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9話 レッスンをつけてやるよ豚丼!

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広告下にある「☆☆☆☆☆」から評価


をしたうえで、本作を読み進めていただけると幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします。


「さてと、これで少しはエキストラも募れたかな」


 僕は伸びをしながら廊下を歩く。


 ちょっとやりすぎた感があるが、まあ結果として悪くない演技だったはずだ。


 あの場にいた者の中には星エネルギーを使えるものも何人かいた。僕の技量については何となく察している人もいるだろう。


「あとは家に帰ってアルデバランに今日のことを報告するすれば……ん?」


 その時。


 廊下の先から誰かが駆けてくる気配を感じた。


 少し遅れて向こうも気づいたようだ。僕と距離を置いて立ち止まった。


「ブハァ、ブハァ、や、奴が…侵入者だな……」


「そのようですな」


 そいつは息切れを起こした様子で膝に手を置いた。辛そうだ。身体中に汗が垂れている。


 傍には頭と髭のクルンクルンな初老の男が立っていた。こちらは見たことのない顔をしている。僅かに星エネルギーを感じることからしてダークエクスプレスではないのはたしかだった。


「よーし、ここはこのブッタ様にまかせろ」


「お願いいたします」


 そう言って頭を下げる初老の男を横目に、歪んだ笑みを浮かべるそいつ。そいつは一歩一歩汗を垂らしながら僕の目の前まで歩いてきた。


「おいチビ。ここはもう俺様がドンだ。ここで暴れるってことはこのブッタ様の領地で暴れるってことになる。あんまり調子に乗るなよ」


 上から威圧するようにブッタは目を細めた。いかにもな悪役の目をしている。


 そんな覗き込むようにこちらを見る彼に、僕はすぐに顔を隠した。


 ふむ。こいつブッタだよな…生きてたのか。てっきり死んだのかと思っていたのに。


 僕はしばらくその場で考えた。


 すると。


「流石はブッタ様、見てください! 彼は恐怖で委縮しております! これがかの魔王覇気というやつでしょうか!」


 何を勘違いしたのか、後ろの老人はニヤけながらブタを煽り立てた。


 もちろん動けないわけではなく動かないだけだ。勘違いしてもらっては困る。


「当たり前っタ! 俺は強いからなぁ!」


 ブッタはその言葉を間に受けたらしい。上機嫌になった。その目には嘲るような感情がこもっている。


「まあいい。闇エネルギーを感じないってことはお前は俺たちの仲間じゃないってことだ。なら用はない。悪いが死んでもらうっタ」


 その瞬間、ブッタの姿が消えた。


 目にも止まらぬ速度で拳が振り切られる。


 僕は咄嗟に防御するが、勢いに負け吹き飛ばされた。


 僕は目を見開く、と同時に、背後の壁へ衝突した。


 これでもブッタはダークエクスプレスの有望株だ。


 その攻撃はそこらの一般人を一撃で粉砕するパワーを秘めている。


 轟音と共に煙が周囲に舞う中、ブッタは鼻を鳴らした。


「フンっ。雑魚が。調子に乗るからそうなる」


 そして僕に背中を見せる。


 痛い。流石に生身で受けきるのは無茶だったか。


 僕は煙が舞う中、何事もないように立ち上がり、ゆっくりと歩みを進めた。


 怪我はない。少しヒリヒリするが、ほぼ無傷だ。


 だが、少し汚れた。


 ここまで来る間、体のところどころに返り血がついた所に砂煙がついたのだ。


 おかげでみっともない服装になった。


「ほう? あの攻撃をくらって生きているとは、お前なかなかやるな」


 感心した様子でブッタはこちらを見てきた。


 そんな彼に僕は『やっぱりそうか』と呆れる。


 彼の攻撃を受けたのには理由があった。


 初撃で本気を出さないのは彼の特徴なのだ。僕は一年前シリウスの部下で頭角を表している奴がいると聞いて彼を見に行ったことがある。


 その時もブッタは本気を出していなかった。後から聞いた話だがどうやら彼は相手をいたぶるのが好きなのだそうだ。だからシャインスターが相手の時も一般市民を傷つけたりシャインスターの大切にしていたノートや教科書などをぶっ壊したりするのが平常運転らしい。


 実にダークエクスプレスらしい意地汚い性格をしている。


「ふむ」


 まあでも、僕はそういうのが嫌いじゃない。寧ろ、尊敬している。


 それでこそダークエクスプレスの本質だ。それでこそ悪の組織だと思っている。


 だから俺は彼を陰ながら応援していているのだ。頑張ってシャインスターの天敵になってくれよ、と。


 ただ。


「レッスンだ、ブッタ」


「……あ?」


「10秒やる。その間我に攻撃し、かすり傷一つでもつけられたら魔王からの評価アップだ。だが一撃も与えられなかった場合こちらから攻撃をする」


 僕は指を立てながら彼に説明した。


 ブッタは油断しがちだ。そのせいで以前死にかけた。それじゃ世話ないのだ。


「始めよう」

 

 だから、僕は彼に特訓をすることにした。



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