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 森を抜けると砂漠が広がっていた。あー、クーバンの町周辺かな。砂漠と森の組み合わせでなおかつ森にはワイバーンというとクーバンの町周辺しかないだろう。


「さぁ、着いたぞ!ここがクーバンの町だ」


「ガラス細工とか有名なのよねー。楽しみだわ」


クーバンの町にそんな設定があったなんてなぁ。クーバンの町は白い石を基調とした建築物が並んだ町並みをしている。


「うーん、地図とか売ってるかなぁ。ちょっと事情があって今持ってないんだよな」


「なんだ?まさかアダンさん女にくすねられたとか?」


「まさか~、アダンさんに限ってそんなことはないでしょ」


俺の何を知っていると言うんだ・・・助けただけでかなり信用されたもんだな。


「そういやアダンさんってランクはいくつなんだ?」


「ランク?」


「冒険者ギルドのランクだよ。俺はこれでもCなんだ」


俺がいた時はサブ職業のギルドがあっただけなんだが・・・アプデでもきたんだろうか。


「俺はまだ入ってないんだよ」


「えっ!?てっきりAランクくらいかと思ったのに」


「・・・ここにもギルドの支部がある。登録していくといい」


うーん、冒険者ギルドかぁ。なんか見知った世界ではあるんだけど異世界に来た感あるな。


「じゃあ自由行動にして2時間後にここに集合ってことにするか」


俺たちは町に入ってすぐのところにいた。


「そうだね。それじゃ、2時間後ね~」


ピピピと電子音がする。この音は・・・チャットか。かけてきているのはかつて同じクラン、プレイヤー同士で組む集団に属していたミカエルというやつだった。


「よぉ、久しぶり」


『やっとログインしたんだね~、アダン』


「うん、ところで聞きたいんだけど俺がいない間にアプデでもあったの?冒険者ギルドとか聞いたことがないんだけど」


『アプデじゃないんだな~、これが。実はなんとなんと、君がインしてたころから300年くらい進んでるらしいんだよね。僕がインしてからは100年ほどかな』


「で、その間に冒険者ギルドができたと」


『そゆこと。ってか早速で悪いんだけど頼み事していいかなー』


「うーん、まぁいいけど」


『じゃあそっち行くよ。少々込み合った話でねー。直接の方がいいと思うんだ』


「来るってなぁ・・・あ、飛竜があったか」


飛竜はある程度ストーリーを進めると入手できた移動手段だ。


『そうそう、だからどこにいるのか教えてくれるかな~』


「クーバンの町だけど」


『りょーかい。着くまでの間に君に色々とこの世界について教えてあげるよ』


曰く、プレイヤーの約半数程度しかログインしておらず今の世界ではプレイヤー以外の冒険者の数が圧倒的に多い。プレイヤーと比べると遥かにそれ以外に冒険者のレベルは低くあまりモンスターの討伐などはできていないらしい。ラインヘルたちはおそらくプレイヤー以外、になるのだろう。


物資も不足しており俺のような薬師がログインしてくれると助かるとのこと。また、かつてのプレイヤーたちで王国を作り統治をしているとのことだ。それ以外にもゲーム時代からの国は存在しているそうだ。


マップ機能は使えなくなってしまったために地図を使うしかないとのこと。だが、俺には裏技がある。従魔の中には行き先を指定すれば連れて行ってくれるものもいるはずだ。


さて、とりあえず冒険者ギルド行くか。

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