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 再び俺たちはボス部屋へとやってきていた。道中の敵はさきほどと同じ植物のモンスターとあとやたら硬い蛇だった。あれと普通に戦ってたラインヘルさんたちって実はかなり強いんじゃないだろうか。まぁレオンハルトの料理でブーストはされているんだけど。


今ふと思ったけどら行で始まる人多いな、このパーティー。


「今度は何がくるんだろうな・・・」


「物理無効だけはやめてほしいですにゃ。またアダンさん任せになっちゃいますにゃん」


「そうですね~。弓が活躍できるといいです」


「んじゃ、行こうか」


そう言って扉を開く。うっげぇ、これはめんどそうだな。バトルフィールドを全部埋め尽くすほどの歩行する植物のモンスターの群れ。食虫植物をイメージしているんだろうか鋭い牙をもっている。


わっさわっさとこっちに向かってくる。多分個々は弱いけどヒーラー不在でこれはやばい。


『従魔召喚:フェニックス』


『従魔召喚:ペガサス』


ヒーラー2体を召喚する。


【ヒートスラッシュ】


赤熱した剣で敵を焼き斬るのはレオンハルトだ。ひょいひょいと移動しながら一撃でしとめていく。


【死閃】


紅い剣閃を放つのはラインヘルさん。一気に10体くらい倒している。


【アローレイン】


山なりに大量の矢を放ち敵を貫くのはマリィさん。一発たりとも外してないところがただ者ではないと思わせる。


「・・・」


ひたすら無言で敵を斬るのはロベルトさん。目が爛々としてるのがちょっと怖い。


俺もなんかしなきゃなー。あー、あれやるか。


【武具召喚:吸血爪牙】


真っ赤な鉤爪を召喚する。敵に与えたダメージに応じて攻撃範囲が広がっていく性質を持った特殊な武器だ。はっきり言って使いにくいことこの上ない。なぜってそりゃあイメージと実際の攻撃範囲が大きく食い違っているからだ。なんか気持ち悪くて使ってなかったのだがこういう時にはこれしかなかろう。


最初のうちは1体ずつしか攻撃できないがどんどん範囲が広がっていく。これ爪の長さが延長されているような攻撃範囲の広がり方だから横に薙いで攻撃しなければいけない。


【死突】


紅い刺突だ。これはラインヘルさんの攻撃。刺すってよりは空気を抉るような感じかな?触れてない敵まで吹き飛ばされている。


【ストライクアロー】


矢が敵を軽々と貫通し後ろのまで貫きさらに後ろのも・・・ってどんな攻撃力してんだよ!


「・・・」


低めの姿勢からなんかこう、ぐわーっと前に進みながら大きく腕を振ってそこらじゅうの敵を真っ二つにしている。なにあれ、どうなってんだろ。スキルなんだろうけどさ。


【ソードサンダー】


ついに剣で攻撃すること放棄して魔法を使い出した。お前剣使った範囲攻撃も持っていただろう。


【ブレードダンス】


魔力でできた剣がそこらの敵を斬りまくる。まるで心の声が聞こえたかのように剣を使いやがったぞ。まぁ魔法なんだけどな。


「おい!敵が全然減ってないぞ!!」


前にいる敵をズタズタに裂きながら叫ぶ。一切敵が減ってない。むしろ増えてきてる。増殖しているのか?


「これはかなりやばいですにゃー。はしゃぎすぎてmpがもう残り少ないですにゃ」


お前はもうちょい効率的に動け。いや、多分かなり倒してるけど分からないだけか。


「正直もう疲れてきちまった!これが長引くようならやべぇ!!」


「・・・ふぅ」


ロベルトさんも疲れてんだな。俺も・・・きつい。


『従魔召喚:炎龍イフリート』


「あ、あれはアダンさんの従魔の中でもトップクラスの攻撃範囲を誇るイフリートですにゃ!皆さん下がってないと巻き込まれますにゃ!」


「まったく、レオンハルトはひどいなぁ。お前はちゃんと考えてブレス吐いてくれるよな」


「まったくもってその通りです。マスター」


【イフリートブレス】


4分の1くらい焼き払うことができた。やっぱ強いなー。


「あ、あれはっ!分裂してやがる!!」


分裂を繰り返していたのが減っていないと感じた原因らしい。イフリートが一気に焼き払ってくれたおかげでやっと分裂している現場が見れたというわけだ。


「ふーむ、どうしたものですかにゃぁ」

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