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海鳴の町綴り  作者: あんこ猫
14/16

幕間ーぼくの、とうさんー

じっと、みていた。


おとなの、ほんきのケンカを。

おとこのほこりをかけた、ほんきのケンカを。




ぼくのままは、とてもびじんできれいなまま。

じまんのまま。

ても、あしもながくて、まわりからは「モデル」みたいっていわれてる。


でも、いつもいそがしくて、ぼくは“しまこ”ねえちゃんや“おふく”おばちゃん、“りんご”ねえちゃんたちによくあずけられてる。

ともだちもいるから、まいにちたのしくあそんでる。


あとは、ごはんはおっきなおばちゃんのとこでたべる。

びっくりしたけど、ままは、おっきなおばちゃんのことがだいすきみたいで、よくあたまをなでなでしてもらったり、くしできれいにしてもらったりしてる。

あ!ごはんはおいしいよ!

おとといは、かたいエビ?みたいなのがでてきて、はじめてだったけど、おいしかったなぁ。


ままのおしごとなかま?は、こわいおじちゃんばかりだから、あんまりあったことはないんだ。

こどもには、まだはやいって。

でも、たまに“みすた”おじちゃんや“じゅにあ”にいちゃん、たっちゃんのおじちゃんなんかがこっそりあそんでくれたり、ごはんやおやつをわけてくれるんだけど、ままにはないしょなんだ。


そんな“じゅにあ”のにいちゃんのこえや、おっきいおばちゃんのこえがきこえたから、にかいからしたをみたら


おとなの、ほんきのケンカをみた。


ビックリした。

こわかった。


パンチされて、ボスがとんでいく。

キックされて、ゆかにねっころがる。


けど、なんだろう。


むねにある、わくわく?どきどき?

わかんないけど、みなくちゃいけないケンカなんだとおもった。


じっと、みていた。


おじちゃんたちも、ままも、じっと、みていた。

しずかで、ただ、ままのおしごとのボスだけが、うるさくさけんでいた。


ボスは、パンチをぜんぶかわされて、ぼくのともだちみたいにぎゃーぎゃーさけんでた。

はんたいに、あいてはぜんぜんボスのパンチがあたらなくて、さわっただけでパンチをよけてた。


かっこよかった。


ずっと、みていた。


あんなにつよいのに、ぜんぜんこわくないの。


ふしぎ。


“みすた”おじちゃんがいってたけど、おとこのほこり、をかけたケンカなんだって。


とくべつな、ケンカなのかな?

だから、こわくないのかな?


はじめてみた、とくべつなケンカ。


ぼくにも、わかった。


ケンカがおわったのか、こわいおじちゃんやにいちゃんたちが、あいてのところへいって、わぁわぁよろこんでた。

おっきいおばちゃんや、こわいかおのおじちゃんたちもきて、あいてをほめてた。


ボスが、ちだらけで、ものすごいスピードでにげてった。

おっきいおばちゃんはボスをゆびさして、ゲラゲラわらってた。


なにがおかしいんだろ?


へんなの。


そのまま、じっとしてたら、ままがむかえにきたから、したにおりたら、ぎゅっとしてくれた。

ままは、いいにおいがするし、やわらかくて、あたたかいからすき。

おなかにかおを、すりすりしたら、なんかほっとした。


おっきいおばちゃんのとなりで、ままとごちそうをいっぱいたべた。

おまつりかなんかかな?

いっぱいのごはん、おいしいな。


ぼくは、ごちそうをたべながら、ボスにかったあいてのはなしをいっぱいした。


なんでか、ままは、しんけんなかおをしたから、ぼくは「どうしたの?」ってきいてみたんだ。


ーあのおじちゃんね、アンタのとうさんなのよ?

でもね、まだナイショにしててね。



ぼくの、とうさん?


うまれてから、はじめて、みた。


いままで、とおくにいて、あえなかったんだって。

なんか、びっくりと、ホントに?がむねにあってぐるぐるしてる。


でも、うれしいな。

あんなに、つよいとうさん。


ふふふ。


かおが、ニコニコする。


はずかしくなって、ゆかをゴロゴロしたくなっちゃう。



ごはんもおわって、おじちゃんたちがいなくなってから、とうさんがままとぼくのとこへきた。


ままは、しんけんなかおになって、とうさんとおはなしをしているのを、ぼくは、とうさんをみあげながらきいていた。


とうさんは、すこしおどろいてたけど、ぼくをみると


ーそっか。オレの子か。…今まで帰ってこれなくて悪かったな。許してくれるか?


っていったから、ぼくは


ーうん!ぼくのとうさんは、つよくて、かっこいいとうさんだから、ゆるしてあげる。


っておへんじした。


とうさんは、へにゃりとわらって、じぶんのおでことぼくのおでこをかるく、コツンとした。


むねが、ほわほわして、どきどきして、なんかうれしい。

とうさんのむねに、だきついた。

とうさんは、それからままにもおでこをコツン、としてた。

まま、なんだかうれしそう。


ままとはちがって、むねはかたいし、匂いもへんだけど。

ひろくて、あったかい。



つよくて、かっこいい、ぼくの、とうさん。





おかえり。

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