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聖女じゃなかったので、翻訳チートで商人通訳として生きていきます!  作者: 角まがり


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じゃない方と手のひら返しの側仕え

たくさんの方に見ていただけて嬉しいです!

未亜の部屋としてあてがわれた部屋に戻ってきたあとカリアはお茶の準備をしていくと言ってまた席を外した。


未亜は最高司祭様の言葉を反芻していた。


(過去に例はないと言っていた。と言うことは、帰れない可能性が高い。かと言って、呼んだ手前、ここの人達は私を無碍には扱えないだろう...今のところはこのままここに滞在させてもらえるようだし、もう少し様子を見るべきか..この国の倫理観にもよるけれど、いらないものは亡き者に!なんて思考の人もいるだろうし...なるべく早くここから出た方がいいだろうなぁ。)


そう思いながら自分の手のひらを見た。


(何にも起こらなかったなぁ。異世界に来たら普通チートの能力あるはずじゃない?なんでなんにもないの...)


結局、どこに行っても私は私。ど平凡で普通の小市民。そう自虐して苦笑する。


(そもそも、この召喚も巻き込まれた可能性があるなぁ。絶対呼ばれたのはあの女子高生ちゃんで、26にもなる私ではないよなぁ。そもそも聖女って柄でもないし...私ももう一匹の黒猫が飛び込まなければ突っ込まなかっただろうし...あの女子高生ちゃん大丈夫かなぁ。会って話したいなぁ)


はぁ。とため息をつくと同時にコンコンコンとノックの音が鳴る。


「はい。」


と言うが入ってくる気配がない。不思議に思って扉を開けるとそこには俯いたカリナが立っていた。お茶の準備をしてくると言っていたはずだが、何も持っていない。


「カリナ?大丈夫?」


そう声をかけるとキッと顔をあげた。


「あなたが聖女じゃないって本当なの?私の人生お先真っ暗なんだけど!」


「カ、カリナ?」


「気安く名前を呼ばないでくれる?あなた、ただの庶民なんでしょう?貴族の私を様付けもなしで呼ぶなんて無礼も甚だしい。」


おおっと、ここでも掌返しが発動か!


確かに聖女の側付きは名誉なことだろうが、聖女でもなんでもない未亜にはなんの価値もないのだろう。


「あなたの部屋はここでは無くなったわ。じゃない方。」


「じゃない方?」


「ええ。『聖女じゃない方』の『じゃない方』よ。みんなあなたのことをそう呼んでいるわ。」


なるほど。名前も教えていなかったから呼び名に困った人たちがつけたあだ名か。


「あの、改めて自己紹介させてください。私はなりみやみ...」


「どうでもいいわ。あなたの名前なんて。庶民の名前なんて覚えたところでなんの得もないもの。ついてきなさい。」


おお。きちんと案内はしてくれるのか。そんなことを思いながらついていくと大きな鉄でできた扉の前についた。その扉の前には、見張りのような人が二人立っている。今はその扉が開かれ中の螺旋階段が見えていた。カリアについてその螺旋階段を登っていく。5階分ぐらい登っただろうか。そこにもう一つ大きな鉄の扉があり、そこの扉の前にも見張りが一人、扉を開けると先程の部屋とは比べ物のならないくらい質素なベッドと机が置かれていた。それでも部屋の大きさは未亜の一人暮らしの部屋より少し大きいぐらいだった。


「ここが今日からあなたの部屋よ。」


ふふん。と言う顔でカリナが未亜を見てきた。未亜がもう少し若ければ気に障っただろうが、ああ、強気のお嬢様だー!くらいにしか感じなかった。


「あ、あのカリナ...さま?」


部屋から出ようとしているカリナに声をかける。


「カリナ様。あの、私、聖女...さまとお話しがしたいのですが。同郷ですし...」


「あんたのような庶民に気安く話しかけられるような方ではないのよ、聖女様は!」


眉を吊り上げながら、ズンズンとドアの方に歩いていく。彼女が出たのを見計らって大きな鉄の扉がギーッと閉まっていく。最後には無常にもガチャンと大きな鍵がかけられた音がした。


さてこれからどうしたものか...。


今晩も投稿する予定なので読んでもらえると嬉しいです。


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