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皇国

集合地点に到着したが私は体を気で強化していたため一番最初に到着したようだった。

砦はまだ遠征した部隊が国王ごと壊滅したことは伝わっていないのか静かであり龍も自分の狩り場以外に出てくることもなかった。


私は食料を得るために装備の弓で鳥をとって丸焼きにして食べる。二日後にはゴブがまず合流してきて翌日にはバルやヌレス等が次々と到着して、砦にも生き残った者の報告がいったのか大騒ぎになっておりバルが情報を集めにヌレスと向かった。


全てではないが3000人以上はは到着しており砦からも発見されてはいるものの軍を送ってくる様子がない、二人が戻ってくると各隊の頭が集まり話し合っておりしばらくするとバルが皆に話始めた。


「聞いてくれ、王と配下はほとんど帰ってきてない。王都は大混乱中だ」

少し間をおきながら話を続ける。

「我々の事だがこんな時でさえ敵前逃亡として処分をするつもりらしく我々を誘き寄せて一網打尽ということだ」

「なので死ぬならただ殺されるのではなく砦を占領してそこで戦って死にたいと思うがどうだ」

皆はわかっていたが殺されると聞いて気落ちしており沈黙している。

「アポロニアお前はどうする」

バルが私に話をふってくる。私は立ち上がり、

「どうせ最後ぐらい自分の意思で死にたいです」

そう言うと頷き、

「どうするお前たち、一番若いこいつでさえ腹くくってるんだ失うものはもう何もない」

バルが皆に叫ぶと次々と立ち上がり叫ぶ、そして隊列を組んで森を出る。

誰かが行軍の歌をうたいだして皆それにあわせて歌い始め合唱しながら砦の横を抜けて正門前に到着する。


バルが手をあげて行軍をとめると砦の門は開かれ人の気配がしない。

「ゴブとアポロニア、偵察してこい」

そう言われて隊列から外れ不安そうなゴブと正門に走る。

矢でも飛んできたらと思いながら奪い取った刀をかついで正門の中に勢いよく二人ではいったが騎士や衛兵の姿は見えず私はバルに知らせるようにと頼み中へと入った。


砦の中心である貴族の館に入ってみたが気配はなく私は正門に戻るとバルがこちらに来たので無人と知らせると、

「いくじのねえやつらだなあ、ヌレス食料などを調べろ、アーリア門などに異常がないかみてまわれ、グロイズ皆を兵舎にいれて休憩させろ、衛兵のところだばかやろう、ササミはヌレスと一緒にいって飯の支度を、アポロニアは俺とこい」

そう言うと貴族の館に入り主人であった伯爵の部屋に入ると、よほど慌てていたのかそのままでありバルと大笑いする。

食料などもそのままと言う報告を受け晩飯を食べると王都への偵察に言っていた者が戻ってきた。


「バル、都の様子がおかしいぞこちらに鎮圧用に兵を送り込んでくるかと思ったが籠城を準備し始めたぞ」

バルは不機嫌な顔をして、

「おいおいこっちが攻め上るとでも思っているのか騎士団は、兵力はどのくらいだ」

「万はまだいると思う」

「地方騎士団の援軍をわざわざ待つのかやつらめ、まあいいどっちにしろこのままここに居座って来るのを待つとするか」

バルがそう言うと皆は頷いた。


それから数日たつと偵察の兵が大慌てで砦に入ってきて大騒ぎになる。

「大変だ皇国が攻めてきて境にしている伯爵や侯爵の領土を占領して兵員を吸収して50000程が王都へ進軍を開始したと」

「全滅したのをみてか、しかし50000てそんなに兵力いたか良いところ20000だろう」

バルがヌレスに聞くと頷く、

「まあいい、相手が変わっただけで攻めてくるなら戦うだけだ。もっと情報を集めろ」

大忙しで新たな敵に皆は気合いをいれている。

私はヌレスに呼び出され、

「アポロニア、数人つれて王都に潜り込め合図がありしだい街中で混乱を起こせ」

私は具体的な指示をいくつかもらうとゴブや仲間と夕方通用門に行き賄賂を渡して入り込んだ。


街中は厳戒態勢が引かれているのか大通りや交差点に衛兵が並び目を光らせている。

何度か呼び止められたが銀貨を渡すと通してくれていていつ崩壊するかと言うのを感じながら主要の場所に油の入ったカメを軒先においていく。

気がついてる住民もいるようだが衛兵に知らせる様子もなく家に閉じ籠っていた。


2日ほどで郊外に皇国軍が到着したらしく慌ただしくなり、無理矢理徴兵させられた民が城壁に並べられており衛兵も城門に集まり街中は私達のしたい放題の状態になる。


ヌレスからの知らせで王都攻城戦の先鋒と引き換えに皇国軍に降伏を許され、明日昼に城を一度攻めわざと退却して、その夜に私たちが中から混乱を引き起こし城門を破ると言うことを伝えられた。


翌日攻城戦が始まったのか城門方向で大きな音が次々と起こり、街中は自警団なのか年老いた民が見回っている。

私達は夜まで何もせず大人しくしていたので夕方には撤退したらしく静かになり自警団の姿も消えた。


衛兵の見回りはあるものの、昼間の疲れなのか船をこいでいる者が多数見受けられ私は夜半に一斉に日をつけさせ、

「裏切りだ、フレーゲル伯爵の一派が反乱を起こしたぞ城を守れ攻め上がってくるぞ」

そう次々と声をあげさせ、私の母を見殺しにしたあの男の顔を思い出しながら城門へ向かい新しい王を守るために城へ急げと声をあげ、街中では油に火をつけられて家々を焼いていく。


衛兵は慌てて街中や城へ駆け出して数人しか残らず私は刀を抜くと次々と衛兵と騎士を倒して合流した仲間と共に城門を開ける。

バルがヌレスと共に待っており私の顔を見ると嬉しそうに頷き、

「残るは城の王だ」

そう言って突入していき皇国軍も続いて入る。

私もバルの後について街中を駆け抜け貴族のエリアを抜け城へと到着すると門を閉じており城内は大騒ぎとなっている。


その間に皇国軍も到着したらしく周辺を包囲していきどう言うつもりなのか私達に無条件降伏の使者として行けと命令が下り、バルにヌレスそして私の3人で橋を渡り城門の前に到着して口上をのべると通用門が開かれ騎士が出てくる。

「見たところ貧民のようななり、使者とは思えん」

私たちのみなりを見て虚勢を張る騎士に、

「身なりで判断するなら城と一緒に死を与えるだけだ」

バルが言い放つと騎士は城内に戻りしばらくすると通される。


中にはいると外とは別世界であり私も含め始めてで思わず見上げながら中へと入っていった。

「武器は渡してもらおう」

騎士が私達の前に立ちふさがり威圧してきたがヌレスが、

「我らは使者として降伏を進めに来た、立場を考えてものを伝えなさい」

冷たく言い放ち黙っていると奥から文官が出てきて慌てて中へと通してくれる。


長く広く高い通路を通り抜け大きな扉の前に来ると、

「皇国からの使者、御入来」

そう言って扉が開かれる。


中には貴族とそして奥には新王ワーレンがおり私達を見ている。

中へはいると我々のあまりの汚さに貴族は眉を潜めヒソヒソと話をしておりこの場においても包囲されていると言う自覚が欠落しているのかと思えてならない。


王の前に来ると立ったまま一礼をする。

「王の御前である平民風情が無礼であろう」

そう左前の近衛騎士が恫喝してくるがバルもヌレスも私も黙って王を見て無視をする。

近衛騎士が無視されたと怒りながら剣を抜いたので私は列から離れると刀を抜いて気を送り込みながら騎士の右腕めがけ降り下ろす。


久しぶりに放った気は真っ直ぐ右肘に吸い込まれ走ってきた騎士の剣と腕が落ちる。

自分の腕が床に音をたてて落ちたのを見て信じられない様子で見てそして悲鳴をあげ崩れ落ちていく。

私は後ろから走ってこようとしている騎士達に振り替えると、

「動けば全ての者の命はない」

今までの理不尽さを怒りに変えて周囲を見回してバルと並び目線をあわせる。

「国王よ降伏か否か決めろ」

そういうバルから国王の顔を見たときに国王と目があって驚かれ、


「アポロニアじゃないか、なぜ皇国からの使者をしている。学園に復帰したばかりなのに欠席したと思ったらどうしてなんだ」

ワーレン王は私を見つめ続けるので、

「貴族達の政略の道具にされ母親が無実で死刑、私も連座で懲罰大隊へ送り込まれた」

「まさか、なぜいってくれなかった助けを求めてくれなかった」

「助けはフレーゲルに頼みましたが無視されました」

ワーレン王は驚き私の兄弟であるフレーゲル準伯爵を呼ぶと貴族側から進み出てくる。


「フレーゲル準伯爵、アポロニアの言っていること誠か血のつながった兄弟の頼みを何故に」

貴族たちは私がフレーゲル準伯爵の兄弟であると言うことをあの技で納得したのか囁きあう。

「それについては証拠も揃っていると法務長官からも報告があり、連座を回避するため学校に復帰するようにと伝えました。」

「法務長官ブーメンス伯爵説明せよ」

斜め前に並んだ重臣である太った男が進み出て、

「証拠についてはハスラム侯爵からの提示でありますれば疑いようはないと」

「叔父上」

「侯爵たる私をお疑いなさりますか」

重臣の一番先頭の頭が剥げているが鋭い目付きの男が言い放つ、

「しかしこの者の母親は無実と言うことだ、証拠を提示せよ」

「それには及ばずと」


私はこんな者達に母親を殺されたと怒りに震え、無言で気を流し込んだ刀を床に叩きつける。

大きく部屋の中がゆれ静かになり、

「ワーレン殿もう遅いです。私に殺されるか無条件降伏か選んでください」

私はあえて王とは呼ばず決断を迫り見上げると、

「きさまは我らにさんざん世話になったのを仇で返すか」

私はフレーゲルに振り向き、

「何を言うか剣技の一つも使えない愚か者が鳳凰の名を名乗るとはお前の息子にされたこと忘れぬことはできない、降伏を受け入れられないのであれば鳳凰の名の元消えろ」

そう言って振り返りざま刀を降り下ろし瞬間に爆散して次の瞬間姿かたちも消えてしまい悲鳴が上がり腰を抜かして逃げようとする。


「ハスラムとか言ったな今のうちに這いつくばれば命ぐらいはひろえるかもな」

バルが私の怒りを代弁しながら近づいてこちらへ引っ張ってくる。

「下選な者が私に直接触れるなどあってはならないことを、衛兵いや近衛騎士よこいつらを排除せよ」

そう言って逃げようとしてバルから殴られ悲鳴をあげる。

「貴様たち離せ」

そういわれた瞬間にこちらへ動こうとした騎士に向け「凰牙」と呟き横凪ぎに刀をふって気を飛ばした。


騎士数人はこちらに走ってくる途中上半身と下半身が別の方向に動き、二つに両断された体を次々と転がしていき立っている者はいない。

「わかった無条件降伏する。」

ワーレン王はうなだれながら私に悲しい目を向け、私はあえて見ずにハスラム侯爵に近づき、

「生きて苦しめ」

そう言って心臓の後ろにある背骨に気を叩きつけ体を麻痺させる。

「わしの体に何をした、頼むいくらでも金を払う後生だ」

そう叫んでいたが無視をして法務長官に近づき同じように麻痺させるとバルに後を頼み私は城外へと知らせに戻った。


「久しぶりね、こんなことで会うとは思わなかったわ」

私の前にはあの三皇女がおり、今回の遠征軍の大将であり皇国の皇帝である幼い弟の代理できていると言うことであり、今回の使者として向かえと私に手紙で命令してきた黒幕であった。

「ワーレン王は無条件で降伏しました。あとはお任せいたします。」

「復讐は済んだようねアポロニア」

金髪のミロネスが少し懐かしい顔をしながら話しかけ私は頷く。

「お前はこれからどうするの望むなら鳳凰の称号と準伯爵の爵位を次がしてもいいけど」

黒髪のマドーヌが淡々と聞いてくるので、

「名も要りません、貴族になりたいとも思いません。」

「なら私の衛士として聖騎士団に入りなさい、私はここに残ることになる」

燃えるような赤髪のマルリレスは私を鋭く見つめ、有無を言わさず私は借りを返すために頷くしかなかった。


皇国軍が城へ入りワーレン王は幽閉され初期に降伏した貴族以外の領地を没収して率いてきた自国の貴族に分け与えマルリレスが皇帝の代理として治めることになり王国は消滅した。

他の国々は特に干渉らしい干渉をしてこず大国が滅んだことによる脅威の減少に喜んでいるようだった。


騎士団は一度解体され国家騎士団として再編成され、近衛騎士団の代わりに皇国から聖騎士団が派遣されてきた。


「まいったな、この俺が準騎士として衛兵と民兵を率いることになるとはな」

バルは同じく準騎士となったヌレスと共に顔をひきつらせる。

「実際貴族に対する当て付けなんだろうがアポロニアが騎士団の見習いになるのもな驚いてはいるが借りを作りたくないと言うことか」

バルは一人で納得すると残った懲罰大隊の面々に部下として残るか無罪放免で民に戻るか決めませていった。


「聖騎士団副団長ベルーニュ男爵到着」

騎士団本部の正門で聖騎士団が到着して私たち見習い候補が出迎える。近衛騎士団が使用していた学園とは城をはさんで反対側にある建物であり3000人は収容できると言うことであり、現状到着したのは聖騎士団第2大隊の128名の騎士と準騎士や従卒、見習いなどでも1000人もいかず予算縮小のため閉鎖したところもある。

そこへ我々100名が見習いとして合流を果たした。


「マーフィー皇国聖騎士団の一員として立派な行動を行ってほしい」

元々無口なのか口下手なのか長い黒髪の筋肉質の副団長は私たちの前でそれだけ言うとあとは各小隊長に任せてしまう。小隊は分隊4名が2つの8名の聖騎士からなり部下は我々が入っても50名程であり、私はバスキュラー子爵の小隊に配属された。

小隊長は女性であり、他の小隊の噂話によると猛烈にきついと言うことで、私の他に今回の戦いで早々に皇国に寝返ったビースティ伯爵の息子オルレアンと商人の息子ニーティアが一緒の部屋になった。

私は13才、オルレアンは15才、ニーティアは11才でオルレアンは辺境騎士団で準騎士の資格を得たばかりだったが見習いとして一から送り込まれたことに不満だったようで私やニーティアに当たり散らしてきていた。


従卒になるには装具の扱い食事の準備や洗濯等を上位の者のことをしなければならなかったが、私にとっては毎日していたことだったので気にすることもなく経験者のオルレアンと3ヶ月後には従卒に昇格することができた。

そこからが本番で、マーフィー皇国の歴史や母体となるミスリル教団の教え魔法、癒しそして武器の扱いや馬術等を朝から晩まで休みなく行うことになり、主義主張もない私にはさほど教団の教えにもそんなことかなと思いながら教会での礼拝をこなしていった。


「あーいらいらする。ミスリルの神なんぞわがシャインの神の下であるはずなのに今さらなんだ」

オルレアンが朝からの礼拝が終わり食事の間の休憩でわめく、

「だいたい歴史にしてもマーフィー皇国は戦争に負け広大な領地は各貴族が別れ王となって衰退した歴史だが都合よくしか書いてない、気にくわん」

いつの世も自国の都合の悪いとこりは隠したがるものであり、オルレアンの父も裏切り行為は無かったかのようにマルリレス執政官のもとへ通いつめていると言うことを都合よく忘れているらしい。

私は食事のあとの座学そして午後の鬼のような小隊長が任務に昨日ようやく帰還して初顔合わせとなる事を考えた。


食事も野菜が入ったスープと固い黒パンであり、普通の騎士団ではここまで酷くないとオルレアンのぐちを聞かされた。

歴史の座学が終わり私達は革の鎧と木剣を腰にスモールシールドを左手に持つと中庭に向かう。


整列して待っていると従卒が私たちの横に並びその前にチェインメールを装備した準騎士が並び最後に聖騎士8名が中庭に出てきた。

小隊長はマルリレスの様な真っ赤な長い髪を伸ばしており、どことなくにている。

型の練習は自主練で済ませているため実力を知るために模擬戦となった。


私が呼び出され皇国の従卒であるアルと言う名前の長身の青年が呼び出される。

私は気は最低限だけでまずは戦おうと思い一礼をすると構えた。

アルが先制で大きく振りかぶりながら私の頭の上に木剣を降り下ろしてくる。

私は最小限で避けると軽く相手の腹を木剣でなで、続いて横凪ぎの攻撃も相手の体に密着させ回避をして背中を軽く叩く。


アルは「正面からぶつかってこい負け犬め」そう言って体当たりを食らわせてきたのでその勢いに任せて後ろに飛ぶと副官が「待て」そう言って模擬戦を止めた。

「アル、始めての相手だからとなめてかかれば結果は同じだと何度言わせる。貴様は2度殺られているのだぞ」

そう言いながら副官のマージンは鉄拳制裁を行い私には、

「軽業師もいいが騎士には騎士の戦い型がある」

そう言っていると小隊長が立ち上がり、

「私が相手をしよう」

そう言って私の前に立った。副官はいつものことなのか気にすることもなく「はじめ」と一言いった瞬間に鋭い攻撃が襲いかかる。

気を体に張り巡らしギリギリの所で避けると驚きの声が上がる。

赤い髪の毛のように苛烈で素早い攻撃が繰り出され私は木剣でいなし、体をギリギリで避けていくが反撃の隙は見えずその場に止まるのがせいぜいであった。

気を送り込んでもこれ以上は早くならず力は出るが速度は落ちるので我慢するしかなかったが勢いは衰えず我慢となったが木剣が徐々にダメージを受けておりそれを見越した強烈な横凪ぎに根元からおれて吹き飛ばされる。


副官の止めで最後に繰り出されていた胸に向かっての突きは直前で止まり私は安堵する。

「型はむちゃくちゃだが私についてくるとはな、ただし盾を使わなければ持つ意味はない」

そう言われて左手に装着していた盾の存在をおもいだして返事をするしかなかった。

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