表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/59

第三十九話 ロマン砲でつきぬけろ クロスボーグ・その四

「落石注意の標識って、ありますよね」

 それは、かつて那珂畑が加山に聞いた話だった。

 那珂畑が気になったこと、それはつまり、落ちている石ならともかく、落ちてくる石には注意しても仕方ないのではということである。そういった標識が設置されているのはたいてい狭い山道。真上から石が落ちてきたら、たとえ気がついても避けようがない。ソフトボール程度の大きさでも、形や落下速度によっては車に穴を開けるくらいの威力になる。

 そんなアンラッキーに対して注意を促す標識に、いったい何の意味があるのだろうか。

 加山は、しばらく考えてから答えた。

 それは、覚悟を決めさせるというもの。その道を通りたければ、石に当たる覚悟を決めて進めということを、標識は示していると彼は言った。

 どれほど注意しても、どれほど正確に予知しても、避けられない事故というものはある。人間にとって大切なことは、その事故が凄惨な結果につながったとしても、それまでの過程に納得できるかという点にある。過程を理解し納得すれば、人は死にさえ文句を言わなくなる。

 逆に、理解できない出来事や理不尽な結果に対しては、それが小さいものであっても、人はそこに恐怖や怒りの感情を覚える。結局のところ、人は理解することを求めている。そして、人は理解のためであれば、時に自らの理解を超えた行動をとる。


 宇宙開発局、地下5階司令本部。火山ガスの影響か、人が密集したせいか、小堀との連絡が途絶えた。そして数分後、再び宇宙開発局のモニターに映った小堀は、濃い煙の中、布で口元を覆っていた。

「誠ちゃん!」

 真っ先に羽崎が声をあげる。しかし、やはりガスが濃いのか、返ってくる声は掠れていた。

『鳴島君が、硫黄に飛び込んだ……』

「なんだって!?」

 通信途絶前のやり取りからして、鳴島だけが感知器に見つからないネガリアンの場所を突き止めている。彼女が飛び込んだということは、敵はガスの中にいるのだろうか。

 いや、そうとは考えにくい。それは、生物学に詳しくない羽崎でも簡単に考えられることだった。人間を媒介とするネガリアンが、火山ガスの中で生きていられるはずがない。それに、ハコネはロックダウン地域の西端。もしそこに熱やガスに耐えられるネガリアンが発生したら、県外への影響は免れない。羽崎は鳴島の思い過ごしという可能性を必死に考えた。

 一方で小堀は早くもガスに耐えかねたのか、マイクをトントンと指で叩いてから通話を切った。それと同時に、別の機材から通知音が鳴る。

「ハザキ、何か送られてきたよ!」

「ごめん、逸ちゃんそっち見てあげて」

 偶然通知音の発生場所にいたツクモが羽崎に伝える。が、おそらく羽崎のパソコンにも同じ内容が送られていると予想して、彼女は那珂畑にツクモのサポートを任せた。

 小堀から送られてきたのは、ドローンが撮影した映像と、ネガリアンなどの数値を羅列したデータ。映像では、サーモグラフィのようにネガリアンの密集している部分に色が付けられている。

 映像は、鳴島が屋外に出たところから始まっている。おそらく彼女を追ってドローンを飛ばしたのだろうが、すでに濃いガスに阻まれてその姿はよく見えない。よく見ると、画面端にはゼツボーグ91号の反応を自動で追跡する旨の表示が出ている。これで、鳴島の行方と敵の位置を特定しろということだろう。

 羽崎も、ツクモたちと同じ映像を見ていた。そもそも倒れていたはずの鳴島が、なぜそこまで動けるのか謎のままだが、とにかく鳴島は安全柵を飛び越え、猛スピードで斜面を駆け下りていく。そして急に立ち止まり、その直後、ゼツボーグの反応ごとどこかへ消えた。ドローンも完全に彼女を見失ったようで、映像は続いているが動きがない。

「ちょっと、巻き戻して。そう、鳴島が消えたところまで」

 那珂畑が何かに気づいたのか、ツクモに指示を出す。そして反応が消える瞬間をスローモーションで再生すると、鳴島の反応は消える直前に真下に移動していた。

 見えない敵という条件に、那珂畑は似たような経験を思い出していた。それはネガテリウム・マンションを発見した時のこと。あの時は反応だけがあったが、敵の姿は反応の上空にいたため見えなかった。もし鳴島が敵の正確な位置を捉えたのであれば、おそらく今度の敵は真下。硫黄泉の中にいるということになる。この極限環境でネガリアンが生きられないという考えは羽崎と同じだが、そうとしか考えようがない。

 そして、倒れていたはずの鳴島がそこまで行ける理由も、那珂畑は知っていた。むしろ、彼の発案だったがゆえに、いち早く見当がついた。

「クロスボーグだ。あいつ、マジでやりやがった……!」

 つい声に出たオリジナルの名前に、羽崎とツクモは微妙な反応を見せる。だが、ふたりをよそに那珂畑は出動の準備を始めた。

「ちょっと、逸ちゃん! 今から行くの? それにクロス、何とかって……」

 突然の行動に戸惑う羽崎だったが、那珂畑が止まらない様子を見て、仕方なく緊急出動ハッチの操作に取りかかる。

「詳しいことは移動しながら話します。ツクモ、お前も来い。悪いがちょっとヘビーな初陣になりそうだ」

 那珂畑はそのままツクモの手を引き、出動用カタパルトに向かうよう指示する。そしてツクモがドローンやインカムを探す間、彼は羽崎に追加注文を出した。

「羽崎さん、とりあえずO電鉄に連絡して、何でもいいから動力車を1両買ってください。あとできれば、線路も空けておくように」

 そのまま、那珂畑は羽崎の返事を待たずに駆け出した。だが、この要領を得ない言葉から羽崎は理解した。宇宙開発局から電車でハコネまで行くには、最寄り駅の路線からO電鉄に乗り換えれば、あとは終点まで乗るだけで済む。さらにそれを、あたかも緊急車両のように線路を空けさせてまで行こうとは。

 だが、不可能ではない。O電鉄は民間企業。事態の緊急性と対特区計画の報酬金を叩きつければ、その程度の即時買収は不可能ではない。

 まるで化学系企業に紛れ込んだ文系の営業マン。羽崎の腕が問われる時が来た。

 なお、O電鉄への乗換駅までは各駅停車。F区域の駅に、快速電車は停まらない。


 那珂畑はこう予想した。敵は硫黄泉の地下深くにいたため、感知器に見つからなかった。しかし、ガスの噴出によって体の一部が地上へ吹き飛ばされた。鳴島はそれに反応したのだろう。

 そして、鳴島はゼツボーグ91号の運動能力と、ポジトロンのパイロット保護機能で硫黄泉に飛び込んだ。その場で倒すのか地上まで引きずり出すのか、彼女がどのような戦いを選ぶのかまでは想像できない。しかし、どちらにしろ、付け焼き刃で対処できるような状況でないことは確かだ。

 仮にゼツボーグとポジトロンの両立、クロスボーグが成立したとしても、訓練もなしに極限環境に飛び込むのは自殺行為に等しい。一方で都合のいいことに、ゼツボーグ98号と99号の性質は火山での活動に適している。98号にはガスマスクがあり、以前実験した通り耐熱性もある。中身が蒸し焼きになる心配はあるが、そこは急いで状況を解決することに賭けるしかない。そして99号、ツクモは無尽蔵とも言える再生能力を持っている。彼女曰く、身体の再生とレーザー糸の放出は同時にできないらしいが、せめて身体を再生し続ければ、苦痛は伴ってもガスにやられる心配は少ない。今回の敵はただでさえ耐熱性が高いと考えられる。ツクモにはサポート役を任せることになるが、それだけでもかなり頼りになる。

 とにかく、時間との戦い。ふたりは全速力で各駅停車に飛び乗った。駆け込み乗車はやめましょう。

『逸ちゃん。O電鉄の特急1両、確保したよ。2番線に停めてもらった』

「了解。続けて進路上の車両退避も」

『オッケー任せといて』

 さすが民間企業。金と動機さえあれば対応が早い。羽崎もこういった交渉はお手の物のようで、ふたりが乗換駅のホームに着く前に車両の準備は完了した。

 O電鉄特有の長距離特急、通称ロマンスカー。羽崎が2番線に用意したのは、その先頭車両である。当然、乗客は那珂畑とツクモのふたりだけ。運転手も車掌もなし。ふたりが電車を運転した経験もなし。

 だが、今回に限っては信号だの分岐だの細かいことを気にする必要はない。那珂畑は運転席に陣取ると、勘を頼りにアクセルレバーを限界まで倒した。

 ロマンスカーの最高速度は、通常の10両編成で時速110キロ。ハコネまで行くにはこれが最速なのだが、それでも那珂畑には遅く感じた。

『逸ちゃん、ツクモちゃん。作戦があるからよく聞いて』

 発車を確認したのか、羽崎からの次の連絡は駅を離れた直後だった。

『急ぐなら、ふたりの力もスピードアップに使うんだ。逸ちゃんは運転席、ツクモちゃんは車両後方で構えて。事態が事態だ。線路をぶっ壊してでも行くよ』

「羽崎さん、それはさすがに……」

『いいから。こういう大ざっぱな作戦は私に任せといて』

 まだクロスボーグのことも話していないのだが、羽崎は那珂畑の話から事態が一刻を争うものだと察したのだろう。とにかくふたりは指示された通りの配置につき、羽崎の作戦を聞いた。

「やるぞ、ゼツボーグ!」

「変身!」

 ロマンスカー大砲、略してロマン砲。羽崎の提案した作戦は、確かに大ざっぱで無茶苦茶だった。

 目的地までには、複数の長いトンネルがある。まずはそれらの換気システムをすべて停止させる。そして車両がある程度トンネルに入った所で、後方のツクモがレーザー糸を放出。ただし、広範囲に広げるのではなく、手元で毛糸玉のように熱を集中させる。これにより、トンネル内後方の気温が上昇。脱出時に外部との温度差で空気が膨張し、同時に爆発的な推進力を得るというものである。

 この日のためではないが、ツクモはレーザー糸の繊細な操作を練習してきた。毛糸玉も、ただ大きく作ればいいというものではない。手元から出す以上、最大でも両腕で抱えきれる程度の大きさでなければ、コントロールを失ってどこかへと飛んで行ってしまう。なるべく小さく、しかしなるべく多くの糸を詰め込んで温度を上げること操作を、彼女は訓練を通して習得していた。結果、最初のトンネルを抜けた時、車両は時速120キロを超えた。

 だが、ただ加速し続ければ、当然脱輪や脱線につながる。この超スピードでは車両のブレーキも効果が弱く、無理なブレーキはかえって状況を悪化させかねない。そこで、運転席の那珂畑である。カーブなど脱線の可能性がある場所で、彼が【スーサイド・バイスタンダー】を展開、カヌーのオールを水面に刺して方向転換するように、鎧を地面に突き付けて車両の姿勢を制御させる。

 この繰り返しが、羽崎のロマン砲の全容である。初めこそ驚いたふたりだったが、最初の加速に成功してからは、何かこつを掴んだように落ち着いてゼツボーグを動かせた。

『それで、逸ちゃん。さっきのクロスなんとかについて聞かせてよ』

 車輪のきしむ音と激しい風切り音の中、羽崎の通信がふたりの耳に入った。那珂畑はここでようやく、自分が提案したナノマシンの使い道と、想定している現地の状況についてひと通り話した。

『クロスボーグ、ゼツボーグとポジトロンを同時に……。本当にできると思ってるの?』

「正直、俺も提案した時は無茶ぶりだと思いましたよ。でも、そうでないとあの映像の説明がつかない。と言うか、鳴島が動いたならそうであってほしいと思うんです。とにかく、ドローンの映像解析も引き続きお願いします。何か動きがあればすぐに連絡を」

『……わかった。私は皆が生き埋めにならないよう願うことにするよ』

 羽崎の声にはまだ疑問が残っている様子だったが、通信はそこで終わった。那珂畑が運転席から客席越しに後ろを見ると、会話を聞いて驚いた様子のツクモと目が合う。ふたりの反応も当然のこと。那珂畑自身でさえ信じがたい状況なのだから。

 そして、加速を繰り返すこと10回ほど。ハコネ町まで残り数駅のオダワラ市に入った所で、ロマン砲は限界を迎える。最後のトンネルを抜けた時には時速180キロに到達していたのだが、そこから目的の駅までは海沿い。ロマン砲に必要なトンネルがない。

 ここから先は通常の動力に頼るしかないとふたりが考え始めた時、羽崎から次の指示が来る。

『ツクモちゃん、急いで運転席へ! 逸ちゃんは車内のエアコンを全部切って!』

 このタイミングでの追加指示。ツクモは運転席へ走りながら、羽崎の思考を予想した。ここまでやってきたロマン砲は、つまるところよくあるダンボール箱の空気砲と同じ理屈。狭い空間の気圧を上げて一点から放出することで、強い風圧を発生させるというもの。ならば、似たようなことをこの車内でもできるのではないか。いや、短絡的な羽崎だからこそ、それを思いついた可能性は高い。彼女と気の合う性格で、かつ空気砲の理屈を知ってからそう長くないツクモだからこそ、彼女の発想に追いついた。

 ツクモは羽崎の指示を待たず、走りながら両手の再生を進めた。そして運転席に入り、那珂畑に背中を預ける姿勢で再び毛糸玉で室内の加熱を始める。

『……さすがツクモちゃん、わかってるね』

 ゼツボーグの反応からツクモの行動を察知したのか、羽崎は指示をやめた。

『この先、たぶん無線通信が使えなくなるから、今のうちに言っておくよ。ここから先は、君たち二人の仕事になる。私も誠ちゃんも力になれないし、鳴島ちゃんがどうなってるかもわからない。……健闘を祈ってるよ』

 その言葉を最後に、羽崎の方から通信が切れた。通信系統のバッテリー消費を心配してのことだろうか。

 轟音の響く車内に取り残されたふたり。ツクモにとっては初任務で孤独や不安に襲われそうなところだが、彼女は意外にも冷静で、勇敢だった。

「ナカハタ、いくよ。準備して」

 長い直線に差し掛かるのが先か、客室の窓ガラスにひびが入るのが先か。ツクモは合図した直後、毛糸玉の糸を周囲に解放した。糸は押し込められたワイヤーのように縦横無尽に広がり、車内各所を焼き切っていく。ツクモのすぐ背後でゼツボーグを戻し防御態勢に入っていた那珂畑だけが、ほぼ無傷だった。

 やがて糸の攻撃範囲は運転席全体まで広がり、鼓膜を切り裂くような破裂音と同時に車両先頭に大穴が開いた。そこに吸い込まれるか、あるいは気圧に押し出されるような形で、ふたりは車両の外に放り出された。

 ロマン砲、最後の一発。それは車両自体をトンネルの代わりとして、ふたりを撃ち出すものだった。それ自体はどうにか成功したのだが、それ以上の高速移動や飛行手段を持たないふたりには、それが限界だった。

 いや、飛行手段なら、持っている。

「ナカハタ! ナノマシン使うよ!」

 背中合わせにぴったりと張り付いたツクモの声で、那珂畑はようやく理解した。鳴島がふたりに預けたナノマシンの噴射機。これを使えば、地面に衝突することなく、ある程度の速度を維持したまま山を登れる。彼は慣れない空中で、慌ててナノマシンのプレートを取り出す。勢い余って持ってきたドローンも出してしまったのだが、それは空中で自動展開したため、今は無視することにした。

「「起動!」」

 ふたりの声を合図に、プレートがプログラムされた形に展開、それぞれの体に装着される。噴射機には装着用のリングがあり、展開と同時に片膝に巻き付けられる。そして膝の横で飛行機のジェットエンジンのような形に定着。装着が完了すると、すぐに噴射が始まった。

 まだ実験段階の不格好な噴射機。しかしそれは、ふたりの体を確実に山の上へと運んで行った。那珂畑が振り返ると、眼下の線路には運転席が派手に吹き飛んだロマンスカーの戦闘車両。爆発の影響か、車体は底面から炎上し、その破片は側道にまで飛び散っている。たった数人の仲間を助けるため、ロックダウンの境目を守るため、果たしてここまでする必要があったのだろうか。那珂畑は今になって少し迷いを感じたが、では自分たちの代わりに誰がこの状況を解決するかと考えた時、それは一瞬でかき消された。

 ゼツボーグが間に合わなければ、その役目はSIMsに回る。今はまだ科学衛生局にも敵が見つかっていないため動きがないが、先を越されればまた対特区計画に利用されかねない。那珂畑は膝に装着したナノマシンを見て、別れを告げに来た志村の姿を思い出した。そして、計画が実行された時、ツクモが泣いていたことを思い出した。もう、こんな悲劇はこりごりだ。


 そして、那珂畑が覚悟を決めようとしている間に、ふたりはO区域上空へとたどり着いた。那珂畑の予想通りであれば、今頃クロスボーグに変身した鳴島が、ガスの中のどこかでネガリアンと戦っているはず。彼は血眼で周囲を見回したが、視界をガスに阻まれて、地形を確認することさえままならない。

 そうこうしているうちに、噴射機の燃料が切れた。ナノマシンが自動的に元の形に戻り、ふたりの服の中へ戻っていく。ここまで飛んだ感覚からして、地面までは適当に計算しても20メートル以上。このまま斜面に衝突すれば、無事では済まない。那珂畑はとっさにツクモを抱きかかえ、自らの背中をクッション代わりに落下した。


「……タ、……カハタ」

 落下の衝撃で意識を失ったのだろうか。濃いガスの中、何度も叫ぶように呼びかけるツクモの声で那珂畑は目を覚ました。

「ナカハタ!」

 目の前にぼんやりと見えるツクモに目立った傷はない。いや、落下の時に怪我をしたとしても、もう再生が完了したのだろう。だが、そんな考えは那珂畑の意識を覆うもやと同時に一瞬で消え去った。

 ツクモの背後に見える人影が、彼の想定していたものとまったく違っていたからである。

 人影、という表現も正確なものかはわからない。何せ、急接近してきた影は、瞬く間にツクモの全身を握り潰すように掴んだのだから。

 そして、その巨大な手のような影の周囲には、さらに大量の人影。しかしそれらも様子がおかしい。いや、動きがどうこうと言うより、頭がない。首から上が、鼻のあたりで途切れている。

 ツクモをさらった巨大な手と、無数の顔なし集団。煮えたぎるような地熱と眼球を突き刺すような硫黄ガスの中、那珂畑の前に立ちはだかったのは、まったく予想外の敵だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ