問題にぶつかる者達
駄目だ…
遂に小説を書くことを親に制限された。受験のせいで。
もっと長かったのですが区切りがよかったので2つに分けることにしました。
つまりむっちゃ短いです。
「ははっ平民と貴族は平等ですと?」
「何を血迷った事を、あなたは自らの地位を捨てるつもりですか?ばかばかしい」
「まったく、貴方は貴方の父と同じだ、まるで平民…いや平民どころか奴隷までも平等と考えてらっしゃる、いい加減そのような思考はやめたらどうでしょうか、貴方の親類や友人たちもさぞお困りになろうて」
「フフッ、全く貴方もあの人も、そういったもはや異端ともとれるような思想は一体どこから来るのでしょうね本当気味の悪い、貴方が貴族なのが本当不思議ですわ」
「いい加減にしないと…」
貴様の父の様になるぞ
「…あっ」
少年は自らの頭の中を流れるその声に、頭を抱えていた。
実はこの少年、ついさっき来られた友人に、もう二度と関わらないでほしいと言われたばかりなのである、そのきつ過ぎる言葉に、まるでスイッチが入ったかのように今まで言われた厭味や軽蔑された言葉がまるでそうまとうの様に少年の頭の中にながれ、少年を圧迫したのであった。
少年の身の回りは様々な文献、そして本が並んでいた。
主に過去に起こった出来事に関する文献であるが、どれもこれも一度読めばもう読んでいないと言う感じに、埃をかぶっている様に見えた。
「…どうすれば…どうすれば人々が平等で自由な政治が出来るのだ、一体どうすれば」
少年が今まで読みこんだ文献によれば、貴族がいなく、そしてもっともこの少年が考えれる自由で平等な政治であったのは、所謂民衆が政治に参加し、そして多数決による政治路線の決定する、現代風に言うならば民主政治と言うべきのもなのだが、あいにく異世界にはそれに当たる言葉がなかったためか、少年はこの様な政治を多数決政治と呼んでいた。
「…だめだ、なにも乗っていない」
しかし文献には多数決政治についてなど、何処にも乗っていなかった、ただ昔はそう言った政治がおこなわれていた事実が有った、と言うことだけであって、その多数決政治はどのように行われていたのか、皆目見当もつかなかった。
もちろんこの世界にも“多数決”という価値観はある、主にギルド等でギルドの長を選ぶ時には票によって選ばれるし、貴族同士でなにかをするときは、そういった事もする事はある。
しかし、民衆がまるごと政治に参加する、と言うことになると、そのような仕組みでは到底賄う事が出来ない、無理やりやっても汚職が蔓延するだけである、少年はすぐにそのような結論に達していた。
「…」
つまり少年には、いわゆる現代社会で言う民主政治というものをどのように行えばいいのか、そのノウハウ等などをすべてを持ち合わせていなかったのであった。
「ああっ」
少年は嘆く、例えこれらが解決しても、他の様々な諸問題がすでに発生している、正直この状況下でこのような多数決政治が達成されるのは、不可能である事を少年は嫌というほど経験していた。
「くっ」
少年は今まで読んでいた文献をイラつきながら床にたたきつけながら言った。
「だれか…だれかこの多数決政治についてのノウハウを持っている者がいたならば…」
すこしでも光が見えたのに…少年はうなだれながらそう呟いた。
「…はぁ」
そしてここにも一人、ものすごい勢いでうなだれている少年がいた。
少年の名前は山崎真、訳の分からない奴に異世界に知らぬがままに連れてこられた異世界人である。そしてそんな異世界人が何故にうなだれているのか、それは至極簡単な理由である。そう、それは…
「…ごめんソラ」
そう、自らの相棒であるソラに重傷を負わせた上に、自分は何もできなかったのである。しかも自分の心はソラが重傷を負った事に対してなにか特別な感情を示すわけでもなく、ただ単にソラが重傷を負った、という認識が頭の中に流れて行き、そして通り過ぎて行くだけであった。
「…」
真はすぐ隣に包帯をぐるぐる巻きにしながら寝込んでいるソラの顔を覗き込んだ、一応、治療の魔術師の人は大丈夫だとは言っていたけど、なんだかそんな言葉をなかなか信用できず、心配になってしまった真であった。
「…」
そして次に、真をうなだらさせる原因である物が有った。
「…まさか、すでに召喚した物はもう召喚できないとはな」
そう…そのまさかである、すでにこの世界に来てから大分立ったのに、今頃の自分の能力に対する現状把握不足をしてしまったのである、当初何者かの干渉によって能力を制限されたのか?とも思った真であったが、あとあと考えてみると、自分はいままで同じものを召喚したことが一度もないのである。ソラのボディースーツにしても、同じものより他の物の方が良いし、他のボディースーツが実際見てどのような確かめるためという側面を持っていたため、あえて別のものを召喚していた。つまり、思い出してみても、いままで同じものを召喚したことがなかったのである。弾薬にしても、初めから大量に召喚していたため、同じものを召喚するという行為に及ばなかったのである。まるで誘道でもされてるかのように、真はいままで全く同じものを召喚してこなかったのである。
…なんで俺はこんなすぐに疑問がわくはずな事を確認しなかったんだ。
一応まだ何者かによる干渉説もあるが、それは置いておいて、理由はなんとなくわかった、確かに同じものを、複数召喚することができるのか?と言う疑問くらいは、何度か真の頭の中に湧いた事はあったのである、しかし幾度も召喚数が勿体ないとか、日々の忙しさ、楽観的な思想…それらが真の能力把握を妨げ、現在の惨状に至ったのであった。
「…はぁ」
真はこれを機に思った、自分は今まで召喚数が勿体ないからと言って、自分能力現状把握をしてこなかったと、そしてそのせいで、ソラはこんな状態になったのだと。
真は、これからは例え召喚数を犠牲にしても自らの能力を確認すべきだと、そして、あの少女が言った、マジックペンと言う言葉が指す、襲撃者の想像図…ソラの寝顔を見ながら、真はその事を考えたのであった。
「…」
ベアトリーチェは無表情な顔で、もはや定番とも言える薄暗い廊下を歩いていた、すでにロウンに今までの報告を端的に言い、ロウンが真達にマジックペンは存在しなかったと言うと、今度はヤルトーの事を更に念入りに調べろと命令された、なのでベアトリーチェはさっそくヤルトーの事を調べるべく、行動に移るのであった。
「…っ」
しかし、ベアトリーチェの足は何故か一瞬止まった。
「…」
ベアトリーチェが無言で見つめだした冷たい扉、そこには現在、二度も任務の足を引っ張った事によって監禁されているジューコフがいる部屋であった。
「…」
ベアトリーチェは一瞬その部屋を見ながら、一瞬、何故か昨日自らが食した食べ物の事を思い出した。
しかし、何故自分は突然その事を思い出してしまったのか、ベアトリーチェには全く理由などが皆目見当もつかなかったのであった、自分の事であるのに。
「…」
ただベアトリーチェは無表情の顔の裏でこう思った、また食べたいな…っと。
10月…この月に、遂に受験があります。
もし受かったら更新速度は上がる予定です。
受からなかった時の事は考えたくない。
誤字脱字に修正どころか感想返信も難しくなりますが、受験によって更新速度が遅れる事は、ご了承くださいませ。
10月中に行われたテストは不合格という結果になりました。
誠に勝手ながら、次の更新は更に先になりそうです。
次の大学に合格次第、早急に更新する予定です。
これからも現代的なもので、ファンタジーを旅するをよろしくお願いいたします。