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ケムクジャーラさんとツルピカーピンさん

 ケムクジャーラさんは毛むくじゃら。体中が毛深い。

 ケムクジャーラさんはいつも悩んでいる。「どうしてこんなに自分は毛深いのだろう」


 ツルピカーピンさんはツルピカ。体中の毛がほぼない。

 ツルピカーピンさんはいつも悩んでいる。「どうしてこんなに自分は毛がないのだろう」


 ケムクジャーラさんは公園にやってきてブランコをこぐ。

 ツルピカーピンさんも公園にやってきて、ケムクジャーラさんの隣でブランコをこぐ。

 2人はしょんぼりしながらブランコをこぐ。


「こんにちは。あなたはツルピカでうらやましい」

「こんにちは。あなたの方こそフサフサでうらやましい」

 2人は羨ましがった。

「あの…毛を少し分けてもらえませんか?」ツルピカーピンさんはケムクジャーラさんにお願いした。

「あなたの方こそ、私の毛を少しもらってくれませんか?」

 2人の利害は一致した。ケムクジャーラさんは自身の毛をツルピカーピンさんに分け与えた。

「どうもありがとう」

「こちらこそ、どうもありがとう」


 ケムクジャーラさんもツルピカーピンさんも、それぞれちょうどよい毛の量になり、幸せそうな表情で家に帰って行きましたとさ。

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