23
「ねぇアダン、闘技大会に出場して欲しいんだけど」
闘技大会?この国で開くんだろうか。
「いつだ?」
「来月だよ。それまで君には修行してもらいたいんだけど」
「修行?闘技大会にそんなにガチになる必要性ってあんの?」
「リモーア王国で開かれるんだよねぇ。だから君に実力を見せつけてほしいんだけど・・・はっきり言うと君じゃ上位入賞はできても確実に優勝できる強さじゃないんだ。だから優勝確実なレベルになってほしいなぁと」
「この世界の人間は俺たちプレイヤーほど強くないって話じゃなかったか?」
「まぁステータスはね。一般の冒険者は微妙なのが多いけど国のお抱えとかだと厄介な能力を持っている場合があるんだよ。君も知っている結界とかね~。他の空間から何かを持ってくることを禁じる空間を創るとか君の天敵じゃん?それに対抗するために修行してほしいなって思ってるんだよ」
「おいおい、俺はカンストしてるんだけど?」
「スキルやアーツの開発が僕たちの強化をする方法の1つだね。そしてこれが最も効果的だ。時間はかかるんだけど既存のスキルを元に改造って形ならそこそこ楽だよ。僕のはぐれ者だって改造済みだ」
「ふぅん、どんな風になるわけだ?改造って言われても具体例がないとイメージが難しい」
「僕のはぐれ者は1人で戦っている間に自己強化をするという効果を発揮するというものだった。それが『1人の時に効果を発揮する』という部分を『効果が発揮されている間1人で在る』に変わり効果時間中にあらゆる存在を退けるアーツに、戦っている間の自己強化はオンオフが可能になってしかもパーティーを組んでても効果はあるし、なおかつオフしてた時間の分の効果を上乗せできるようになった。まぁ自己強化のアーツになったっていう言い方でいいかな。つまりね、1つのスキルから圧倒的な力を持つ2つのアーツを作り出したんだよ」
「2個目も十分驚異的ではあるけど問題は1個目だな。あらゆる存在を退けるって攻撃無効ってことだよな。もはやチートだろう」
「5分が限界だな。空気とか地面とかもろもろは弾かないようにしているんだけどね。そういうのまで弾いてたら死んじゃうから」
「まぁつまり俺にそういう頓知みたいなことをしろってことね」
「これは頓知じゃないんだけどねぇ」
「頓知だろ。『1人の時に効果がある』を『効果があれば1人で在れる』に変えるなんて完全に別物になってるしさ」
「ちなみに僕は1個目を絶界の孤高、2個目をロンリーソウルと名付けたよ」
「うん、それはどうでもいいんだけどさ、レオンハルトもその闘技大会でるわけ?」
「そうしてもらおうかなと思ってるよ。まぁ彼と君なら君の方が圧倒的に強いとは思うんだけどね」
「まぁ・・・その気になれば攻撃の隙すら与えずに勝てるけども」
「そんな君もついに成長を遂げる時が来たってことさ。新技開発頑張りな」
と、言われてもなぁ・・・。ま、頑張るか。




