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冒険者ギルドに来た。ビクッ!なんかいかつい系のおっさんに睨まれた。こっちにくる。怖い、多分俺の方が強いんだけど。
「よぅ、ここはてめぇみたいなガキが来るような場所じゃねぇんだ」
俺の容姿について話してなかった。赤の髪の毛に白いシャツとブラウンのズボン、身長は160くらい。そう、ガキだ。町中だからって普段着にしてたのが悪かったか。ローブ姿ならもうちょい威厳とかあったんだけどなぁ。
「いや、受付の人に用があるんでどいてもらえません?」
わくわくしてきた。格下相手に無双するのもどうかと思うが・・・
おっさん、剣を抜いた。そして柄で俺を殴ろうとする。あ、そこはちゃんと考えてるんですね。
【影踏】
本体である俺を狙ってくるやつ対策にとった忍術スキルで回避する。すっと腕を回しおっさんの首に手を当てる。
「どうします?まだ続けますか?ちなみに俺は術師ですよ」
おっさんは見るからに前衛だ。自分で言うのもなんだが体術で上を行く術師が魔法を使えばどうなるのか想像したのか真っ青になっている。
「失礼しましたぁぁぁぁぁぁああぁぁ!!!!」
「えーっと、冒険者ギルドに登録しにきたんですが」
受付の人に話しかける。まさかあんなテンプレがいるなんてな。結局かかってこないってのがテンプレになりつつあるというのに・・・。
「ギルドカードを作りますのでお名前を教えてもらえますか?」
茶髪のボブがかわいい女の子だ。17くらいかな?
「アダンと言います」
「アダンさんですね。最初はGランクからのスタートとなります。頑張ってランクを上げてくださいねっ」
めっちゃ明るい表情で言われた。これは頑張るしかないでしょう。
「はい、頑張ります」
ギルド登録も済み集合場所へ向かうと皆すでにいた。
「お待たせしました~」
「いえ、私も今来たところなので」
「ああ、こいつはまじで今来たところだぜ。俺らは適当に武器とか防具見てまわってすぐ戻ってきたけど。あと宿とっておいた」
「あ・・・、俺の旧友がここに来るって言ってるんですが大丈夫でしょうか」
「うーん、大丈夫じゃないかな?私は夕食が気になるな」
「飯がうまい宿をとってきたから大丈夫だ。楽しみにしてな」
「じゃあとりあえず宿に行こうか。荷物置きたいし」
「そうですね」
宿は確かに良さそうな感じだった。ベッドもふかふかだし何より風呂が付いていた。異世界だし風呂は諦めていたんだが・・・。
ちょっとミカエルに聞いてみるか。
「なぁ、ここって風呂があるのは普通なのか?」
『普通の民家にはまだあんまりないけど宿にはずいぶん普及してきてるねー。ってか今どこにいるんだい?僕はもう広場についてるんだけど』
「あー、それは悪かったな。迎えに行く」
『早く早くー』
「駄々っ子か」
久しぶりに見たミカエルの顔はイメージ通りででもなんか懐かしい。
「やぁ、アダン。元気かい?」
「ああ、おかげさまでな。宿まで案内するよ。部屋の空きはあるらしいし泊まっていけば?」
「んー、僕は君と同じ部屋がいいな。色々と話すことあるしね」
「じゃ、部屋を変えてもらうか。代金はお前持ちで」
冗談を言いつつ俺たちは宿へ向かった。




