武神祭編Ⅰ
「うっ…あれここは?」
「おう、目が覚めたか」
「あれ?なんでスカイ君がここに…」
どうやらアリアは俺と戦った事も何も覚えていないようだ、俺は今日あった事を全て話した
アリアは驚いた顔をしていた
「そんな事が…確かに一瞬はいじめてるのかって思ったけど、スカイ君がいじめるなんて思えないし、それに確かにクレイはボロボロになっていつも寮に帰ってきたけど毎日強くなってた」
驚いた、アリアはクレイが強くなったのを認識していた、確かにクレイは強くなっているがこんなの些細なものだ
「何か心当たりはあるか?」
「んー…なんか記憶にモヤが掛かってる感じでよく覚えてないけど…奇妙な男に出会った気が、?」
恐らくモヤが掛かっているのはあの催眠の効果だろう、サーヤなら何か出来るかもしれない…今度聞いてみよう
「奇妙な男か…まあ催眠なんて馬鹿げたものを使う奴なんて変わったやつに違いは無いが…」
色々気になる事はあるが、考えてもしかたがないので教室に戻りその日は普通に過ごした、その後同じクラスや他のクラスを回ったがアリアと同じ暗いオーラを放つ者はいなかった
「ハァァァ!!」
カァァン!!
「軽い!もっと体の質量を変えろ!!」
俺はクレイに次の修行として自身の体にスキルを付与する事を教えた、これは俺が1番使うやり方だ
単純に攻撃力もスピードも何倍にも上がる、これを使いこなせれば優勝も見えてくる
もちろん問題もある、体の質量を変えすぎたりすると体が虚偽反応を起こし骨が砕ける
「うっ…!」
クレイの骨から砕ける音がなった、どうやら調整をミスったようだ
「大丈夫か?ほら回復薬だ」
「やっぱり今までのようにはいかないなぁ…」
「当たり前だ、教えたその日にこれを使いこなすのはまず無理だろう、俺ですら一日じゃ無理だったんだからな」
「スカイ君はいつもどんなイメージで使ってるの?」
「イメージか…」
<質量操作>で物体を操作する時は意識するが自分の体に使う場合は全く何も考えないでやっている、最初は俺も体が砕けたが使う事によって徐々に慣れていったのでイメージなんてない
「俺はイメージしてないからな…まあそれは自分で考えろ」
「そ、そんなぁ…」
その後俺とクレイの修行は続き3週間が経ち武神祭まで後一日となった、この3週間やれる事はもちろんやったしその成果もあって今のクレイは最初と比べ物にならないほど強くなっている
だが武神祭優勝となると正直そこは分からない、今のクレイはタイロンやアリアを差し置いて学年だと1番強いだろう、しかし武神祭には2、3年生も参加するそこで勝つとなるとそこは賭けだ
そんな事を自室で考えてると扉がノックされた音がした
「どうだ空?なにやら悩んでいたがお前の弟子は明日
大丈夫なのか?」
「文哉か、やれるだけの事はやったんだ、後はあいつがどこまでやれるかだ」
そう、そんな事を俺が考えてもしかたがない、第一戦うのは俺じゃなくクレイだ、なら俺はクレイを信じるだけだ
「そうか、俺の方でも良い生徒が居たら引き抜こうと思う、構わないよな?」
「あぁ、それはお前に任せる」
「それにしても学校か…俺達も異世界に来ていなければ普通に学校生活を送っていたのか…」
文哉はどこか寂しそうな顔をしながら答えた
「そうだな…まあ俺の場合こっちに来なければずっと
負け犬のままだったんだ、悔いはない」
「そうだな、もちろん寂しいのは事実だが今俺達が住んでるのはこの異世界だ、それに1年も暮らせばこっちの方にも情も沸くさ」
その後も久しぶりに色々喋り文哉は帰って行った、文哉はああ言うが俺は帰りたいなんて来た時から微塵も思ってない、なぜなら両親は俺が小学生の時に亡くなってる、その後は育ての親なんて居らず親戚の家から送られてくるお金で一人暮らしをしていた
俺はずっと1人だった、学校でもいじめられて趣味がなかったら生きてるのが辛い程だった、今となってはその趣味が生きてるなんて笑える話だ
「寝るか」
このまま考えていてもネガティブになるだけだ、ならばこのまま大人しく寝る方が身のためだ
「さあ始まりました!!武神祭!!」
セレモニーが始まり観客達は大盛り上がりだ、特別席には文哉達も居た、サーヤとアリスも居るがサーヤは午後から用事があるので抜けないと行けないと言われた、なので午後は本物の俺が特別席で試合を観戦しないといけないのだ
「ではここで騎士団副団長の文哉さんに挨拶をしてもらいます!!」
「学生の皆さん初めまして!文哉です!皆さん全身全霊頑張ってください!!応援しています!」
文哉が挨拶をすると更に盛り上がった、観客席に座っている女の子や女子生徒は文哉にメロメロだ
「では早速ですが!!第一試合初めて行きます!!クレイVSイルヴァー!!」
まさかのクレイは1回戦からの出場だ
「うぅ…緊張する…」
クレイは緊張で体が強ばり、焦りと緊張から汗をかいていた
「安心しろ今のお前は強い、俺が保証する」
これは別にお世辞を言ってる訳でもなくただ事実を言っているだけだ、第一俺は人を褒めるとかが苦手なのだ
クレイは自身ありげに闘技場へと向かっていった、どうやら緊張は解けたようだ
「選手は入場してください!」
「おいおい1回戦が君なんて…こんなの弱い物いじめじゃないか…大人しく降参したまえ」
「確かにあのイルヴァにあの劣等生が勝つなんて…」
どうやらこの男は学園では強いと噂のようだ、観客達はまだ始まってもいないのにクレイが負けると言っている
「では初め!」
「ハァァァ!」
イルヴァは開始と同時に一気に全速力でクレイに襲いかかった、観客達はイルヴァのスピードに驚いていた、クレイも驚いていた
だがクレイが驚いたのは決して早いからではない、その逆の遅すぎるのだ
「遅い…」
クレイは俺との1ヶ月の修行を経た事によってこんな雑魚の速度は遅く見えてしまう程強くなった、今のクレイにはこんな奴相手じゃない
クレイは1歩も動かずイルヴァの攻撃を避け、カウンターで顎に強い一撃を喰らわせた
イルヴァはクレイの拳に反応出来ず何が起こったか分からずただ吹っ飛ばされ気絶した
「しょ、勝者!クレイー!!!」
観客達はクレイの大番狂わせに驚き大盛り上がりだ、それもそのはず、劣等生だと蔑まれていた男が優等生な奴を剣も抜くことなく一撃で倒したんだ、興奮しないはずがない
「次からが勝負だぞクレイ」
あいつと当たった時からクレイの圧勝だと分かっていた、だが次の対戦相手はタイロンだ…多分だがクレイは苦戦を強いられるだろう
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