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『CH001:中学校』『プロローグ』
「理想のメイジとは一歩も動かずに敵を制する者のことだ。」
かつて、その言葉は“完璧”の象徴と呼ばれていた。
だが、それはもう過去の話だ。
世界が変わった。
魔法が社会のあらゆる分野に広がり、
“メイジ”はもはや後方支援だけの存在ではなくなった。
今の時代、メイジとは――
詠唱しながら、同時に肉体で戦える者のこと。
体と魔力、技と本能。
そのすべてを一つのリズムに溶け合わせる者。
杖はもう“詠唱の道具”ではない。
今では―“武器”そのものだ。
近接戦闘は詠唱と同じくらい重要。
戦場で立ち止まることは即ち“死”を意味する。
ほんの一秒の詠唱の遅れが、
命とすべてを奪う。
これは、“拳”と“魔法”と“刃”で斬り結ぶメイジたちの時代。
勝者とは、
ただ魔法に秀でた者ではない―
すべてにおいて他を凌駕する“真のメイジ”なのだ。




