってくると騒いでる2人と不安そうに見つめている2人、後ろから静かに見てみると火力が強すぎる以外特にと思っていると煮だった鍋の中に塊が見えてリーアが、
「おねえちゃん達、塩抜きしないで丸ままお鍋に入れちゃった。中に野菜とリンゴを詰め込んで」
しょっぱくなるのもだが丸まま入れると火の通りが均等にいかずどんな夕食になるのかと心配しながら、取って来た鳥の羽をむしり地面につながっている穴を二つ掘ると1つで火をもやし木を渡した上に切り分けた肉を並べ木と草で蓋をしてその上から土をかけて蒸し焼きにする。
横では鳥が浮いてきたので完成と二人が言ったのだが固まってしまった。
「これどうやって切り分けようか」
そんな大皿はなく悩んでいるのでスープだけをお皿に入れ鍋の中で切り分けてはと言うと嬉しそうに二人は頷き楽しそうに切り分けた。
「いただきます」
みんなで元気よく言うと鳥を口に入れる。
静けさが訪れ塩の塊が運悪く入っていたのかしょっぱく調理した二人も静かに食べられるところだけ食べ、薫製の出来たばかりの鳥をたいらげてしまった。
翌日からは2人とも薪を拾いに行く、調理はノルンか私でワーレンが横で勉強しているのだが料理だけはセンスがないのかノルンと2人で悩み美味しくないときはため息をついており自然と私が料理してリーアが手伝うのが普通となった。
それから国境を越え隣国を通過して山脈の間の峠を抜け小国をいくつも通り抜けイズハール王国と言う国の第2の都市ライカに到着したのは半年後だった。
「ようやく落ち着けるのかな」
本当は2か月前に定住できそうな小国の興国があったのだが、発言した本人が酒場で相手が悪いとはいえ血が流れる程の乱闘騒ぎを起こして罪を問わない代わりに国外退去を言い渡されここに至っているのを忘れたような発言に脱力感全開だった。
「定住するかはまだ決められないから馬車を預かってくれる宿を探そう」
ワーレンがそう言うと大通りを進み大きくてきれいなところといつもの二人が言い、大通り沿いの宿、レクシーズブルティーズと言う所に入ると落ち着いた。
3人部屋で男女それぞれに別れて装備を解き水浴びで旅のほこりを落とすと皆でギルドへ向かった。
私達が入城したのはにしもんであり、ギルドは東門よりにあると恰幅のよい宿屋のおかみさんに教えてもらっていたのですんなり見つけられる。
この地は辺境と言う場所もあいまって未だ知られていない土地やダンジョンがあるので冒険者や冒険者に憧れた者が集まり反映している
「いらっしゃいませ、ずいぶん遠くからの転籍ですね、ランクはGのかたがほとんどなのですね」
何かあるような言い方に戸惑いながらもギルドの職員にワーレンが頷くと、
「誠に申し訳ありませんが先週からFランク以下の方には王立兼冒険者ギルドの学校に1年間実習を受けていただけなければなりません」
ようは冒険者が集まり基本ができていない者が多く、Fランク迄の冒険者が死傷する原因が初歩的ミスと言うのがわかりギルド主導で国と協力して育成をして行くと言うことを説明される。
文句を言うがこれを卒業しなければ依頼を受けれないと言われ周りの到着した冒険者も一攫千金を夢見て受け入れているようだった。
明日の入校を前に登録などを済ませ学校の地図をもらうと宿へ戻った。
「学校なんかいかなくても良いじゃない、ダンジョンだって許可制とかじゃないでしょう」
マリーが言うのをワーレンが難しい顔で、
「ギルドの支援を受けられなくなった冒険者ほど惨めなのはないよ、日々の生活費を依頼や素材を売って成り立たせなければならないし、ダンジョンや周囲の情報も無料で閲覧もできる。何より都市間の輸送や周辺の討伐で食料品は安定供給されているからその恩恵を受けられなければ周りから援助を停められ生活できないからね」
さすが元国王、細かいところまで説明して納得させた。
久しぶりにパン付きのそれも柔らかいパンを食べられおかわりとお昼用に全員が頼み銅貨3枚と言う高値だが気にならなかった。
馬車に乗りギルド手配の馬車の一番後ろに続く、私達を含め4台の馬車がつらなり他の3パーティとパーティを組んでいない10人の計34人と護衛の1パーティを乗せて進む、私達の馬車にもガウディと言うFランクの卒業試験を目の前にしているパーティの1人が乗り込み護衛に当たってくれる。
マリーとマリアの美しさを見て少し耳を赤くしながら学校の説明をしながら進む、学校は探索の最前線であるニオ村にありそこでキャンプの仕方や後半には代わりばんこに探索へと入り引退した冒険者の教官が採点をして行くらしい、ガウディはこれが終われば少し奥地にあるレイナの湖にある遺跡の入り口調査が卒業試験になるこ事をおしえてくれた。
村までは5時間ほどと言い隊列は進む、高い木は見えず目線ほどの高さの森が続いており起伏にとんでいる。
首長の動物が時々見えており首を曲げながら木の葉っぱを食べているのがみえノルンが美味しいかなとつぶやく、後2時間で到着と言うときに馬車が止まり先頭からガウディのパーティが降りてきて、こちらに手をふると「ここから動くな」そう言って駆け出した。
荷台からみんなが前を見る。叫び声が聞こえゴブリンらしき姿が低い灌木の間から出てくると襲いかかった。
ガウディ達は次々とゴブリンを切り伏せていく、普通味方がやられればゴブリンは早々に逃げ出すのにその様子がない、ワーレンが不意に指差す方向を見るとその上位のホブゴブリンのほかになんとオーガが2匹現れ吠えるとゴブリンの必死さがさらに恐怖によるバーサーク状態になる。
「村へ迎え、援軍を呼んできてくれ」
ガウディが叫ぶが冒険者は窮地と思い次々と馬車から降りてきて迎撃をはじめてしまい膠着状態になる。
「何やってるの横から抜けて急ぎなさい」
マリアに言われあわてて馬に鞭をくれて道の端を走らせ前に出ると村へと急いだ。
1時間程で村に到着して門番に伝えると大騒ぎになり次々と馬車に乗り込み走り去った。
「大変だった様だな、連絡を感謝する」
この村のギルド兼王立冒険者の学院の責任者をしているレイダーと言うアゴヒゲを蓄えた背丈の小さなノームが顔を出す。
亜人は珍しくマリアとマリーは失礼な程まじまじと見つめワーレンが謝罪をするが気にする様子もなくパーティ用の一軒家を指差し卒業まで過ごすようにと言うと行ってしまった。
「ノーム何て始めてみた。エルフもドワーフも見たことないけどさらにレアですわ」
二人で話しているのを横で聞きながら必要な物を当面の住まいへと運び込んだ。
しばらくすると女性のギルド職員カルメが今日予定の入校式はしばらく延期と言われ食事は何時でもギルドに併設されている食堂で取ることができると場所を指差して教えてくれ戻っていった。
「延期って何時までよ、明日にも卒業したいのに」
マリアが言うのを最近定番となってるノルンの突っ込み、
「今日入校したからって明日は無理でしょねえちゃん」
「明日無理なのは私が悪いんじゃなくギルドのカリキュラムが悪いはずよ」
話の論点が微妙にずれているのを気にしながら巨釜でお湯を沸かして体をさっぱりさせた後に食堂へと向かった。
「よう、無事に到着して援軍頼んでくれたそうだな」
ガウディ達もようやく到着したらしく隣同士のテーブルに座る。
「しかし新人が無理して3人死んでしまい10人が重症6人が軽症で護衛の報酬も減額になってしまう、まいったよ」
勝手に馬車から降りてきたとはいえ死傷者を出してしまったのでペナルティーがあるのは当然だが卒業試験は行われるようだった。
「あんなこと数年なかったのに、まあギルドのレンジャーが跡をたどっていずれ見つけるとは思うがな」
そんなことを言っていると入校をするために馬車に乗車していた冒険者が疲れた顔や泣きながら入ってきて座る。
酒をのみ始め、私達も酒となかなか美味しい夕食を食べて始めた。
「お前ら何で戦わなかったんだよ、そのせいでドリスがホブゴブリンのこん棒で頭を殴られ亡くなったんだ」
酒で赤くなったファイターがこちらをにらみつけてくる。食堂の中は静かになり様子を見ているとマリーが、
「護衛は馬車から降りずに村へ向かうようにって指示出してたのを勝手に降りてきて戦ったのは自業自得、指示通り動いて文句言われる筋合いは無いわ」
そりゃ正論なんだけどそうあからさまに感情的な相手に言うのはと思っていると案の定怒ってこちらへ来る。
立ち上がりかまえているとガウディが立ち上がり、
「俺の指示がしっかりしてなくてすまん、お前達に助けられて俺達も感謝している」
ガウディが言うと相手は止まり我慢しながら仲間になだめられて戻っていく、ワーレンはガウディに礼を言い戻ろうと嫌がるマリーを引っ張り家へと戻った。
教官であるレンジャー達は今回の件で出払っているため開校出来ずに1週間を過ごすことになり、私はノルンとリーアを連れて村の周囲から離れない約束をされ薬草などの採取をしながら過ごした。
「大変遅れたが冒険者育成学校24期を開校する」
レイダーが挨拶を行い亡くなった者や重症で冒険が続けられない者が入校して始まった。
「学院で習ったこと同じじゃないまったく」
マリアが言う通り初等科で習った事を教えられており不満顔で聞いている。ノルンとリーアは初めて聞くので嬉しそうに聞いているのが救いだが午後からは野外活動になりかまどの設営を習い実践をしたり薬草の見方を習い数日後試験が行われる。特になんにもなく今度は野外での野営となりレンジャーで教官の1人であるフラットが、
「各自で野営の準備を行う、これは順応性を見る試験で半数が落ちるので心するように」
何がそんなに難しいのかと思いながら指定した場所でテントを準備して薪を集めにかかる。
「枝が落ちてないね何処にも」
調理したり暖をとったり警戒様の明かりに必要な素材がないのに私達も他のパーティも騒ぎ始める。
私は周囲を見回りながら何かしらの物があると思っていると見つけた。
「臭いのを何で集めてくるのよ」
私が両手に抱えた卵大の物を見て鼻つまみ文句を言ってくるのでかまどに半分入れてワーレンに火をつけてもらった。
「燃えるの燃えるんだ臭いのに」
臭いのは間違えてないしこれに未消化の葉っぱが見えたので燃えるかとやってみたら正解、しかし最後まで臭いを風呂に入ってからも言われノルンからも「にいちゃん臭いかも」そう言われショックを受けながら試験には合格した。
「ようやく届いたと言うかここまで届くなんてさすがだわ」
私とワーレンの鎧が到着する。途中で購入したレザーアーマーとはようやくお別れで、
「二人とも早く着てみて、早く」
マリーがそう言って梱包の木箱をあけて取り出すとよい匂いと共にそれぞれ別々にまた箱に入れられ油紙で厳重にくるまれている。
ワーレンのは赤く染め上げ、私のは濃い青で染められておりワーレンは苦笑しながらマリアに感謝の言葉を伝え、
「前衛盾持ちは目立った方が役割を果たせるからね」
そう言うとマリーがあわてて私にワーレン一人に集中するようなことがないようにしてよねと言うので頷いた。
私のお古はノルンが使うことになり分解してある程度小さくするのに数日かかりながら過ごしていった。
授業は近場での討伐や採取を繰り返し行い、教官であり採点係のレンジャーであるカリキュラムが付いており助言などもしてくれる。
ある日の事、ガウディと夕食が同じになり隣同士のテーブルにつくと、
「明日からようやく卒業試験だ、1年は長かったがようやくと言ったところだな」
嬉しそうに報告をしてきてお互い握手する。
「依頼内容はこないだのオーガの出所がわかった様でその偵察とその後にいくつかのパーティと合流しての討伐と言うわけだ、今日念入りにギルドと打ち合わせをしてライカから来た他のパーティと共に出発だ」
どうやらいつもより騒がしいのはライカから来た冒険者達で比較的若いパーティと言う印象を受けながら合格を願いながら別れた。
翌日から中期の行動を行うのにベースキャンプを造る。他のパーティと合流をしながらテントと周囲に溝を掘り排水と防御に備えたキャンプを作りそこからギルドの依頼を受け採取や地図作成などを行っていたある日の事ノルンが横にきて、
「にいちゃん、こないだ聞いたのと同じ声が向こうの山の方から聞こえてくるんだけど」
ノルンの聞き耳は同じレンジャーのカリキュラムも誉めるほどの能力の高さで、私達が聞こえない音もわかる程でありワーレンとカリキュラムを呼ぶ、
「それは多分卒業試験をかねた討伐隊が戦闘に入ったのだろう、警戒はしながら依頼をこなしていくように」
カリキュラムはここにいる他の教官達にその事を話すとノルンを誉める。他のパーティに所属するレンジャーは面白くないのかこちらをにらみながら行ってしまった。
数日後教官達が話し合っているようでその前に狼煙を見たかとみんなに聞いて回る。
しかし誰も見た者はいないと言うことで教官のチーフであるレギオンが皆を集めて話始めた。
「皆も知っているとおり卒業試験をかねたオーガの討伐隊を6パーティ送り込んでいるのだが確認を含め2日で終わりその合図で狼煙が上がるはずなのだがそれがない」
最悪の事も考え撤退と言う選択もあるが後半月は暮らせないと授業の意味がないと言うことでワーレンや私は慎重論を唱えるがその他のパーティは依頼を終わらせていくばくかのお金がもらえるとはいえ装備の整備や消耗品で金欠でありもう一度はかなり負担となっているので残ることを希望している。
結局押しきられる形で残ることになり万一のため教官の1人が偵察に向かうことになり実習は続けることになった。
地図はキャンプから半径3kmを調べワーレンの緻密さに教官であるカリキュラムも唸る。
しかしその翌日から鳥1匹でさえ周囲に姿は見えず食料は徐々に干し肉と薬草などになりリーアと私の知識で食事をつくる。
「干し肉飽きた、せっかく良い弓持ってるんだから獲物とってきて」
マリアが私に繰り返し言うのだが飛んでいないものをどう落とせばと思いながらノルンと何時もはキャンプから村よりだが何としてもと二人で考え山側を探す、しかしウサギ1匹さえ見当たらず半径3kmを越えてしまったのも気がつかずに探していると不意にノルンが止まって伏せると私に手の合図で伏せるように伝えると地面に耳をつけた。
「2km先で大きなものが固まって移動中、近づいていると思うよどうしよう」
あまり良くない想像がふくらみはじめながら急いでキャンプへと戻ることにする。途中であの食堂でからんできたファイターと出会い忠告をしたが鼻で笑われながら食料を探しに行ってしまい二人で戻った。
レギオンに報告をするとすぐ撤収の準備を指示され、教官は木の板の鳴りこを叩いて集合を知らせた。
次々と帰還してきて移動の準備を行う、しかしあのファイターのパーティだけが戻らず危険区域に入って狩猟をしていたのを正直に白状してファイターの事も伝えた。
「偵察に出たマクギリスが戻ってこないと言うことはまずい、重大な事が起こったと考えた方がいいが撤退しようにも全員でないと危険だ」
そう言うと教官のレンジャーが探しに行き、残った者は撤収の準備を完了していると私達にも聞こえる叫びが聞こえた。
一斉に剣を抜き私とノルンは複合弓をかまえる。リーアは恐怖を圧し殺しながら口を真一文字にしめており悲鳴がこちらに聞こえてきた。
低い灌木の間からあのファイター達が飛び出しその仲間が次々と飛び出してキャンプのなかに飛び込んでへたりこみ後ろを指す。
指す前にすでにオーガの頭が見えており笑いながらこちらに来るのを発見していたので弓を引き絞り矢を放った。
顔面に命中したオーガは動きを止め無理矢理矢を抜こうとする。その横から次々とゴブリンとホブゴブリンが飛び出してきており次々とノルンと教官達と共に矢を放ち迎撃する。
キャンプの2ヶ所のうち1ヶ所にゴブリン達は集中しており柵と溝の場所には取りついておらずいけるかと思ったがそれも一時で灌木から溢れたゴブリンが溝をこえて柵に飛び付くとそれを矢で攻撃しはじめた。
「にいちゃん矢が残り3本」
ノルンが叫び自分のも5本しかなくそれを渡すと兼光を抜く、
「無理だ数が多すぎる」
悲鳴をあげ入り口の連中が崩れはじめレギオンがついに、
「しんがりをする。荷物は捨てて村まで走れ」
私はリーアに背中に乗るように言って背負うと走りはじめる。レギオンが押し留められるのもそう長くはないと誰もが思っているので必死に走る。
「おいていかないでくれ」
走りはじめるとレザーアーマー系はいいが金属のプレートメイルを装備している戦士が遅れはじめており、私がマリアの言うのを押しきりワーレンと自分の鎧を金属にしなかった理由がようやくわかったのかマリアがファイターを見てこちらを見て厳しい顔をした。
ひたすら走り続けようやく到着する。ここに来た頃に朝晩装備を身につけ走らされて文句をいっていた事が自分の命を助けることになったと認識しながら門へ飛び込んでへたりこんだ。
「キャンプが襲われレギオン達教官が逃がしてくれた、オーガとホブゴブリンとゴブリンが多数で進攻中」
そう言うと大騒ぎになり冒険者に召集がかかり村人には鐘を鳴らして畑から戻るように知らせ蜂の巣を突っついたような状況になる。
「冒険者がいないだと」
殆どが出払っており教官もレンジャーが数名と逃げてきた私達が10人、村人は全員で300人はいるのが救いだが、
その間にも逃げてきた他のパーティが村に到着する。
ギルドに集まりどうするのかと言う話になったが教官で一番年齢が高いフェドが、
「私達は戦いは専門外だから指揮は無理だ」
悲壮な顔で答え村長も同じらしい、村としては冒険者の学校ができると言うことで移住してきた人々が多く統一性はないようで沈黙していると、
「ぐだぐだ言っても家族を守るなら戦うしかないんだからマリア近接の隊を率いてワーレンがサポートで、私はノルンと弓兵を率いるから、アポロニアの馬は一番足が早いから偵察に、深追いはしないで方向とスピードを確認して知らせて」
マリーは立ち上がり指示を与える。
「なっ、なんでお前がなんの権利があって命令するんだ」
数名の男達が抗議するのを睨み付けながら、
「なら戦って大切なものが傷つけられるのを黙ってみていればいいわ、私達は馬車でここを出るから」
皇女であったマリーの貫禄に沈黙してしまい皆同意する。すぐにマリアとワーレンが指示を始め私は馬小屋から松風を引き出して偵察の準備をはじめた。
「どうにかしようと思わないことね、ちびの頃みたいに見つからないように隠れて確認すれば良いんだけなんだから」
馬上になり走らせようとすると横にマリアが見上げており指示をしながら声をかけてくる。
「ノルンリーアを頼む」
「ばかねそんなことをパーティの仲間なんだから当たり前でしょ、今一番危険なのは自分て言うのを自覚しなさい」
きつめに言われ頷き松風を走らせた。その瞬間マリアが何か言っていた様だが気にせず馬を走らせる。幸いこの高さなら遠くを見渡すことができるので動く物に注意しながらはしらせた。




