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 アキレウスで縦横無尽に飛び回り次々と他の候補を倒していく。ゲーム時代から思ってたけどこれなんてシューティングゲームよ。一応コマンドとか使って戦うゲームだったはずなんだけどアキレウスだけは連射連射連射で戦うからな。他にも連射する武器はあるけどアキレウスだけは本当に格が違いすぎる。とか考えてたら後ろから攻撃がきていたようだ。


空蝉を使っていたから回避することはできたが・・・ロベルトさんかよ。


「・・・いざ」


前見た時よりも速いな。ユイットエールからの出場者が多い方が俺へのプレッシャーが減る気がするから戦いたくないんだけど。仮想バイザー越しにロベルトさんを見据える。


そしてそのまま高速でバック!他の参加者を盾にしてなんとしてもロベルトさんとは戦わないようにする。


ロベルトさん、速いよ。アキレウスの最高速出してるってのに着いてきてるし。黒いオーラ・・・強化系のアーツかね。


空中に逃げて上から他の参加者を撃ち続ける。攻撃魔法の標的になるが回避し続ける。上から見てるとラインヘルさんとマリィさんもいるようだな。そこは外して攻撃をする。


「ピピィー!!!」


笛のような大きな音が試合終了を告げる。ふぅ、まさかロベルトさんがあそこまで速くなってるとはなぁ。


ああ・・・本選は苦労しそうだ。


予選が終わって1時間後に本選の1回戦が執り行われる。本選の出場者はまず戦闘スタイルについてある程度紙に書いて係員に渡さなければいけないようだ。理由は名が売れている人と売れてない人で不公平がないようにだそうだ。たしかに有名人だと戦闘スタイルが知れていて若干不利になるかもしれないな。


これに書いた内容は試合前に公開されるので一応対策を立てることも可能だ。とりあえず宿に戻ってみるか。



「レオンハルトー、そっちはどうだった?」


「今のところは何もなかったですにゃ」


「そっか。まぁでも警戒は怠らないでくれよ?」


「もちろんですにゃぁ。アダンさんの方はどうでしたか?」


「ラインヘルさんたち3人も出てて全員本選出場決定だ。これで俺へのプレッシャーが減ると思うとせいせいするな」


「本命がアダンさんであることに変わりはないのですにゃ」


「そうかもしれんがなぁ。ロベルトさんはアキレウスに着いてこれるくらいには速くなってたし油断は禁物だ。それにハデスもいることだしな」


ハデスは俺と同じ召喚術師だがアンデッド系のモンスターのみを好んで使役する。あいつ曰く「不死の魔物どもの命を失いつつそれでいてどんな生物より生命力溢るるあの姿は私の望んでいたそれだ」とのこと。


自分では死霊術師を名乗っているし周りもその呼び方で安定している。二つ名はまた別にあるんだけどなー、あはは。


「ハデスさんも強くなってるらしいですからにゃ。気を引き締めなければなりませんにゃ」


コンコンと部屋をノックする音が聞こえる。


「どうぞにゃー」


「・・・こんばんは。アダンさん試合どうでしたか?」


「本選出場だよ。そっちは不便なこととかない?欲しい物とかあればまだ時間あるから買ってくるけど」


「いえ、大丈夫ですが・・・次に襲撃してくる者の想像がつくのでぜひお話ししておこうかと」


「頼むよ」

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