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とりあえずの現状確認


「…さて、どうするか」

 真はこんな状況下に置かれてもなお、何も感じず、落ち着いている自分を恨みながらそうつぶやいた。


 いままで真は、何で尻にこんな大事な物張るんだよ、絶対これ張った奴は悪意あるだろとか、誰なんだよ俺にこの手紙を書いたやつは!!とか、そんな愚痴を延々と言っていたが、そんなこと言っていても状況は打開するはずもなく、結局真は愚痴を言うのも止めて、現実的にこれからどうするればいいのか考えなければならないと思い、そう呟いたのだった。


 まず、真は自分が持っている物を確認した。


 ナップザックに、その中にある物として、メモ帳、筆箱、その中にあるシャーペン5本、マーカーペン1本、ネームペン一本、蛍光ペン、赤、青、黄色、緑、金色の5本、鉛筆3本、消しゴム2個、20㎝物差し一個、コンパス1個、ハサミ一個、修正ペン一個、560円区間の切符、携帯電話(もちろん圏外)、財布、そしてその中にある5000円札と小銭として568円が有るのみであった。

 

 「…まあ、秋葉原に遊びに行くだけだったし、これぐらいしか持ってきてないのは当たり前か」


 真は自分の持ち物の確認を終えた後、とりあえずナップザックを置きこう呟いた。




「次に、ここがどんな異世界かだ」

真はまず、そのことについて考えた。


(まず異世界といっても色々ある、剣と魔法の世界、技術が異様に発達した世界、魔法と科学の世界だとかだな)


その時一瞬、真は、ここには人間もいない、ただ豊かな自然だけが広がる世界かもしれないと思ったが、それはないとなぜか納得していた。

なぜなら展開的にそれはないだろうと、いままで読んできた小説を元にそう思ったのである。


最もそうでもない可能性もあるのだが・・・


 そんな考えを、真はあまり考えないようにした。


(…こればかりは調べてみるしかないな)


目の前にある風景だけで、ここがどんな世界なのかなんて分かるわけもなく、こればかりは現地で調べてみるしかない、真はそう思い、このことについてはとりあえず保留ということにして置くことにしたのであった。


 次に、この世界の言葉やら、言語の問題について、

 大体このパターンでは、補正がついて言葉言語、両方とも何故か理解できるか、もしくは言葉が通じて、言語を書く、もしくは読むことはできないかである。

 しかし、このことについても、同じく確かめようもないので、真はまた保留にすることにした。


後は、召喚について


手紙には、真の世界、つまり地球に存在しているか、もしくはしていた物を一日に3つだけ、召喚できると書かれてある、一日に3つだけとはいえ、つまりこれは、真の世界に存在している道具はもちろん、昔は存在していた物までも召喚できることを意味している。

 また、なんでも召喚できるところから…それこそ、10円のうまい棒から、戦艦大和まで召喚できることになってしまう…。もっとも、大和なんて召喚しても、操縦なんてできないから意味なし、同じことは航空機や戦車にも言える。


 しかし、真はそのことから…とある究極の攻撃ができてしまうと言う、考えにたどり着いたのであった。

 「…てことは核爆弾も召喚できるということか」


(視界内のどこにでもだから、リトルボーイなんかを上空のどっかにでも召喚すれば、簡単に核攻撃できる…やばい…これはチートだぜ…)


 真はそう思ったが、しかし、


  (…と言っても、日本人としてはさすがにそんな攻撃はしたくないけど)

唯一の被爆国の日本人である真がそう思ったのは当然のことであった。


 (もっとも、今の所その必要性もないし、これは最終手段としてとっておこう)

真はそう思い、次に、召喚できる1個の単位について考えてみた。


 たとえば、飴をなめたいと思った時、たった一粒の飴玉しか召喚できないのか、それとも飴玉の袋ごとという一個の範囲で、大量に飴玉を召喚できるかどうかである。


 (これからの食糧についてのこともあるし…ぜひとも後者であってほしいが…これは実際に召喚してみなければ分からないしな…)

 それに、一日に召喚できるものは三つしかない、これは慎重にやらなくては…無駄遣いはできない…


 結局真は、このことも、この世界について調べながら考えることにした。



次に武装

 武装については、簡単に決まった、真の世界で、何とかやり方も本で分かっていて、初心者でも扱えて、なおかつ威力があるものと言ったら拳銃しかないのであった。


 (明らかに、身を守るにも必要だし、俺をここに転移させたやつの性格から考えると、あまり治安のよさそうな世界ではないはずだ)


 それに本当にちゃんと召喚できるか確かめる必要もあるしな…


 真は考えに考えそう思い、最初に召喚するものとして、真は銃にはあまり詳しくないが、たしか、H&K USPとか言う銃が、初心者でも扱えて、なおかつ結構な威力があると、どこかの小説にでも書かれてあったことを思いだし、それを召喚することにした。


  「…具体的にどう召喚すればいいんだろう」


 手紙にはそういったことは全く書かれていなかったし、どうすればいいのだろか


 真は、そう迷いながら、こうなったら適当にやってみようと思い、真はさっそく実行することにした。


「召喚!!」

「…」

反応はなかった…


「山崎真が告げる、H&K USPを召喚せよ!!」

真は、もしかしたらもうちょっと具体的に言わなくてはいけないのか?そう考え、今度は、はっきりと、アニメとかで見た魔法使いが言っていた呪文みたいに叫けび、なおかつ、召喚するものをイメージしながら叫んだ。


そのことが功をそうしたのだろうか、突然「バッ!!」という乾いた音ともにまさしく物理法則に真っ向うからケンカを売るがごとく、突然、拳銃・・・H&K USPが忽然と、真の足元に現れたのである。


「…すげーな」

一体どういう仕組みなのか、検討もつかないが、初めて見る光景に、高揚感を感じていた。

 (とりあえず、召喚の仕方は分かった、自分の名前と召喚する者の名所を言い、なおかつ、召喚するものをイメージすればいいのか)


 真はそう思いながら、足元にあるH&K USP(以下拳銃)を掴んでみた、しかしその瞬間、真は驚くべきものを目にすることになった。

 

 「ブン」

 「のは!!」

拳銃をつかんだ瞬間、機械的な音とともに、真の目の前によく、RPGとかで使われるウインドウが突然、いかにも未来的な感じに立体的に表れたのである。

 真は何とか冷静になりながらも、一応、そのウインドウ?に書かれてあるものを読んでみた。


 


  山崎 真 十七歳 桜坂高等学校2年生

 

 レベル1

  種族  人間


  HP  10

  MP  0

  魔力  0

  攻撃力 1

  防御力 1

  精神力 1000

  称号  異世界召喚師

  特性  近代兵器操作術 1867年

  祝福  なし

  武術技 なし

  魔法技 なし

  現在地 ハーストリア帝国 ヨネハの森林地帯

  装備  H&K USP(9mm弾モデル)残り弾数 15 

  道具  ナップザック

  

  次のレベルまであと、100

  

  残り召喚数2



 「…なんだこれ?」

真は突然現れたウインドウとともに、そこに書かれてあったもの唖然とした。

 

 (つまりこれは、なんだ?俺のステータスって奴?)

一応、真はRPG物も少々やったことがあるので、直感的にそう思ったのであった。


 「…」

真はもう一度ウインドウに目をやった。

 (…俺のレベルが1で、HPが10、魔力とMPなんかが0、攻撃と防御が1、明らかに可笑しい精神力1000…まあこれは…おそらく謎の奴が精神をいじくったという影響だということはわかるが…それに、この世界の基本的な数値がわからないから、俺が強いのか、それとも弱いのか分からないな…)


 真は自らの数値を見ながらそんな感想を抱いた。

 


 「…はぁー」

しかし真は、何故だか分からないが、直感的に、おそらく自分は弱いだろうと思っていた、レベル1だし…あとは魔法技とか祝福なんて言うよく分からないものもあるが、一体、これはどういったものなのか、真にはさっぱりわからないので保留するしかなかった、まあ、悲しいことに、真にはどれもなしだから関係ないが。


  (…異世界召喚師とか言う称号は、おそらくおれの世界から武器なんかを召喚できる能力のことだろうということ位は、俺にでもわかる、種族が人間ということも、道具にナップザックも、装備が指すのはこの拳銃だということも分かる、じゃあ、特性の近代兵器操作術1867年は一体何なんだ…)

 真は自分のステータスの中で、近代兵器操作術という手紙にも書いてなかった物にチートとなれるかもしれないと言う期待を含みながら、一体これはどういったものなのかを考えていた。


 (…これはもしかしたら、俺が近代兵器を扱えるとかじゃないか?某使い魔のガンダー○ブみたいに)

真は、心の底からそのことに喜びながらも、しかし、自らが拳銃を握っていても、拳銃の詳しい使い方が頭に流れ込んでくるとかいうことはなかった。


 (…違うのか…俺が近代兵器を扱うことができないとでも言うのか…いや待てよ考えろ)

真は特性の欄内にある、近代兵器操作術の横の、1867年という数字に注目した。


 (…これって、俺の世界の西暦ぽくないか?横に年とか書いてあるし)

そのことに真は気づき、そしてそのことの意味に気づいた。


 (…ッ!!これはもしかして、使える兵器の年代じゃないのか?たとえばこれは、1867年までに開発された兵器が使えること示し、そしてそれ以降に開発された兵器は扱うことができないといことか!!)


 なるほど…そういう事か、と真は納得すると同時に、じゃあこの拳銃召喚した意味ほとんどなくね?とも思ったが、今更返品などできるはずもなく、まさか捨てるのももったいないので、そのまま持っていることにした。

  (また召喚するにしてももったいないし、またあとで考えよう)

 真は思った。


 (…とりあえず…近代兵器操作術というのはどういうのかは分かった、次に、現在地?についてだ)

真は、今度ウインドウの現在地の欄について注目した。


 (ハーストリア帝国?オーストリアと名前が似ているが…気のせいか?)

真は自分の世界にある国の名前にちょっとばかり似ているハーストリア帝国が一体どのような国なのか、そしてもしかしたらあるかも知れないオーストリアとの関連性についても考えた。


 (…だめだ、ちっともこの世界が結局どういった世界なのかは分からない)

唯一ステータスから分かるのは、魔法力や、魔力、魔法技などから、この世界には魔法があること位は分かるが、聖徳太子でも、東大卒でもないただの高校生の真が、たったそれだけの情報で、この世界のことが、分かるはずもなかった。


 (…とりあえず、ステータスの種族なんかがあることから、ファンタジーな世界かも知れないし、そうでなくても、人間なんかは絶対いるだろう、とりあえず、道やら町やらなんかを探してみるか)


精神をいじくられたことにより、あまり緊張感を感じなくなった真は、冷静にそうまとめることができ、とりあえず、そこらに人のいる場所は有るか無いかを探しながら、ステータスの事やら、異世界召還師を使っての新たな攻撃も考えながら、歩くことにした。

 

  (…とりあえずステータスをいったん消すか)

真は一瞬ステータスはどうやったら消すことができるのか迷ったが、消えろと念じれば消えたので、試しにまた表れろと念じたら表れたので、とりあえず大体のステータスの操り方は分かったのであった。



 「…さて…一応憧れだった異世界を放浪する旅を、始めるとしますか、」


 真はそう呟き、元の世界の東京とは比べ物にならないくらいの、大自然に、足を踏み入れたのであった。


 


 1867年は大政奉還の年です、自分としては、近代兵器の始まりと言ったらここら辺だと思ったからです。そしてなぜわざわざ使える兵器に制限を課したというと、いきなり90式戦車やら、F22使って無双しても、面白くないからです。やっぱりだんだん強くなっていくのがいいな。

 

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