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未知との遭遇

「え?どうしてまた突然?」

ソラはソーシャのその突然なお願いに戸惑いながらそう言う。


当たり前である、突然あなたその本を見せてくれませんかと言われれば誰だってそのような反応になるであろう、確かにソラとソーシャは全くの赤の他人というわけでもないが、それでも少し顔を合わせただけであって、まともに話してすらなく、赤の他人といっても同意義と言っていいものであった。


「と・・・突然のことで困惑することは当たり前でしょう、だけど改めてお願いします!どうかその本を読ませていただけませんか!一ページでも、その本の美しさに一目ぼれしまいました!お願いします!」


「・・・」

お淑やかそうな目の前の少女の豹変ぶり?にソラは圧倒されてしまったが。少し考えてみるとこっちにも利点がありそうだとソラは思ったのであった。

今現在自分たちが受けている依頼の現状は正直言うとあんまり芳しくない、それは自分がここで療養していることがなによりもの証拠であり、事実だと認めざれ負えないからだ。

なら、今ここで自分たちの依頼を受けてくれた少女に借りでも作ってたほうが良いのではないのか?っとソラは思ったのである。

「・・・わかった、一応お世話になっている人みたいだし、貸してあげる、だけどこの本のことは絶対に秘密してね」

「うんうん」

「誰にも言わないこと、わかった?」

「うんうん」

「よし、じゃあここでゆっくりとごらんあれ」

ガバッ

っとソラがそう言った瞬間、目にも止まらぬ速さで、まるでカメレオンがハエを舌で取るがごとくソラの手元から本が消滅した。

「・・・あれ?」

突然持っていたはずの本が消えたことに目を丸くしたソラであったが、ふと気がつくと、いつの間にそこにいたのであろうか、ソーシャが先ほどソラが持っていたはずであった本をジっと見つめながら、ソラのとなりに座っているのであった。


「うそ・・・」

ソラはその素早さに若干の驚きと君の悪さを覚えながらも、ソラは苦笑いを浮かべながら、ソーシャがなにを読んでいるのか気になるのであろうか、そっとソーシャが読んでいるページをを覗いていみた。

そのページには精巧に作られた鳥の語りをした和菓子の写真が写っていることから、おそらく和菓子の特集がしてあるページでなのであろう、なるほど、そこに注目するとは、とソラは思ったのであった。。

「・・・すごい、こんなに綺麗に映ってて、あぁ、表面がザラザラしている、これに秘密が?

それにこれはなにかな?鳥みたいわね、でもこれ食べ物の本のはず・・・あぁ・・・字が読めない、どこの文字?ヒュランデラ語?エルフ語?ドワーフ語?うん・・・分からないわ・・それどころか見たことがない・・・悔しい・・・」

写真のところまるで撫でるかのようにさすりながら、おそらく本人は気づいていないであろう、大量の独り言を言っているのであった。


「・・・ふふっ」

ソラはそのソーシャの様子を見ながら微笑ましく笑う、初めてこれを見せつけられたときは私もそんな反応してたなと、ソラは思い出していたのであった。


「あの・・・この鳥はなんでしょうか、最初本物なのかなと思いましたが、よく見ると作り物みたいです・・・それにこの本に書かれている言語は?私こんな言語生まれて初めて見ました」


「うふふっ」

その反応、その質問まったく私と同じだなと、ソラは思いながら、ソラはなんだかこの微笑ましい目の前の少女に、自然とその質問に答えてあげたくなってきたのであった。


「これはね、和菓子っていうお菓子でね、こうやって色々な物に似せて作るお菓子なんだって、だから、ソーシャさんがいうように、この鳥は偽物だね」

ソラの言葉に「へェ・・・」感心しているソーシャをみながら、ソラはまた微笑ましく笑う。

「あとこの本に書かれている言語はね、日本語っていうとてもとても珍しい言語なんだよ、この世界には存在していないって言っていいほどにね」

嘘は行っていないという感じに、ソラはこの言語が異世界の物とは言わずに、そういうことにしておくのであった。

「とっても珍しい言語・・・すごい・・・それじゃあソラさんはこのニホン語を読めるんですか!」

ソーシャがまたもや目を輝かせながらソラの顔に迫ってくる、ソラはどう返答しようかと一瞬迷いながらも、先ほどこのお菓子が偽物だと言ってしまったことから、ほんのちょっとだけこの日本語が分かるということを述べようと思ったのであった。

「うん・・・ちょっとだけね、ただ、とっても珍しい言語だから、絵から察した所から、この言葉をこれを指すのかな?ってかんじに私の独断、ていうか適当という感じだから、ちゃんと分かっていないと思うの、だから、分かるかって聞かれると、正直わかんないって言うしかないわ」

ソラは内心ヒヤヒヤしながらそう言う。

「ふん・・・それにしてもこんな高品質な本を発行できる国の言語がそんなに珍しいだなんて驚きです、でも実際に私も今まで見たことないですし・・・どこにあるかはご存知ですか?」

「うん・・・私もどこにあるのかわかんないや」

異世界にあるだなんて、とても言えない、ソラはそう思いながら言ったのであった。








ソーシャは目の前に広がっている、もはや情景とも言える絵を見ながら、あまりにものその美しさにため息が出た。


まず目に焼き付いたのが絵の色彩の美しさである。


まるで目の前の情景をそのまま持ってきたかのようにリアルな色彩、奥行、どれも自らが初めて見るほどの高い技術で作られていることがわかる。


そして次に本を構成する紙の材質である。

自分たちがよく使っている羊皮紙どころか、私でも数回しか触ったことがない貴族が特注する魔法紙すら上回る質感、重さ・・・これらも驚愕に値するものであった。


ソーシャはもちろん、読む前にこれほど驚愕を覚えてしまったのは初めてのことである。

もちろんソーシャはそれらの要素から、きっとものすごく珍しく高価な本なのではないのかと感じたのであった。


「・・・」

そしてもちろん、何故そのような本を彼女が持っていたのか、ソーシャはそのことを問いただしたくなってきたが、それよりも先に、ソーシャはこの本を読むことに専念することにした、どうせ聞いても答えてくれそうにないであろうし、なによりソーシャのこの本にたいする興味関心が、そのような質問をする行為よりも、優先的だと判断したからであろう。


自他共に認める本の虫である彼女にとって、そのような思考になってしまうのは無理なからぬものであった。


しかしすぐさま彼女は、自らがこの本を読むにあたって、乗り越えなくてはならない大きな壁にぶちあったたのであった。


「なに・・・これ?」

そう、それは言語の問題であった。

ソーシャはいままでそこまで言語が違ったことによって、本が読めなくなってしまうという現象はほとんどなかった、言語が読めなくては大好きな本が読めなくなってしまうことは、彼女にとっては死活問題であり、古代語 エルフ語など、古すぎたり、人間が使わない字は流石に読めないが、現代の人間が書いたであろう本は、確かに完璧にマスターしたとは言えないであろうが、大体はわかるようになっているか、数文字わかる程度にはなっているほどであった。

古代語もエルフ語も、意味はわからないが文字は覚えているほどである。


しかし目の前に羅列されてあるこの言語は一体なんなのであろうか、完全に今までの人生で初見の文字なのである。

一文字たりとも、見たことがない文字なのであった。


カクカクした文字からゆったり曲線をおびた文字、丸みたいなもの点みたいなもの、まったくもって異質で不気味といっていいほど、ソーシャにとって珍しく不思議な文字なのであった。


「・・・これは・・・鳥?」

そしてページを捲っていくにつれ、ソーシャはあるページにたどり着いた。


そのページには、これまた美しい絵で鳥の絵が描かれていた。

しかし、その美しき絵は質感すら表せてしまうのであろうか、ちょっとばかりこの絵に描かれている鳥が、偽物だというふうに、ソーシャは感じ取ったのであった。


「・・・」

ひょっとしてこれはゴーレムの一種なのではないのか?っとソーシャはふと思ったのであったのだが、一緒にフルーツと思わしきものまで添えられているのにこれがゴーレムだとは考えられなかった。


「うん・・・」

悩んだ末、ソーシャ目の前にいる彼女に聞いてみることにした、言葉の謎も聞きたいのであるが、いきなり重い質問をするよりも、こちらの軽い質問をしたほうが簡潔で聞きやすいし、なにより結構ソーシャにとって聞きたい質問であったからである。


「あの・・・この鳥はなんでしょうか、最初本物なのかなと思いましたが、よく見ると作り物みたいです・・・それにこの本に書かれている言語は?私こんな言語生まれて初めて見ました」


結局言葉の方も言ってしまった。

ソーシャは結局抑えきれなかった自分の興味本位で安易な言葉に失望を感じながら、そう思ったのであった。


しかし帰ってきた言葉は、ソーシャの予想しためんどくさそうな雰囲気を帯びた言葉ではなく、ハキハキとした嬉しそうな言葉であった。

「これはね、和菓子っていうお菓子でね、こうやって色々な物に似せて作るお菓子なんだって、だから、ソーシャさんがいうように、この鳥は偽物だね」

目の前にいる彼女は嬉しそうな雰囲気で、笑顔でそう言う、どうやらこれらの心配は杞憂だったみたいだと、ソーシャは自分が毎日やっていた仕事と照らし合わせながらそう思った。



「へェ・・・」

しかしそんな思いはすぐさままるで風のように過ぎ去る、ソーシャはすぐさま先ほどの鳥の絵が乗っているページを開いてみる、そしてこれがお菓子なのかと、再び驚きに包まれたのであった。


「あとこの本に書かれている言語はね、日本語っていうとてもとても珍しい言語なんだよ、この世界には存在していないって言っていいほどにね」

目の前の彼女はどうやらソーシャに教えることに調子に乗っているのであろうか、今度は言語のことについてしゃべりだした、もちろんソーシャはその言葉に耳を傾ける。


ニホン語・・・全くもって聞いたことがない言語である、そして古代語、エルフ語とは全く違うとても珍しい言語・・・その誘い文句みたいな言葉に、ソーシャは見事に誘われ興奮を覚える。

そして、言語について聞けるまたとない機会に、ソーシャは知的好奇心を抑えきれずに言った。

「とっても珍しい言語・・・すごい・・・それじゃあソラさんはこのニホン語を読めるんですか!」


「うん・・・ちょっとだけね、ただ、とっても珍しい言語だから、絵から察した所から、この言葉をこれを指すのかな?ってかんじに私の独断、ていうか適当という感じだから、ちゃんと分かっていないと思うの、だから、分かるかって聞かれると、正直わかんないって言うしかないわ」

目の前にいるソラはちょっと悩んだ顔をしながら唸ると、自らもそこまでこのニホン語という言語について詳しくは知らないといったのであった。

「ふん・・・それにしてもこんな高品質な本を発行できる国の言語がそんなに珍しいだなんて驚きです、でも実際に私も今まで見たことないですし・・・どこにあるかはご存知ですか?」

ソーシャはこれだけ高品質で情報量が大量な本を印刷しているのだから、普通は有名なはず、しかし自分は愚か他人知らないので、鎖国でもしているのかな?と思いつつも、ソラなら知っているのかと思い、ソラにそう質問したのであった。




「うん・・・私もどこにあるのかわかんないや」

しかし、目の前にいる青髪の少女は、愛想笑いを浮かべながら、自らもその国の場所知らないことを告げたのであった。




図書館に行くための時間が確保できず、更新が遅れてしまった。




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