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異国の空に想う  作者: 細井雪
故郷編
1/14

プロローグ







 ――サエ。

 ――あなたは必ず幸せになるのよ。


 母は亡くなる時まで私にそう言い続けた。




***




 それなのに……。


 どうして、こんなことになってしまったのだろう。


 長い長い水平線を見つめながら思う。



「サエ」


 私の名前を呼ぶ、少し癖のある異国の発音。

 潮風を受けながら振り返った。


 光り輝く金色の髪。

 透き通るような薄水色の瞳。


 私たちと違う遠い異国の風貌。

 静かに手が差し出された。

 その手をじっと見つめる。


 母の声が頭の中に響いた。

 けれど、何度も返す波の音に打ち消される。


 ゆっくりとその手を取った。




 もう、後戻りはできない――……。







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