第24話
何の魔法がいいか考えふと思いついたのはラキナから地球へ、精霊を召喚する事ができるのかどうかということ。
「じゃあ試しにやってみようかな……」
「麗奈お姉ちゃん!動画撮ってもいい?」
と理依奈が言って来たので了承し、意識して魔力を集中させると、召喚陣が足元に展開した。
契約している精霊へ呼びかけると、すぐに応答が返ってきた。
地面が強く光り、その中心から美しい女性の姿が現れた。
「ご主人様、お呼びでしょうか」
メイド服を着た精霊アクアが優雅にお辞儀をする。
その姿を見た理依奈と颯斗は呆然としていた。
「二人は私の大切な甥っ子の颯斗と姪っ子の理依奈よ」
「レーナ様の精霊兼メイドをしております、アクアです。颯斗様、理依奈様、以後お見知りおきを」
アクアは丁寧に挨拶した。
突然の出来事に理依奈と颯斗は呆然としていたが我に返り、慌てて挨拶を返した。
「あ、えっと、はじめまして颯斗です!」
「理依奈です!よろしくお願いします!」
私は二人に向き直る。
「うちの精霊でね。他にも三人家にいるけど、ずっと一緒だったから家族同然なの」
アクアの存在を確認できたことに満足する一方で、ちょうど近くにゴブリン三体の気配を感じ取った。
周囲には他に人もいないようだ。
「ちょうどいいタイミングだわ。アクア、あまり大きくない魔法を見せてあげられる?」
アクアはうなずき、前方に意識を集中させた。
次の瞬間、水を凝縮させた鋭い弾丸が空気を切り裂き、一体のゴブリンの額を貫く。
二体目は地面から突如現れた鋭利な水の槍に腹部を貫かれ、三体目は水中に閉じ込められたまま窒息し、動きを止めた。
まさに圧巻の光景に理依奈は歓声を上げた。
「す、すごーい!」
颯斗も感嘆の声を漏らす。
「あんな魔法が使えるなんて……」
彼は少し躊躇しながらも質問を投げかけた。
「そんな高度な魔法を持つモンスターも、下層にはいるんでしょうか?」
私はアクアと顔を見合わせて考えた。
私の答えは控えめなものだった。
「下層クラスだと大雑把な魔法を使うことが多いわ。でも深層に近づけば、アクアが使ったように精密かつ高威力な魔法を使ってくるかもしれないわね」
アクアが微笑みながら補足した。
「実は今の技はかなり手加減していましたが、それでも十分効果的でしたね」
彼女の言葉には余裕すら感じられた。
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アクアから最近の状況について報告を受けた。
特にケイの様子を聞いて安心する一方で、そろそろラキナの家に一度戻るべきかな?とも思った。
「あっ、ご主人様が不在でケイお嬢様が寂しがっていましたよ。」
「明後日までには一度家に戻ろうかな」
「それは喜びますよ、きっと」
とアクアは微笑んだ。
理依奈が疑問を口にする。
「ケイって?」
「私の義娘の一人。12歳の可愛い女の子よ」
私の言葉に理依奈の目が輝いた。
「え~!会ってみたい!」
颯斗も興味を示す。
「いとこって事になるのかな機会があれば会いたいね」
「じゃあ今度一緒に実家に連れて行こうかな。みんなにも紹介したいし」
話も終わり帰還するアクアへ最後に言葉を告げる。
「ケイのことよろしくね」
「お任せくださいませ、ご主人様」
そう言ってアクアは礼儀正しく頭を下げると、召喚を解除し姿を消した。
彼女の存在が感じられなくなると同時に、ラキナの我が家へと無事に帰還しただろうと思う。
「さて、と」
振り返ると、理依奈と颯斗が驚きと興奮さめやらぬ表情で立っていた。
「まあこんな感じかな」
「本当にすごいね……」
理依奈は両手を胸の前で握りしめている。
颯斗が真剣な顔つきで尋ねてきた。
「僕らも……あんな風に強くなれますか?」
彼の瞳には希望と不安が入り混じっていた。
「もちろんよ」
私は断言した。
「あなた達の努力次第だけど、確実に道は開けるわ」
颯斗の表情がほころんだ。
「ありがとうございます。頑張ります!」




