第25話
その後、私たちは二階層を順調に進んでいった。
途中でゴブリンやコボルトなどの低ランクモンスターを倒しつつ、戦闘経験を積ませていく。
しかし段々と出現する敵の数が増え始め、理依奈と颯斗の疲れが顔に出てきた。
「今日はここまでにしましょうか。帰りましょう」
私の提案に二人とも同意してくれた。
帰り道では私が索敵と探索魔法を駆使して最短ルートを選択した。
モンスターを回避できそうな箇所は避け、どうしても避けられない場合には簡易的な水弾を放ち一撃で仕留めていく。
そうすることで二人には無駄な体力消費をさせずに済む。
「これなら安全だし帰りは早いね!」
理依奈が嬉しそうに言った。
「やっぱり麗奈さんは格が違いますね……」
颯斗も感心していた。
ダンジョン出口が見えてくるにつれ、彼らの緊張も解けていった。
ギルドに戻ると早速魔石の換金手続きを行った。
今日の成果を二人に分けようとしたら、
「連れてきてもらったんですから受け取れません!」
と二人そろって拒否してきた。
私は苦笑しながら、
「それじゃあ、叔母さんからのお小遣いってことで……」
理依奈と颯斗は感謝の言葉を述べつつ、どこか嬉しそうな表情だった。
「ありがとうございます!大切に使います」
「兄さんには内緒にしててね」
そう言いながら彼らにお小遣いという名の報酬を渡した。
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二階の更衣室で着替えて荷物を持ち三人で一階へ降りると、ギルドのホール内の一部に多くの人々が集まっていた。
どうやら大型モニターに映し出されている内容が原因らしい。
私も気になって覗いてみると……
「あれは……!」
画面には見慣れた人物……リアが映っていた。
リアのそばにはパーティメンバーらしき若者たちが緊張した面持ちで前方を警戒していた。
周りの話を聞くと、どうやら日本のダンジョンで試験的に『星霜の旅団』がドローンによる撮影を行っているようだ。
周囲の人々の話し声が耳に入ってくる。
「貴重な下層のライブ配信だって!」
「ラキナのトップクラン『星霜の旅団』が日本のダンジョンを探索しているみたいだぞ!」
「リア様の生の姿見たいなぁ」
映像の中のリアは普段と変わらない冷静沈着な態度でリーダーシップを発揮していた。
しかし精霊もゴーレムも召喚せず、本気を出していないような印象を受ける。
おそらくクランメンバーの成長を促すためにサポートに徹しているのだろう。
「わぁ!リアさんキリッとしていて綺麗でカッコいいなぁ!」
理依奈が画面越しに食い入るように見つめている。
「確かに……ただものじゃないって雰囲気だね……」
颯斗も画面を見つめながら下層での戦闘映像が気になるようだ。
私は微笑みながら二人の肩を叩いた。
「私は買い物行ってくるから見てて良いよ」
「はーい!」
理依奈が元気に手を振り、颯斗も小さく頷いた。




