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 さて、さっきのバトルの種明かしをしよう。俺が持っていたクナイは10本だ。最初の参の型で3本、次の漆の型で5本、弐の型で1本、最後にポーションを弾いたので1本使った。つまりそこですべてのクナイを使い切っていたのだ。


では、最後に投げた物は何か。答えはフラワーボアの花から作り上げたアイテムだ。ちなみに火に触れると爆発するっていう難儀な性質を持っている。ちなみに俺は固形にしていたが液体のままだとちょっとした振動でも爆発するという難儀どころじゃない性質を持つ。それに火の玉をぶつけたら当然ドカン、だ。


水で防がれる可能性は考えてなかった。なぜならあいつは火の魔法を発動するのは一瞬だが水の魔法は若干間が空くんだ。だから死にそうな状態で攻撃を防ごうとしたら火を使うだろうと思った。そしてそれが正解だったというだけだ。まぁ万が一火以外で防がれてたら相打ち覚悟で着火する方法もあったんだが、できればやりたくはなかったな。


かなり接近しなきゃいけない手だったから本当に命懸けだ。うーん、この状況で誰を助けに行くのが正しいんだろうか。まずミカエル、ないな。確実に邪魔になるだけだから。レオンハルトも・・・あいつもいいんじゃないかな。一々考えなくてもソフィアを助けるべきだったな。火力職じゃないソフィアが一番長引くだろうしまだ戦闘が続いている可能性が高い。


まず目の前に高く聳え立っている問題から片付けよう。どうやって戻るん俺?従魔召喚もできないし・・・いや、術師がいなくなったからできるか?試しにインベントリからポーションを取り出してみた。どうやらもうさっきの厄介な空間ではなくなっているようだ。


『技能召喚:フライ』


召喚魔法の魔方陣に蓄積された従魔の戦闘記録からアーツの使い方を使用者に送信して召喚術師が従魔の力を使えるようにするアーツ、それが技能召喚だ。さっきの戦闘ではこれも使うことはできなかった。戦闘記録とやらが従魔のいる側に蓄積されてるんだろう。


ふわりと飛び上がり穴を目指す。地表に戻った俺は感知スキルを使用する。感知スキルは敵や障害物、トラップの位置を感知することができるスキルでレベルを上げていけばミニマップみたいな使い方ができる。俺は最高レベルの10まで上げていて1エリアのマップとして使うことができるほどだ。感知できる範囲には個人差があるらしい。


ソフィアとついでにミカエルとレオンハルトの位置も確認する。よりによってソフィアが一番離れた位置にいる。


『従魔召喚:フェンリル』


フェンリルを最高速で駆けさせる。風の抵抗も強くてしっかり掴まっていないと吹き飛ばされそうだ。風の影響をできるだけ受けないように身を屈めてフェンリルの体にしがみつく。


待っていろよ、ソフィア。

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