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ボス部屋にやってきた俺たちだがまだボスは動き出さない。ある程度近付けば動くってことかねぇ。
ボスは虹色のスライムだ。ただしかなり巨大だし多分めっちゃ防御性能高いんだろうなと当たりをつけてみる。
「ぜああああああっっ!!」
レオンハルトが突っ込んでいく。これ、考えなしではなくて一番ステータスが高い自分が突っ込んで敵の防御性能を確かめてくれたのだ。
「だめですにゃ。全くもって通用してないですにゃぁ」
「うーん、物理無効ってところかね?みんな下がってて。俺がやるよ」
「アダンさんではなくその従魔ですけどにゃぁ」
『従魔召喚:シルフ』
『従魔召喚:サラマンダー』
『従魔召喚:ウンディーネ』
『従魔召喚:ノーム』
『従魔召喚:ドリアード』
「主の名において真の姿を解放せよ」
【完全体解放】
手の平サイズだった妖精たちはそれぞれ体格差はあるものの人間サイズに変化していた。この姿になったあいつらはまじで強い。どんくらいって1人1レオンハルトくらいなんとかなるレベル。
「むむっ、今よくわかんない単位にされたような気配がしましたにゃっ!」
「なんだぁ?その妙に具体的な気配は」
「あ、それあってるわ。脳内であいつらの強さ例えるのに使った」
あ、なんとかなるって言っても手段選ばず死ぬ気で特攻した場合であってレオンハルトが弱いわけではない。ほんと自爆覚悟の超近距離攻撃とかも場合によってはありえるしな。
「一応召喚しとくか」
『従魔召喚:フェニックス』
これで回復もばっちり。まぁあいつらじゃなくて俺たちの回復をしてもらうことになりそうだが。あいつらに攻撃当てるとか至難の業だぜ。
【ボルケーノ】
辺りは炎に包まれる。
【コキュートス】
ゲル状の体は凍り付く。
【エアロキャノン】
荒々しい空気の大砲によって凍り付いたスライムの体が砕け散る。
この時点でスライムの体は融け再生する。
【マッドロック】
ドロドロとした泥でスライムの体を拘束する。こりゃ攻撃すらさせないな。
【ウッドハンマー】
木のハンマーで殴る。・・・うん?これは物理じゃないのかな?ま、魔力でできてるんだし魔法でいいのか?効いてるし。
【インフェルノ】
地獄の業火がスライムを焼き尽くす。
【フリージングビーム】
今度は内側から凍らせる。まぁビームで貫けるスライム相手だから・・・だいたいの敵は貫けるか。
【リーフストーム】
葉っぱの乱舞で切り刻む。今なら物理攻撃効きそうだよなぁ。
【アースシェイク】
地面の振動で凍ったスライムは粉々になる。〆はあれがくるかな?
【ゴッドブレス】
シルフの最強魔法。風魔法の最上位である風化攻撃だ。攻撃範囲も半端じゃないからなかなか避けられない。もちろん避けられる状態でもないが。粉々だったスライムは完全に消滅した・・・のか?2回ずつの攻撃でもう終わってしまったんだけど。こんなんがレイドボスでいいのかよ、まったく。
「さ、次いこう次」
ちなみにこのスライムの報酬はなんかゼリーだった。スライムと同じく虹色。ニジイロスライムのゼリーって出てるし肉だったりするんだろうか。食材のようなんだがあのスライムの肉片だと思うとなぁ。ってかあいつまじでやられるために出てきたんじゃないか。結局一切攻撃せずに死んだしなぁ。次はもうちょい骨があるやつが出ると嬉しい。
「それにしてもアダンさんのあれは尋常じゃない強さなのですにゃ。あそこまで精霊を育ててる人を見たことはあるのですがアダンさんのほど強くはなかったのですにゃ」
「まぁカンストだしなぁ。色々としたから変なスキルもいっぱい持ってるし」
「まさか普通の精霊があそこまで強くなるとは思ってなかったわ」
「あぁ、あの強さは異質だな。俺らとか一撃で殺られるぞ。多分痛みとか感じる余裕もねーな」
なんか無駄に恐れられることになったな、俺。