魔国統一編Ⅴ
「な、なんやあの力は…わたしがあん時戦った時とはまるで別物やんけ…」
トリネはつい最近会った時とは比べ物にならない程の力を秘めた空に圧倒されていた
「まさか力を隠してたとか…考えもつかんかったわ…」
「もう手加減はしねぇ、全力で行くぞ」
ドォォン!!
「おぇぇ…!」
マリアは空の速さに追いつけずに攻撃を与えられ、為す術なく吹っ飛ばされた
「まだまだ!!伸びろ!!」
「なっ!?」
空はスキルで腕を伸ばし、飛ばされたマリアの体を無理やり掴み引き寄せ地面に叩きつけた
「エクスプロージョン!!」
叩きつけたマリアの体に手を押し当て空は今自身が出せる最強の炎魔法、エクスプロージョンを直接打ち込んだ
ドォォン!!!
闘技場の床はエクスプロージョンによって亀裂が入り、マリアの胸にはぽっかりと穴が空いた、マリアの心臓は止まり魔力も感じなくなった
「終わりか」
マーラ国の民は自分の国の王の無惨な姿を見て泣き崩れていた、マリアの部下たちも肩を落としていた、だがただ一人まだマリアを見つめていた、まるで勝負はまだ着いていないと言わんばかりの表情だった
「<獣化>!!」
マリアが何かを唱えるとマリアの傷ついた体は嘘のように再生し、マリアの尻尾が1尾から9尾へと増えた、尾が増えたと同時にマリアの体全身に紋様が浮かび出ていた、魔力量もオーラも先程とは桁違いのようだ
「ウチは攫われたあの子らの為にもお前に負ける訳にはいかんのや…!!」
(攫われただと?一体どういう事だ)
空はマリアの口から漏れ出た言葉に疑問を感じながらも再び剣を構えた、異空間から取り出した炎の魔剣は紅く輝いていた
「散れ!舞葉!!」
「ファイヤーブレイク!」
空中全体に発生した葉っぱの形をしたなにかが空を覆い隠すように囲った、葉っぱは空の体を容赦なく切り刻み続けた、空は炎の魔剣に最大限炎魔法を流し込むと一度に放出させた
「ちっ…!!だったら!!縮地!」
一度に放出された炎の魔剣はマリアの方へと向かい灼熱の業火でマリアを燃やし尽くした、マリアはそれを薙刀で全て消し去り縮地を使い空に攻め寄った
「心眼解放、裂閃!!」
マリアの突きの攻撃は大気中の魔力を喰らい続け、空に近づけば近づく程にスピードは上がっていった
外せば終わりの技だが心眼を解放した今のマリアは空の体の動きが良く見えていた、それは次に動く体の動作すら分かるほどだった
「まずい…!!」
空はあまりのスピードの突きに動揺し、対応が遅れた、空にはこの一瞬だがマリアの剣技がアリスにも匹敵する程に思え
ブシュ!!
空はなんとか体を反らせマリアの突きを避けたが、全ては避けきれず片腕を持っていかれた
「油断し過ぎたか、まさか片腕を持っていかれるとはな」
「はぁはぁ…次で終わらせたる…!!」
マリアは少し距離を取り薙刀を回しだした、薙刀はマリアの力と風魔法によりとてつもない程回転しマリアの周りには竜巻ができていた
「スーツ完全解放」
空はあれをまともに受けると死ぬと本能レベルで察し、スーツを完全解放した
「奥義!!森薙ぎ!!!」
「倒し尽くせ!魔王剣!」
マリアは縮地を使い一気に空との距離を詰め、先程まで竜巻を起こす程に回転していた薙刀の回転力全てを使い空に斬りかかった、空は大気中の魔力を吸い尽くせるだけ吸い付くした魔力を全て剣に付与し、その全てをぶつけた、やっている事はただ魔力を込めただけだが威力は絶大だ
ズゥゥゥゥン!!
「そ、そんな…マリア様…」
トリネは空に敗れ地面に倒れたマリアを見て膝から崩れ落ちた
「ウチの負けか…すまんな…助けられんかった」
「さっきから何言ってるんだよ、一体誰を助けれなかったって…」
カァァン!!
「!?誰だ!!」
空はどこからか振ってきた剣を自身の剣で弾き辺りを確認した、だが空が確認するまでもなく禍々しいオーラをみつけた
「俺の名前はブロだ、よぉクソギツネ!久しぶりだなぁ!!会ったのはお前らの王を辱めて殺して、お前の部下を何人か連れ去った時以来かぁ!?」
「くっ…!!お前だけは!!絶対にウチが殺す!!」
マリアはボロボロな体を風魔法を使い無理やり起き上がらせブロと名乗る男に斬りかかった
グサッ
「あんま調子乗んなよクソギツネ」
「うっ…!グハッ…」
マリアの突きを綺麗に交わし、ブロはカウンターでマリアの心臓を刺した、マリアの口からは血が溢れ体は震え出していた
「マリア様ぁ!!!」
「やめろ…お前じゃ…こいつには…」
マリアの小さな声などトリネには聞こえることもなくトリネはブロに襲いかかった
「邪魔だ、しね」
グサッ
「え…?」
「トリネ…!!」
トリネは上半身と下半身を切られ、それを感知する事も出来ず訳も分からず地面に倒れ込んだ
「人間の王様よぉ、ちょっとそこで見ててくれよ、俺達がこの国を貰う所を!!」
突如ゲートから数百の兵士が出てき、マーラの民は無惨にも殺されていった
「あぁ…そんな…ウチの民が…あの方から譲り受けた大切な物が…」
マリアは先程まで空と戦っていた時の気迫が嘘のように今は何も出来ない子供のように泣き崩れている
「んだよつまんねぇな…せっかく痛めつけて少しずつ弱らせようと思ったのによ…確かお前マリアの腹心だよな、ならお前から死ね」
ブロは剣をマリアの首に押し当て首を落とそうとしたその瞬間
ブォォォン!!
「なに!?なんでお前が邪魔するんだよクソが!!」
空はブロの剣を弾きトリネを救った、ブロは空の気迫に圧倒され後ろに下がった
「マリア一ついいか?」
「な、なんだ?」
「お前らはさっき俺に負けたって事でいいんだよな?」
「そ、そうじゃが…それがなんの関係が…」
「ならマーラ国は今から俺のもんだ、自分の国が傷つけられて黙ってる王はいねぇよな」
「なっ…」
マリアは呆気に取られながらも額からは涙がこぼれていた
「マリア、そこで見とけ、お前の王がどれだけの男かをな」
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