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彼の友人は彼女の敵  作者: 石月 ひさか
最初の友達
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9

<瑞穂side>


深雪の旦那は社長。


話では聞いて知っていたが、職場での2人の印象が強すぎた為か、瑞樹はうっかり忘れていた。


旦那の話を聞く度に、きっと穏やかなイケメンなんだろうなんて勝手な想像をしていた。


だが彼女の旦那は、社内の人間は誰しも恐れている、近藤社長その人だというのを、ついさっき思い出したばかりだった。


「公一が帰って来たんです!」


深雪に切羽詰まった表情で言われ、わずかに疑問を抱いた。


確かに友達の旦那に会いたいかと言われればそうでもない。


だが『公一』という名前を聞いて、徐々に瑞穂の頭には近藤社長の姿が浮かんできた。


瑞穂は事もあろうか、鬼社長の縄張りに入り込んでいたのだ。


深雪に寝室へ隠れる様に言われ、慌てて飛び込む。


寝室はどんな感じだろうと気にはなっていたが、さすがにプライベート空間に入り込むつもりはなかった。


それがこんな形で足を踏み入れることになるなんて。


寝室は、先程深雪が言っていた通り、13畳程だろうか。


瑞穂の住むワンルームと同じくらいだ。


真ん中には大きなダブルベット。


壁側はサイドボードとクローゼット、そしてドレッサー。


サイドボードの上には、幸せそうに写る夫婦の写真がいくつかあった。


海かどこかだろうか。


深雪を抱き寄せ、笑顔を浮かべているのは、紛れもない近藤社長だ。


だが瑞穂の職場の人間は、こんな笑みを浮かべた近藤社長を見た事がない。


あまりにレアなものを見てしまい、リビングから聞こえるやりとりも、あまり耳に入っていなかった。


ふと、海の写真の横に古そうな写真を見つけた。


恐らく若い時なのだろう。


生意気そうな笑みを浮かべているのは、勿論近藤社長。


だけどその横にいるのは──。

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