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聖女じゃなかったので、翻訳チートで商人通訳として生きていきます!  作者: 角まがり


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3/16

じゃない方と聖女ではない証明

同日投稿(3話目)です。まだの方は先に1話と2話を読んでいただけると嬉しいです!

召喚された次の日、カリナ(カリナさんと呼んだら「さん」付けは恐れ多いからやめてほしいと言われた。)にドレスを着るのを手伝ってもらい、最高司祭様に会いに行った。昨日の場所とは違い、ステンドグラスがバックに広がる教会のような場所で、多くの人が座れるような横いすも備え付けてあった。しかし、今日は誰もおらず、壇上に二人の人が立っているだけであった。一人は最高司祭様だとカリナが教えてくれた。昨日の帽子をかぶっていた人である。もう一人の男性は枢機卿だという。歳は遠目で見ているからはっきりとは分からないが50代くらいであろうか。最高司祭様よりも若く見える。優しそうな笑顔を見せているものの、笑顔の裏で何を考えているか分からないタイプの人だ。一通り説明し終わるとカリナは、「一緒に中には入ることは許されていない」とドアの前で別れた。


ステンドグラスの前の壇上に向かって歩いていく。周りをキョロキョロと見回しても壇上の二人しないないようであった。昨日いた赤と青の服を着た人も今日はいないようだ。


(あの人も、位が高そうな人だったんだけどな・・・)


壇上の一番近くまで歩いていくと、

「聖女様、ご足労いただきありがとうございます。このように、聖女様に再びお会いできるとは光栄の極みです。」


そういうと枢機卿は壇から降りてきて恭しくお辞儀をした。未亜はこの国のお辞儀の作法を知らないので、そのまま日本のお辞儀を返す。怒られないか少しドキドキしたが、お辞儀など些細なことなのか、咎められることはなかった。


「今日は、昨日できなかった聖女の儀をもう一度行うことができればと思い、こちらにお越しいただきました。しかし、その前に私たちはなぜあなた方をお呼びしたのか。その理由についてお話するのが筋かと思います。」


未亜は、ゆっくりうなづいた。


「聖女様は、今、リュシエール王国におります。リュシエール王国は、肥沃な土地にあり、自然豊かな国ではありますが、周りを魔物の森に囲まれております。それにより他国からの侵攻も少なく、他国と比べても長い歴史と独自の文化を築いておりますが、それ故、魔物の襲撃を受けやすいと言う欠点も持ち合わせており、私たちはこれまで様々な対抗手段を打って参りました。中でも特に素晴らしいのが聖女様のお力により、邪を祓うことでしてそうすることにより、魔物が生まれないようになったり、生まれたとしても弱体化するようになったりしておりました。」


魔物?とちょっと首を傾げたが未亜は今は話を聞き続けることにした。


「しかし、先代の聖女様がお隠れになり100年が経った頃から、段々と聖女様の力が弱まり、魔物が強くなってきたのです。ここ最近では、魔物の氾濫も起き始め、騎士団でなんとか対応してきてはおりましたが、犠牲者も多く、最近は狩っても狩っても減らないばかりの魔物に疲弊しておりました。そのため、現国王陛下は、リュシエール王国の国教である我ら聖光教会に助力を請われ、私どもも文献を頼りに、聖女様方に我が国にきていただいた次第です。」


なるほど、と未亜は思った。分からない単語がいっぱいあったものの、ワンチャン同時代の別の国に来てしまった可能性もあるのではないか、と思っていた希望が砕かれたと言うことは分かった。聞いたことがない国名、宗教名、聖女の力、そして、魔物・・・。ここまで来ると流石に異世界に来たことを認めざるを得ない。


(そしてその聖女が、私とあの女子高生ちゃん...)


「聖女様の魔力をこの地に馴染ませるために、聖女認定の儀を行なっております。魔力が合わないとその地の魔力に酔って気分が悪くなると言い伝えられておりますため、本来は昨日中に行うべきでしたところ、日を改めることになってしまって申し訳ございません。」


(ん?ん?んんんーん?昨日、それやったよね?そう言う体ってこと?)


未亜はなぜ昨日と同じことを昨日のことが無かったかのように仕切り直されているのかが気になった。


「聖女様、ご体調の方はいかがでしょうか。」


「全く問題ありません。しっかりと休ませていただきました。」


微笑みながらそうこたえる。

そうなのだ。未亜は、1つの案件の締め切りが昨日だったため、連日残業を続けていた。昨日はそれから解放されて、蓄積された疲労もありここ最近の中で一番ぐっすり眠れていた。ベッドもふかふかだったのが良かったのだろう。


その様子を見て、枢機卿は少し躊躇った様子を見せ、壇上の最高司祭様は片眉を上げた。その様子になんとなく、未亜の答えが間違っていたのではないかと思わされる。


「そ、それは良かったです。聖女様の時間をこれ以上お取りするわけにはいきませんし、早速儀式を始めさせていただきます。」


そういうと、壇上の最高司祭様から昨日のガラス玉がついた司教杖を恭しく受け取りまた未亜の前に降りてきて差し出した。


「聖女様、どうぞこちらのオーブにお手を。こちらのオーブはあなた様の魔力をこちらのものに変換する力を持っております。」


(あれ?これってやばい流れじゃない?)


昨日と同じものであれば、きっと今日もこれは光らないだろう。

先ほど、魔力が合わなくて体調が悪くなるのが普通だと言っていた。でも、未亜はすこぶる健康だ。なんならここ数日のうちで一番元気な自負もある。


(これ、昨日の女子高生ちゃんみたいに光んなかったらどうなるんだろう...)


今更になって、手に嫌な汗をかいてきた。


(ひかれ、ひかれ、ひかれ!)


手の汗をドレスで拭いてから、恐る恐る手を伸ばす。


人差し指が触れる・・・変化なし

枢機卿の目が驚きに変わる


中指も触れる・・・変化なし

枢機卿の目が険しくなる


そうして未亜の手全体がベッタリと触れたところで何も変化が起きなかった。

その頃には枢機卿の笑顔は完全に剥がれ落ち冷ややかな目つきになっていた。

ばっと上を見ると壇上の最高司祭様は無表情を貫いている。


「お前は何者だ。」


枢機卿は今までとは打って変わって冷ややかな声で未亜に尋ねる。怖いけど、ここで怯むのも何か違うだろうと言うことは分かる。未亜は何もしていないのだから。


「私は、成宮未亜です。あなたたちの召喚とやらでここにきた者です。」


「聖女ではないと?」


「私は自らのことを聖女と名乗ったことはありません。もう一人の子もそうではありませんか。あなた方が勝手にそう呼んでいるだけです。」


「黙れ。お前は聖女様のお考えを語る立場にないことを自覚しろ。」


今にも掴みかかってきそうな枢機卿。

(えー!これひどくない?完全に手のひら返し...どうしろと...)


そこに最高司祭様が手を挙げて、


「そなたは、自分が聖女ではないと申すか」


無表情、無機質なトーンで問う。


「私は自分が聖女という認識はありません。もしそのオーブとやらが反応することで聖女かどうかを判断するのであれば、私は聖女ではないのでしょう。」


うむ。そう言って最高司祭様は少しの間逡巡したように見えた。


「そなたの振る舞い、着ていた服、先程のこの国の説明に対する反応を勘案するにそなたは単なる異邦人なのであろう。我々の召喚術でなぜそなたまで来たのかは分からないが...そなたが自分が聖女だと名乗らないと誓うのであれば、我々も手を尽くしてそなたを元の世界に戻すようにしよう。」


「え?元の世界に帰れるんですか?」


思わず未亜の口から質問がこぼれ出る。

その様子に枢機卿は片眉を吊り上げた。本来であれば最高司祭様にそんな口の聞き方をすべきではないのであろう。


「元の世界に帰った聖女という話はない。しかし、過去の文献をあたらせよう。もしかすると送り返す方法があるかも知れぬ。異邦人よ。そなたにはそれまでここにいてもらうぞ。」


はぁ。それはいつまでかかるのでしょうか。と言う言葉は枢機卿の睨みによって打ち消された。


そしてそのまま扉が開かれこの場はお開きとなったのであった。


同日投稿は今日はここまで。明日も頑張って投稿しようと思います!

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