ドゥットルーズ
至極簡単な武器紹介
ヘンリー銃
1850年代後半にベンジャミン・タイラー・ヘンリーが開発したレバーアクションライフルである。
アメリカの南北戦争において、正式装備ではないはずなのに、多くの北軍兵士に使われた銃である、
この銃の強みは銃弾の装填数が多いことである。
88式鉄帽
いわゆる軍用ヘルメット、鉄と書かれているが、鉄は使われておらず、耐弾繊維の複合素材で構成されているらしい、自衛隊の主要軍用ヘルメットである。
ボディーアーマー
いわゆる防弾チョッキと言われるもの、作中のは小銃の徹甲弾を停止させるNIJ規格レベルIVクラスのものである。
ダンジョン…それは、まさしく、ファンタジーの代名詞たるもの、モンスター、宝箱、冒険、魔法、と、ファンタジーならではの洞窟である。しかし…
「ざっ」
と、何やらそのようなファンタジーな雰囲気を…
「あー」
ぶち壊すような奴は言った。
「まさか、米軍のボディーアーマーと、自衛隊の88式鉄帽と、ヘンリー銃をもって、ファンタジーな世界において、90%くらいの確率で存在する定番中の定番、ダンジョンに行くこととなるとは…現実は物語より奇なり、というか、日本にいるときは想像もしなかったけどな」
そう、真が言っている言葉通り、現在真は、このファンタジー感あふれ洞窟を攻略するため、片手にヘンリー銃、背中に、予備の弾やダイナマイトが入ったリュック、ボディーアーマー、88式鉄帽を付けた、場違いにも程がある人間、山崎真が、そのファンタジー感あふれる洞窟、ダンジョンへと潜入を試みようとしていたのであった。
「…」
真はとりあえず、あたりを見回した、目の前にはダンジョンの入り口とおもわしき高さ7メートル、幅10メートル位の洞窟があった、そして、その洞窟の周りには、小規模な木で出来た家などが立ち並び、沢山の人やら、別の種族であふれ返っていた…しかも、どうやらここにいる人達は、全員、ダンジョンに用が有る人なのか、剣やら槍、弓などで武装した人、ローブをまとった魔術師などがいた、銃で武装しているのは真くらいである、当たり前であるが…
しかしとりあえず、やっぱり真の服装は目立つのか、所々その、ファンタジーな人たちがちらちらと、盗み見るように真を見ていた。
「なあソラ、ダンジョンってみんなこんな感じなのか?」
「違うわよ、確かに町の近くにあるダンジョンは大体こんな風に建物とかが立って、人で賑わうけど、全部のダンジョンがこんなでっかい洞窟形式じゃないわ、モグラの穴みたいな場所が、ダンジョンの入り口だった時もあるしね」
「ふん…」
真はそんな感じにソラの言葉を聞いていたのであった。
数分ほど歩いているいると、真たちの目の前になにやら、沢山の人だかりが見えてきた。
「ん?ソラ、あそこに大量の人混みが有るけど、なんだ?」
「なんだろう…私にも分かんない…だけど面白そうね、真行ってみよう!」
「おう、いいぜ」
真たちは人混みめがけて突き進んで行った。
わーわーと、真の目の前には大量の人混みにあふれ返っており、いまにも巻き込まれそうである、真はこの人混みを見ながら、元の世界の夏コミを思い出していたのであった。
「あの、すいません」
真がそんな風に元の世界に思いをはせていると、ソラがどうやら、この人だかりは何なのかを聞いていた、聞く相手はどうやらエルフの男性みたいである
「ん?なんだいお穣ちゃん?」
「この人だかりは何ですか?」
ソラは未だに衰えを見せない、まるで津波の様な人だかりを指差しながらそう言った。
「ああ、なんだお穣ちゃんたち知らないのか?今、Aランク級の称号を持つドゥットールズという、名パーティが来てるんだよ、お嬢ちゃん達も知ってるだろう?とても強いドラゴンを倒したことで有名な…おっお嬢ちゃん運がいいね、こっちに向かって来たぜ」
エルフの男はそう言うと、どうやら、こっちに近づいて来たらしいドゥットールズとかいうパーティの居るらしき方向を見つめた、真もAランクという高ランクを持っている奴って、どんな奴らだ?そう思い、眼を凝らしてエルフの男が見ている方向に目を向けた。
眼の先には、集団の中心に居るらしき五人の集団が居た、特徴を述べるとすれば、リーダー格なやつは、金髪と、青色の瞳の年齢としては20代位のイケメンな剣士で、エルフである、他には赤髪をポニーテールにした弓使いらしき人物や、他に魔術師っぽいのが二人、この魔術師たちは一人は女の人で、もう一人は男だった、次は、でっかいハンマーみたいなのを持った大男である。
「…」
(Aランクとなるとどれくらいの強さなんだ?)
そう思った真は有言実行、さっそく彼らのステータスを表示させて見た。
名前 ?????
種族 エルフ
職業 魔術剣士 冒険者
LV208
称号 ドラゴンキラー
「…やっぱりなんだよな」
真自身実は気になっていたことが有った、それは
「…ステータスが何故かソラの時みたいに、精密に測れないんだよな」
そう、真はこの街に入ってから試しに他の人のステータスを見てはいたのだが、このように、何故か簡単な物しか分からないのである。
「…ま、しょうがない、諦めるしかないか」
なってしまったものはしょうがない、そう思った真は、それでやめた後、次に、赤髪のポニーテールのステータスを見てみた。
名前 ??????
種族 人間
職業 弓使い 冒険者
LV50
「…あれ」
なんでだ?真はそう思った。
(隊長がLv208で従者がLv50って…なんかあまりにもの差が有るのだが…)
それに、確かこのパーティはドラゴンキラーとか言われていたが、隊長しかドラゴンキラーの称号を持っていないのでは…真はそう思った。
「…」
試しに、真は他の奴らのステータスを見てみた。
名前 ???????
種族 人間
職業 魔術師 冒険者
Lv56
これは、女魔術師のステータスである。
名前 ???????
種族 人間
職業 ハンマー使い 冒険者
Lv67
これは、あの大男のステータスである。
名前 ???????
種族 人間
職業 魔術師 冒険者 一部データが改ざんされています。
Lv70 データが改ざんされています。
これは男魔術師のステータスである。
「…」
やっぱり隊長以外は称号、ドラゴンキラーの称号を持っていない、なんでだ?パーティ全体で倒したのなら、全員が持っているはず、それに、このあほな程のレベルの差、何かおかしいな…あと、男魔術師のやつのLvと職業に、データが改ざんされていますとかある…謎は深まるばかりである。そのことを聞きたいという思いもあるが、まさか直接聞きに行けるはずもなしな…真はそう思った。
「ソラ、あのドゥットールズ?だったか?どういう奴らなんだ?」
真は同じく、眼を凝らしながら、ドゥットールズを見ているソラに向かって言った。
「うん、まあ聞いたことはあるわね、たしか、北の方にある、オスローデニアという町で、上級クラスのドラゴンを倒したチームとして、かなり有名よ、まあAランクの時点で、実力は相当なものだけど、まあ、一言で言えば、この世界でもトップクラスに腕の立つパーティなのよ」
「Aランクってそんなにすごいのか?」
「凄いも何も、Aランクはこの世界には100パーティ居るかいないかだよ、凄いに決まっているじゃない」
「…え?じゃあSSSランクは?」
真はAランクでそれなら、SSSランクはどうなっているんだと思い、ソラに聞いてみた。
「…ああ、そう言えば行っていなかったわね、SSSランクは一万年以上前に存在していたと言われる勇者だけが持っていたとされているわ、勿論今はSSSランクなんて持っている人はいないし、今存在する最高ランクの人物でも、Sランクが最高、それも、Sランクの人間はこの世界でも一桁くらいしかいないのよ」
「…」
どうやらギルドランクを上げるのは大変らしいと真は思ったのであった。
「まあ、とりあえず、ダンジョンにさっさと行くわよ、それとも、ドゥットールズのサインでもほしいの?」
「いや、別に欲しくはないけど」
「じゃあ、さっさと行こう!」
ソラはそう言うと、真ともにダンジョンに向かって行った。
「ねえヨセフ」
赤色のポニーテールをした、弓使いの少女が言った。
「なんだいミミ」
隊長とおもわしき人物、金髪で青い瞳をした、エルフの男、ヨセフは言った。
「あそこにいる男の子、超可笑しな格好してるんだけど、あんな格好初めて見るわ」
ミミと呼ばれた少女はちょっと笑いながら、その可笑しな格好をしている男の子が居る場所を指差した。
「ん?」
ヨセフはミミが指差した方向に目を凝らした。
「…なんだあの服装は、そして頭にかぶっている可笑しな模様の丸い帽子、そして、抱えているのは鉄でできた奇妙な棒か?可笑しな奴だ」
「ねえ、可笑しな奴でしょ、どこの国の人間かな?」
「さあな、確かにあんな格好をした奴を、いままで数十年と旅をしてきた俺をもってしても見たことがない、ミミ、確かにお前の言う通り、可笑しくて変な奴らだ」
「盗賊かな?」
ミミが冗談下にそう言う
「ふっ、盗賊があんな格好するかよ、盗賊でももっと合理的な服を着るわ、ふふ、まあ冗談はさておき、ミミ」
ヨセフは少女の名前を言った後、おかしな男を見るのをやめ、ミミの方向を向いた。
「あんなおかしな男など、俺たちにはどうだっていい事だ、それよりも今回わざわざこんな場所まで来た目的を忘れるなよ」
「分かってるってヨセフさん」
「それと…」
「ん?」
「あの昨日緊急的に俺たちのパーティに限定的に入ってきたあの男、ちょっとばかり怪しいな」
「ああ、魔術師のラテさんですか」
「そうだ、突然ギルドの上層部から、彼は今回、ドゥットルーズに限定的に入って戦いを学びたい青年なので、一ヶ月間よろしく、といわれて結局入れざる負えなかったのだが、なぜか、私の本能が怪しいと感じるのだ」
「そんな、考え過ぎですよ、ギルドの後ろ盾が有るし、たぶん、ギルドに多くの金を送っている貴族の息子か何かでしょう、私たちはAランク、貴族にとって、実力のあるパーティに息子を送りたいという思惑もあるでしょうし、これまでもそう言う事、有ったんですよね」
「…まあ、そうだな、俺の考え過ぎか…」
ヨセフは考え深げにそう呟いたのであった。