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どうやらソフィアが目覚めたようだ。
「ごめん、アダン。それであいつは?」
「ほら、そこに。始末しておいた」
「これは・・・相当怒ってたんだね。私のことでこんなに怒ってくれるなんて嬉しいよ」
よくわからないが俺のこういう面を見せる度に好感度が上がるんだよな。普通はこんなに残忍な面を見たら避けそうなもんだが。
「そうか?俺は人間をこんな風に殺せるやついたら気持ち悪いって思うんだが」
「そうかな?アダンは私のために怒ってくれたんでしょ?だったら嬉しいわ」
「変わってるな、お前は。これの前にも相当いたぶってたんだけどな」
「うーん、そういうのしてるアダン見るとちょっと辛そうだなって思うから、誰かのためじゃなくて自分のために戦って欲しいかなって、思ったり」
「よく考えとくよ。ところでお前があんなのにやられるなんてどうしたんだ?」
「あの剣と結界にmp吸収効果があったのよ。それでじり貧になってから負けたっていうか」
「なるほどね。エリクサーはなくともmpポーションは持ってたろ?」
「使おうとしても瓶を壊されるから」
俺がやったのと一緒だな。あんなのと一緒とかなんか嫌だな。
「なるほど。ところでミカエルたちは大丈夫かね?俺は結構苦戦したし2人とも結構厳しい戦いになってるかもな」
「そうね。私なんか全然歯が立たなかったしね。助けに行った方がいいかしら」
「そうだなぁ。本来の目的は素材の採取だしできれば行きたくないんだよな。あいつらは多分勝つだろうし」
「まぁ、そうね。レオンハルトだってかなり強いしミカエルは邪魔にしかならないし」
ということで素材の採取をすることにした。火力があるあいつらならソフィアと違ってじり貧になって負けるなんてこともないはずだ。そもそもあいつらはhpもmpも簡単に回復する手段を持ってたはずだしな。
「まずはお前がやる予定だったエリアの採取から開始しよう。感知スキルがあれば簡単にどこに何があるか分かるからパッと終わるよ」
有言実行で素材の場所を言い当て、ちゃっちゃと採取を終了する。俺とソフィアのエリアだけでもかなりの素材を集めることができた。具体的に言うと上級ポーション100個分くらいだ。世界樹の園全体だとおそらく250個くらいは作れるだろう。あ、もちろんリアルになってるから生態系とか破壊しないように注意している。ゲームだった頃は世界樹の園全体で75個くらいが限界だったんだけどそこらへんの草をむしりまくってたらこんなに・・・。
多分ゲームの素材の採取ポイントってごく一部を表示してあるだけで実際はもっとあるんだよな。リアルになっただけでこうも採れるもんなのか。
『やぁ、君は無事かい?』
「あぁ、無事だよー。ついでにソフィアも」
『レオンハルトにはもう連絡取ったけど敵もなかなか強いようだね。僕たちの研究をよくしているというかねぇ。少々めんどくさかった』
「俺は召喚封じられて厄介だったよ。あれさえなきゃそこらへんに溢れてるような術師だったとは思うんだけどな」
『こっちはがっつり鎧着た大男が相手でね。攻撃力高いわ見た目によらず俊敏だわ硬いわでもーさんざん』
「やりにくい相手が送られてんのな。ソフィアは攻撃テンポが速くて攻撃の度にmp削る相手だった上に戦ってる場所にmpを吸収する結界張られてたみたいでさ。俺が気まぐれで助けに行かなきゃ死んでたな」
『それで君が大暴れしたということだね。また無駄にいたぶったんでしょ?ポーションとかまで使ってさ』
「そこまでバレるか。で、採取は終わってんの?」
『終わってるし帰れるよ』
「じゃ飛んでていいよ。ちゃっちゃと追うから」
『OK』
ミカエルを乗せた白い飛竜が飛び上がる。それを追うようにレオンハルトを乗せた青い飛竜も飛ぶ。
それを追いかけ俺の乗ったグリフォンとソフィアの操る金の飛竜も連なって飛んでいく。
空は、気持ちがいいな。




