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スクーターとドラム缶風呂

至極簡単な自己紹介


ソラ


一応この物語のヒロインである。

森の中で傷を負い、挙句の果てに記憶を失った、如何にもな可哀そうなヒロインである、性格としては、少々いたずら心があり過ぎる所が難点らしい。

 得意な魔法は名前的に如何にもな風系統である。


好きなものは、今のところカップラーメン、現代日本の科学的知識らしい。


 「…」

「どうしたの真?そんな今にも疲労でぶっ倒れそうな顔?足が震えてるわよ」

「…何でもない、精神的には疲れてないしな」

ぁ…足が…足が筋肉痛で動けね―、大体、三日間連続で長距離を歩くだなんてきつ過ぎる!!真は旅立ちの日から、三日が立った昼前、筋肉痛で痛んだり、震えたりする足を引きずりながら、心の底からそう思ったのであった。


この三日間、幸いにもやれモンスターに襲われたとか、やれ盗賊に襲われたとか、そんなこともなかったことだけが、真にとって幸いだったであろう、しかしそれでも、運動不足で帰宅部の真にとって、肉体的に、体力的に、段々と、それこそドリルで削られていくがごとし減って行ったのであった。皮肉なことに、弄られたおかげで、精神的には大丈夫だけど。


「…こうなったら」

真はついにある考えを実行することにしたのであった。

「…ん?どうしたの真」

ソラがその言葉に反応した。

「…移動手段として、なんか召喚しよう」

真はついに重要?なことを決断した。





 真は今まで、何度となく、現代にある乗り物を召喚しようと思った時があった、ただでさえ重たい荷物を思っている真にとって、そう思うのは当然のことであったが…まあ、それは、緊急事態に備えるための、召喚数を出来るだけ減らしてはいけないというソラと決めた方針で、そして、横ですがすがしい顔で歩いているソラに負けたくない気持ちもあってか、結局今まで召喚することがなかったのであった。まあ、精神的には疲れていなかったこそだったのかもしれないが。


「ソラ、車召喚しても大丈夫かな?」

真は一応、現代的な交通手段で、操縦したことがあるのは、自転車、そして、スクーター位な物であった、ちなみに、スクーターは鈴木という真の友達その①から借りたもので、勿論無免許運転である、まあ、青春した勢いでやってしまったのであろう。

「…クルマ?ああ、確か馬なし鉄馬車のことね」

ファンタジーの人が言いそうな名称である。

「だけど、確かクルマだっけ?真そのことを話した時に、自分では運転できないとか、言っていたような気がするんだけど…」

「…いや、一応カタログとか…そう言う、車の運転の仕方が乗っている雑誌なんかを召喚すればいいかなっと…」

真は、そんな車をなめてるとしか言いようのないことを言っていた。元の世界なら補導されても可笑しくない奴である。

「…うん…やめといた方がいいよ、多分真がクルマを運転するのって、どうせ、初心者が馬車を運転するのに等しい行為なんでしょ、やめた方が良いわ、それに、この先狭い道なんかもあるから、図体のでかいクルマなんかは通るのは難しいし、それに、人のいる場所に行ったらどうしようもなく目立つから、大変になるし、馬車よりも大きい鉄の箱が、更に馬車よりも数倍のスピードで走ってたら、何も知らない人にとってみれば、恐怖そのものよ、最悪、討伐対象にされるかも」

結局、クルマはやめた方がいいという結論に達した。


「じゃあ、バイクはどうだ?」

真は携帯にある、バイクの写真を見せながら言った。

「うん…これも目立つわね、いい、私たちは、あまり戦闘能力が高くないの、こんな目立つもの持ってたら、盗賊に物珍しがられ、襲われる確率が高くなるかも、もっと地味なもの…」

「…じゃあ、スクーターなんかどうだ?」

真はランクをさらに下げてみた。その光景は築地市場の競りみたいでもあった、と思うのは作者だけなのかも。

「…うん…これも結構目立つけど、これならギリギリ許容範囲かも、後はこのバイクに、地味な色を塗っとけば、更に許容範囲が増すかも」

どうやら、ようやくソラの許容範囲とやらに引っ掛かったみたいである。


「…よし、これでいいな」

真は、ソラに再度確認した。

「うん良いよ、それに、これ以下だと、ゲンツキ?だったけ、あれじゃあ私もちょっと頼りないかも、スクーターが最良かもね」

世界の原付ファンに喧嘩を売ったソラであった。


「よし、じゃあ召喚するか」

ちなみに、現在の真の召喚数は5、である。

真が今まで過ごした中で、気づいたことが一つだけあった、それは、一日で三つのある召喚数を使いきれなかった場合、その召喚数は、明日へと引き継がれるということである。

真はこのことに気づいた時、よかったと、ため息をついたものである。


「山崎真が告げる、スクーターを召喚せよ」

ちなみに、召喚する方法についても理解しつつあった。

召喚するには、やっぱり想像力は欠かせなく、自らが実際に触ったり、見たことがあるものなら、固有名詞を言わなくとも、あの時の、キャンプの時に持っていた引っ越しのサカイ印の段ボール箱のように、召喚できたが、例えば、写真のみでしか見たことがなかった物の場合、やはり、ちゃんとした固有名詞を言わなければだめみたいであった。


そして、今回召喚するスクーターは真自身が鈴木より借りたスクーターそのものを召喚するため、詳しい固有名詞とかは言わなかったのであった。


ば!!と乾いた音と共に、銀色のスクーターが忽然と現れたのであった。

ちなみに、二人の乗りのスクーターである。


「…いつも思うけど、真って」


凄いよね、と言うのかと、真は思ったのだが


「この能力が無かったら能なしよね」

ごもっともな発言がなされたのであった。


「…ひっで」

こんなにひどいことを言われたのに、傷付かない心、とりあえず悲しいなと、思った真であった。


「ふふっ、冗談よ冗談、さ、乗りましょう真」

「…驚かせるなよ、まったく」

どうもソラはからかい癖が有るようだと真は思いながら、燃料がちゃんと満タンなのかどうかを確認し、召喚した際にどっか可笑しくなった所がないかどうかを確認した後、自らが今まで背負っていた荷物をバランスをちゃんと取れるように両方にくくりつけた後、真はソラに言った。


「よし、乗れソラ」

「うん」

真の呼びかけにこたえてソラがそう言うと、真の後ろに、ソラが座った。



「よし、じゃあ行くか」

真は、一応、鈴木と一緒にこのバイクで二人乗りをした経験があるため、一応二人乗りはしたことがあるが、それは遊びでのことであって、実は公道とかを真はスクーターを使って走ったことがなかったのであった、そこまでスクーターの運転に慣れていなかったこともある、まあ、鈴木によるスクーター操縦法の真への伝授によって、何とか運転できるのが、現在の真の現状である。


(ちゃんと運転できるかな俺・・・)

そのためか、真はちゃんと走れるかどうか不安に襲われながらも、真は、スクーターのエンジンをかけた。


「ブロロロロロロロロ」

「おお、すごい!本当に生き物見たいに動くんだ、不思議」

後ろに乗っているソラが動き出したスクーターを見ながら、鈴のような美しい笑い声でそう言った。


「…」

その光景を見ながら、真はあることを思い出していた。

それは、鈴木が確かこのスクーターを、一生懸命バイトしてまで買ったのは、彼女を後ろに乗せて走ってみたいと言う、願望から来たからである、まあ、結局の真が借りるまでにその彼女とやらを乗せたことはなかったみたいだが…まあ、乗せる彼女が居なかったのだろう、と真は思っていたのであった。


「…」

そして、真はそのことを思い出しながらこう思った。


(すまぬ鈴木) と…


「さっさっ、速く走ってみてよ!!」

目をきらきら輝かせながら、ソラが真に言った。


「へいへい、行きますぜ」

「ブロロロロロロロロ」

「わ!すごい!本当に魔法なしで走るなんて、面白い!」

おそらく、現代人に例えれるなら、UFOに特別に乗れた時とみたいなんだな…と、真は喜ぶソラを見ながらそう思った。








「ブロロロロロロロ」

それから、数分後、スクーターは時速50キロの速さで走行していた。ちなみに、もしかしたら道があまり整理されていなくて、結局はあまり速度は出せないのではないのではないか?と真は思ったりもしたが、途切れ途切れであるが、意外に道が整理されており、キチンと整備されてある道であるならば、こうして時速50キロと言う速度を出すことができたのである。

「ヒャハ――――!!真!!このすくーたーて乗り物、想像以上に早いじゃない…ってあれ真大丈夫」

「…ちょ…危ないからマジで、運転に集中しとるから、話しかけないでよ…」

彼は現在、召喚したてほやほやのスクーターにて、異世界の大地を走行していたのであった。

異世界の大地を美少女と一緒にスクーターでさっそうと駆け抜ける、世の男子にとって夢のような話だが、真のこの言葉から察するに、あまり余裕はなさそうである。


なぜか…理由は簡単である、真は後ろに大量の荷物をのっけながらスクーターを運転したことなどないのであったから、やはり想像通りと言うか、無免許運転の天罰と言いうか、やはり、不安定な走行だったのであった、例えて言うならば、二人乗りの自転車で坂道を上がるような感じだろう、普通ならどうしても不安定になってしまい、まともな運転などできない、今まで運転できたのも、はっきり言って、精神を弄られてたからである。普通なら怖くて怖くて運転できない。


「もう、そんな卑屈になってないで、ほら、真が自慢してた、りょうてばなし運転とか言うのしてみなさいよ」

ソラがさりげな~く恐ろしいことを言う

「ッ!!いやソラ、それは自転車のこと…」

「えい!!」

気づいたら、ソラの白い手によって真は強制的に両手手放し運転をしていた。


「…ッ!!」

真はゴブリンの時すら感じえなかった恐怖を感じながらも、自らの体を駆使し、バランスを保っていた、おそらく生存本能とも言えるのだろう。

「…ねえ、真、両手放し運転て、結局どこら辺がすごいの?」

おそらく、自転車の手放し運転すら知らないソラにとってごくあたりまえな言葉だったであろう。

「…いいかソラ」

そんなソラに真は心臓をこれでもかと言うほど心臓をばくばくさせながら、ソラに言った。

「いますぐ、俺の手を離して」

無理やり離すとバランスを崩すので、真は小さな声で言った。

「…なんで?」

「いいから早く話してください、お願いします」

「…」

「…」

ちょっとばかりの沈黙が訪れた

「…ふふん、やなこった」

おそらく現状の恐ろしさを理解できていないのだろう、それだからこそ生まれる、ちょっとばかりふざけ心から、生まれた笑顔でそう言った。


「…」

その美しい笑顔が、悪魔の微笑みに見えた真であった。










「りーんりーんりーん」

そんなことをしていると、いつの間にか夕方になり、そして異世界でも定番らしい、夕方の虫の声が聞こえてきた。

「あー面白かった、速度も馬車並みに速いし、それに疲れないからずっとその速度を維持してられる、凄いわねホント、食べ物食べないから食費もかからないし…あっそう言えばがそりんと言うのを食べるんだったけそれ」

ソラが満足げにふと真にそう話しかけた。


「…いや…ゴブリンとの命をがけの戦いのときにも感じなかったはずの恐怖心が、まさか、このような形で感じるとは…もし、精神弄られていなかったら冷静でいられず、終わってただろうな…」

両手放しという、見つかったら即刻逮捕されそうな暴挙をした真は、しかし、精神的には疲れていないため、屍にはなってはいなかったが、肉体的には疲れたようで、真はスクーターの前で倒れ伏せていたのであった。


「…もう真!人の話をちゃんと聞いて!せっかくこんな面白いこと体験したんだし、もっと張り切っていこうよ!」

ソラは倒れ伏せたいる真の頭をたたきながらそう言った、その姿は、クラスの女子たちが、ちょっとした事だけでありえないほどテンションアップするように、この世界の女子もテンションアップしたら手がつけられないほどテンションアップしたのであった。


「もう、ほら地べたになんか寝そべってないで、ちゃんと立ちなさい!」

「分かった!分かったからわざわざ引っ張らないでくれ!」

しかし、真は現在体力的に疲れ、まるで、予想外なくらいテストの点数が低かった時のごとくテンションがダウンしており、その彼らの温度差に、まるで今すぐにでも台風でも発生するではないかと思ってしまうほどだ。


「ほら、さっさと、起きて起きて、それと、ニホンゴの続き…ちゃんと今日もしてもらうわよ」

ソラはチョット悪だくみを浮かべたように、にっこり笑いながらそう言った。


「…ちょッ…もう今日は疲れたんだけど…勘弁してくれ」

真は本当にマジで疲れたので、それだけは勘弁してくれとお願いした。

「だめ…早く私もニホンゴを理解したいんだから、ほら、机代わりの段ボール出して」

まずい、と真は思った、このままでは、疲れて死んでしまうと…

「…」

しかし、これといった言い訳は…ついに浮かぶこともなく


「ほら、準備完了」

いつの間にか勉強の準備を完了した空が目の前にいたのであった。


「…ああ、せめて風呂に入ってすっきりしたいな…」

真はついそんなこと言ってしまっていたのであった

(ッ!?まてよ風呂?)

「そうだ!!風呂に入ろう!!」

「へ?フロ?」

真は話を強制的にずらすべく、そう言ったのであった。




 真がこの世界に来てから今までに気づいたことが一つだけあった、それは体が老廃物等で中々汚れないことである、この世界に来てから、風呂に入るなんて余裕がなかった真は、一番そのことを気にしていたのだが、そのことに気づき、ソラに質問してみたところ、どうやらこの世界では成長期まっ盛りの奴でも、一週間に一回でも水浴びなどをすることによって、清潔な体を保っていられるらしい、何故かはわからないが…

 とりあえずはこの世界にいる限り、元の世界のように毎日風呂に入らなくては清潔でいられないということはなく、別段問題はなかったのでだが、やっぱり日本人として…毎日風呂に入るのが日課な真にとって、たとえ体の汚れを落とす意味がなくとも、やはり風呂に入りたい気持ちでいたのである。



「…へー、このドラムカン?て言うのに水を入れて、温めた後入るんだ…面白そうね」

ちなみに、この世界にもお風呂という習慣はあるらしいが、大体が貴族とかいう特権階級?の奴らや、金持ちしか入れないらしい、まあ、体を洗うぐらいなら、魔法でもできるからそこまで流行らないだけなのかもしれないと、真はドラムカン風呂の準備をしながら、そんなことを思っていた。


 実は以前真は、ドラム缶風呂に入ったことがあるのであった、中学生のころ、自らの祖父が用意してくれて、入ったのである、そのため、それをそのまま召喚すれば、余裕で風呂に入れるのであった。


「よし、これでよし」

一応召喚したドラム缶風呂に支障はないかチェックした後、真は確かめるようにそう言った。

「ふふ、では入るとするか」

真は今から入るドラム缶風呂をワクワクしながら入ろうとしたしかし、

「…」

「にこにこ」

今から服を脱がなくてはならないのだが…そんな真の様子を未だにニコニコしながら見ている空が居たのであった。

「にこにこ」

「…いや…ソラ」

「…どうしたの?」

「…ソラが見たまんまじゃ恥ずかしくて入れないのだが…」

「あっごめんね、ふふふ、じゃあごゆっくり~」

そう言ってソラは真が見えない位置に、笑いながら去って行ったのであった。

「…明らかにわざとだろアレ」

そう呟いた真であった。





「…」

いつの間にか夕日はくれ、今では見慣れてしまった五つの月を見ながら、真はドラム缶風呂に入っていたのであった。

「…いやー、やっぱり日本人は風呂だよ風呂、異世界に来てしまっても精神が弄られてしまっても、心がいやされる、それだけは変わらないな、特にドラム缶風呂なんて、雰囲気的にいつも入っている風呂より倍の効果だぜ」

真は、これほどまでに風呂に入っただけで、こんな気持ちになれたのは初めてであった。

「…やっぱり…元の世界が恋しいな」

だけど…真は思った

「…だけど、自分としてはそう思ってるんだけど…心は、そうは思っていないんだよな…」

そう、真の心は今でも奪われたままだ…自分としては元の世界が恋しいと思いたいのに、それを否定する自らの心…狂ってしまいそうなおかしな状況下だが、皮肉なことにそれを防ぐのは、強化された精神によるものである。

「…そう言えば、中学の頃に、このドラム缶風呂に入った時は、鈴木と一緒に入ったんだっけ、ドラム缶風呂の中で暴れまわったりして、ふざけ合ったりしたっけな…」


 真はもしかしたらもう二度と会えないかもしれない友人のことを、このドラム缶風呂の思い出と一緒に思い出していた。

「…はぁー、会いたいのに別に合わなくていいと思ってしまう…分け分かんねー」

しかし、やっぱり自らの心は矛盾した方向に行ってしまうのであった。

「…チッ、はぁー…なんか寂しいな」

真は、なんだかそんな風にばかり思っていると、何故かはわからないが、なんだか心ではなく、自分自身の存在みたいなものが、ぽっかりと穴があいたような、そんな気分に襲われた。


しかし、そんな心を埋めるどころか、そのあいた穴を埋めた跡地にマジノ線顔負けの要塞を建てるような奴が表れたのだった。

「真~」

野生のソラが表れた!!(ポケモン風に)

「…どうしたんだ一体」

突然何故かにっこり笑いながら現れたソラを見ながら、一応大事なところを両手で隠した後、何か緊急事態でもあったか?と思いながら言った。


「ふふふふ、実はね、私も一緒に入ろうと思って」

驚愕の言葉を言いながらソラは、自らのブレザーを脱ぎ始めたのであった。

「………ッ!!!!ちょっとまった…行き成りどうしたんだ…え?一体」

当然のことながら、突然そのような行動に出たソラに真は聞いた。

「だってさ、私一人だけで過ごしていても面白くないし…、それなら、真と一緒に入ってもいいかなって」

ふふふっと、ソラは鈴のような美しい声で笑いながら、ブラジャーが見えるか見えないかの位置にまでにソラの服を脱ぐ攻撃は続いていた。

「貴方だって、私の裸を見て、一緒に入りたいという気持ち…あるでしょ?」

「…ない…ないはずだ」

真は服を脱ぐ攻撃によってレッドラインまでに削られた自らのHPを元に、最後の抵抗を見せた。

「…フフフ」

「チラッ」

と、まあ、何が見えてしまったのかは想像にお任せ


「お願い、一緒に入ろう」

上目づかいでソラは真を見つめる攻撃をした。

「・・・・・・・・・・・」

上目遣いでのお願い、ちらっと見えるあんなところやそんなところ、こんなことを超のつく美少女がやっているのである…如何に精神をいじられようとも、真は…


「…ワカリマシタ」

ついに倒れてしまい、そう言ってしまったのであった。そして…





「…フフフフ、アハハハハハハハハハッ」

しかし、突然、ソラは腹を抑えながら笑い転げたのであった。


「…へ?」

真は状況が分からず、そんな間抜けな声を出してしまった。

「ヒッヒャハハハハハ、もう、笑い死んじゃうよアハハハ」

きょとんと、真は目が点になりながらソラの様子をただただ眺めているしかなかったのであった。


「…どういう意味?」

ようやく出せた一言で、真はソラに言った。

「フフフッ、まさか、いくら男女二人っきりの旅をしてるからと言って、そんな別に恋人とかそういうのじゃないんだから、そんな筈ないじゃん、まさか、本気で信じちゃうだなんて、アハハハハハハハハハ」


「・・・」

ヒュ――――――――

と、期待を裏切られたドラム缶風呂に入った真の背中を、風が追い打ちをかけるように吹いた。



「ふふっ、じゃあ、もうそろそろ上がんなさいよ、のぼせちゃうし、私も早くどらむかんブロに入って見たいから、じゃあね」

ソラはにっこり笑いながら、立ち去って行った。


「…それはないだろう」

真は、落胆しながらそう呟いた。


「…はぁー」

「ざばッ」

と、真はため息をつきながら、ざばっとお湯に奥まで浸かった。


「…」

「りーんりーんりーん」

真はお湯につかりながら、元の世界と同じように鳴く虫の声に耳を澄ませ、そして、五つある月を見つめていた。

「でもまあ」

真は言った

「…俺は一人だけじゃない、自分と心が矛盾して、ぐちゃぐちゃになっても支えてくれる奴が、ちゃんといると言うことが再確認できただけでも、良しとするか」

そう言って、真はドラム缶風呂から上がった。







「…」

真が見えない位置に隠れながら、ソラは黙って、真が来るのを待っていた。

「…真」

ソラは言った

「ありがとう」

真に聞こえないよう、静かにそう呟いた。



お互いに自らの心を支え合う、現代的なもので異世界を旅する旅は、まだ始まったばかりであった。


指摘がありましたので、近代兵器操作術に関する説明をします。


まず、適応範囲として、軍用トラックはどうか、これは適応されません車は、最低でも武器(固定機銃等)をつけていないと兵器としてみなされません。

次、近代兵器と言っても、近代ではないが一応1868年までに開発された兵器である刀、槍等、適応されません。

次、なら、日本軍がよく使ってた、九十五式軍刀等の、近代軍が使っていた刀ならどうか、これは、可です。


次、銃剣等はどうか、これも可です。といっても、銃剣なんかで刀とやりあえるのかどうか分かりませんが。


一応、これらのことを主人公たちは、そんなことを思いつかなかった、と言うことにしておいてください。



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