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「真の戦い」

 生きるか死ぬかの戦場で何故、僕が悠長にしていられるか。それは、僕の力が起因だ。

 


「君はやはり……」


 だが、この男は別。赤城は”恐怖感”を正面から受け止めて堂々と立っている。手には武器、体には防具を身につけている形跡すらない。恐怖を感じない”サイコパス”。相性が悪い。


 赤城は突拍子もなく、話し始めた。


「君も、色褪せた眼をしていたね……」


 

 確かにその点では君と僕は似ている。昔から僕らはそうだった。一瞬、世界が色彩豊かな世界に変貌したことはあってもそれが継続したことはない。

 

 だが、それも全て”過去”

 今では僕の見ている世界はカラフルだ。

 血を見る時だってそう。以前よりも濃い。

 全ての色が濃くなっている。


「君と……本気でやりあえるから」


「ふっ……そうか。来い”早乙女くん”」


 刹那、赤城の眼光が変わった。

 あの眼、あのタップの速さ、あの表情。

 間違いない。

 彼は、フロー状態に入った。


 僕と彼は瞬く間に購入、そして召喚をする。

 召喚した兵種も十人十色。

 奴らは、いきなりこの世界に召喚されて困惑するだろう。

 だが、僕はそれを制御できる。

 ”僕が君に、圧倒的な実力の差を見せつけてやろう”


「”君は、僕に勝てない。何が何でもだ。僕には視えるんだ。最後の最後に、笑ってられるのは誰なのかが”」


「それは俺、他ならないね。君は感情操作ができるが、オレに恐怖を味わされた。それが実力の差を意味してるだろう?」


「だから何だ? 確かに最後に笑っていられるのは僕だと言った。しかし、誰も恐れないとは言っていない筈だ。僕も人間だ。恐れるものはあるし、怖いと思うことだってある。でも、”僕が負けるところは想像できない。未来は決まっているんだから”」


 僕は4500程のBPで、オーク100体(150BP)、竜騎士1体(3000BP)、魔法使い1体(1000BP)で購入した。

 

 対して赤城はカルキノス3体(3000BP)、キラーアント100体(2000BP)、グール100体(1000BP)、グリフォン1体(2000BP)、アウルベア1体(400BP)、歩兵100人(1200BP)


 東雲は残高6000BPで、ロキの靴(2000BP)、重装歩兵100人(1500BP)、ポプリタイ&ペルスタイ合計200人(2400BP)


「ふふふっ……これで俺のチームと君たちのチームは殆ど同じ人数だね。指揮力の高さが顕著にでるぞ? 早乙女くん」


「しかしお前は、まだBPを隠してるんじゃ無いのか?」


 赤城は笑みを張り付かせて、EWの残高の画面を僕に見せつけた。


「君の視力なら見えるだろ? オレの残高」


 確かにもう残りは少ない。だが、油断は禁物。自分の残高を黄道ら仲間に振り込んだことも考えられるからだ。それか彼は、銀行の役割を果たしているか。


「テメェ……挟み撃ちだぜ? いいのかぁ?」


「君たち凡人が俺の挟み撃ちしようと無関係だ。オレは最強なのだから」


 赤城は三男なのにも関わらず、皇色一族の筆頭「赤城家」の後継だ。そして皇色一族は昔から、歴史に名が残るような士官が続出している。その中でも「1000年に1人の天才」と評される彼は歴史的にも類を見ないほど優秀なのだろう。



「さぁ、来たまえ。オレの部隊を壊滅させてみろ」


 僕と東雲は指揮をとる。本当は僕だけでやりたいのだが、生憎と東雲との距離は遠い。なので指揮権継承ができない。(EWの指揮権継承画面同士を合わせることによって、継承できる)


 東雲も用兵術の基本的な事柄は理解できている筈だ。あぁ見えても成績はそこそこ優秀で、他の能力水準も高め。東雲はハイブリット生徒なのだ。


 東雲はロキの靴を装着して、空を飛んだ。この靴は通称:”空飛ぶ靴”

 一足の靴からは二つの羽が生えている。その羽が鳥のように羽ばたくことによって、空に舞いあがれる。


「ふふふっ……俺も空を飛びたいねぇ〜」


 東雲は空から見下ろし、用兵するようだ。確かにそっちの方が戦況がよくわかるだろう。

 だが、敵にはグリフォンがいる。グリフォンは費用対効果が高いモンスターの1体で、汎用性が高く1人で勝つのは難しい。だから、僕は先に竜騎士を召喚しておいた。



「竜騎士、お前も空を飛んで東雲を援護しろ。”負けは、認めないからな?”」 


「ハッ!!」


 次に僕は神官に命令した。神官は回復役で機動力は遅いが重宝する。希少性の高い神官がサポートするのに、相応しい兵科は何か? それはチートクラスの魔法を放てる、魔法使いだろう。

 

 魔法使いは遠距離型アタッカーで、魔法攻撃は高いが近接戦は極めて弱く、防御力も低い。だから攻撃されるとすぐにあの世行き。そこで神官の永続サポートが必要なわけだ。


「……さぁ、行け!!」


 赤城の声と同時に、赤城の異色隊が進軍。

 歩兵とキラーアントが斜線陣に並んでいた。

 簡単に言えば、陣形を斜めにした陣。つまり左翼(左端)を前に、右翼(右端)を後ろに配置したのだ。


「……な、なんだこりゃ!?」


 赤城は、あの一瞬で陣形を斜めにするように指示した。キラーアントや歩兵は、長年、訓練してきた兵隊たちのような手際の良さを見せている。

 いや、そもそも赤城のことなので前々から仕込んでた可能性もあるな。


「テストゥド!!」


 東雲が召喚した重装歩兵が、密集方陣を敷いた。テストゥドとは亀のような方陣で、攻撃力は低いが防御力はとりわけ高く、戦列の入れ替えなどの柔軟性、持続力がある。


 最前列は前に縦を向けて、すねから胸までを守る。

 左右はそれぞれ外側に盾を向けて左右の攻撃に備える。

 真ん中の兵士は盾を上に上げて、上からの攻撃に備える。


 これでテストゥドの完成だ。まさに”歩く城砦"

 そして充分、接近したところで彼らは槍で敵を攻撃する寸法だろう。


 さらに東雲はポプリタイの整列を指示。ポプリタイはポプロンという防御力の高い盾を持っている。



 東雲はここまで陣形を完成させるためにペルスタイを使って時間稼ぎしていた。ペルスタイとはペルタと言われている三日月型の小さな盾から取られた名前。

 そして、彼らは軽装歩兵の先祖に当たるらしい。武装は3〜4本の投げ槍と剣。いかにも軽装だ。


 ペルスタイは投げ槍を投げたら撤退するため、死傷者数がそれほど多くはない。だからこれから先、重宝するだろう。


 前半戦で赤城の歩兵、トロールVS僕のゴブリン、騎 馬武者、神官の戦いはまだ終わっていない。

 彼らは思ったよりも粘っているので、中々決着がつかない。そして、そろそろお腹が空いてくる頃合いだろう。食糧部隊はどうしているのやら……。



「”オーク、君たちは決して弱くない。第一、君たちは数がいる。陣形を組んで進軍していけば後ろの仲間たちが援護してくれる筈だよ。何も恐れることはない。ただ、真っ直ぐ前に進め”」


 最後に僕のオーク部隊が横陣で進軍。オークは汎用性が高い兵科で、防御力や攻撃力がそこそこ高い割に機動力もそれなりにある。なので横陣に最適だ。


 




 

 


 







 

 

 






 


 

 


 


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