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《歯車仕掛けの小公女》――魔法と機械と、永遠の少女  作者: 混沌のきのこ
第二章 数式魔術と“封じられた心臓”
3/10

Episode 1 人工心臓と禁じられた箱

 「これが……あたしの持ってきた遺物です」


 詩織は、重たい鞄から小さな木箱を取り出した。

 手のひらほどのサイズ、黒檀の箱には銀線の装飾が施されている。蓋の継ぎ目には、魔術封印を示す幾何学模様が彫り込まれていた。


 「数年前、ある患者が亡くなったときに、彼の身体から摘出された“人工心臓”です」


 レンの目がすっと細くなる。

 詩織はそれを見逃さなかった。


 「……何か、わかるの?」


 「うん。これは、ただの医療器具じゃないわ」


 レンは机の上に箱を置き、棚の奥から紙とペンを取り出した。まるで手品のような滑らかさで、複雑な数式を紙の上に描き始める。


 円、螺旋、対数、虚数、そしてベクトル。

 それは“詠唱”ではなく、“設計図”だった。

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