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彼の友人は彼女の敵  作者: 石月 ひさか
疑心暗鬼
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5

「なんか、変だな」


着替えを持って浴室へ消えた深雪を見送り、公一はぽつりと呟いた。


深雪は昔から嘘が下手だ。


感情がすぐに顔に出る。


最近も口には出さないが、何か不満を抱いているのは気付いていた。


その為、ここ何日も必ず土産を買って帰っているし、この前は奮発して指輪もプレゼントした。


だが、なかなか機嫌が治る気配がない。


「プレゼントすれば機嫌治るんじゃなかったのかよ?」


アドバイスをしてくれたのは新道だった。


女は男と違い、不満を蓄積させて爆発する。


そうなったら終わりだから、気付いたらプレゼントをして機嫌をとった方が良いと言っていた。


現に新道も、最近子供が生まれ、嫁の不満が溜まりまくっているのに気付いたらしい。


仕事帰りは必ず土産を買い、家事を代わり、休みの日は嫁に1人きりの時間を与える様にした所、泣いて喜ばれたと体験談を語っていた。


うちには子供はいない。


家事は気付いたら代わる様にはしているが、中々難しい。


1人きりの時間に関しては、逆に1人で退屈だと言われている為、必要なものではないだろう。


「もしかして、子供……?」


そういえばここ何週間かは、中々タイミングがなくてスキンシップをしていない。


もしかしたらそれに不満を抱いているのか、もしくは子供が欲しいと思っているのだろうか。


だが深雪に限って、スキンシップがないからという理由で怒るとは思えない。そこまで性欲は強くない筈だ。


子供に関しても、欲しいという様な言葉を聞いた事もない。


特に避妊をしているわけでもないが、これもタイミングによるだろうが、できないのだ。


「わざわざ検査をしに行くのもな……」


正直いうと、そこまで欲しいと思っているわけでもない。


しかし、もしこれが理由ならば、一度深雪とはきちんと話し合わなければならないだろう。


洗い物を終え、ソファに座る。


その時ガサリと紙を踏んだような音がし、隙間に手を入れる。


「雑誌?なんでこんな場所に」


見た所、ただの女性ファッション誌のようだ。


何故こんな場所に隠す様に置かれているのかと思い、パラパラとページをめくる。


しかしあるページにたどり着いた時、謎が解けた。


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