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 俺は今の状況をやっと飲み込むことができたところだった。なんたって今俺がいるのはゲームの世界の中なんだから。そうは言っても少し状況は変わっているらしいがそれでも見知ったスタープレイオンラインの世界に俺はいるのだった。


始まりはそう、最近仕事も落ちついてきたし1年ほどログインしていなかったスタープレイオンラインをやってみるかと思ったことだった。ログインした瞬間、俺は森の湖のほとりにいた。


俺が前回ログアウトしたのは町の中だった。とりあえず現状確認のために俺は木を触ったり、地面に寝そべったり、湖の水を飲んだりしていた。確か俺の記憶がただしければ草木の匂いなんて再現されてなかったはずだし地面に若干の湿り気があったりなんてこともなかったはずだ。いつのまにVRはここまで進化したんだろうか。


メニューの存在を思い出し、試しに脳内でメニューと言うとメニューが開いた。ログアウトとマップ以外のすべての機能が使えるようだった。メニューとは関係はないが全員が使えるようになるワープの魔法が使えなくなっていた。ステータスの確認もしてみたがどうやら変化はないようだった。


そういえば以前は転生5回レベル99を達成した数少ないプレイヤーとして二つ名なんぞ付けられていたなぁと回想していたら騒がしい声が俺の方へ向かってきたのだった。


「「「ワ、ワイバーンだぁぁぁぁ!!!!」」」


ワイバーンといえば下位ながらも初心者には倒すのがそこそこ難しいモンスターとして君臨していた雑魚だったはずだ。駆け出しのプレイヤーなんだろうと思った俺は手助けをすることにした。


『従魔召喚:シルフ』


召喚魔法も問題なく行えた。召喚にもモンスターを召喚する従魔召喚と武器や防具を召喚する武具召喚があるが今回使ったのは従魔召喚で風の精であるシルフを召喚した。


【ウインドカッター】


単体を攻撃する風の刃だ。これ自体は大した魔法ではないがレベルを上げたシルフのウインドカッターは一撃でワイバーンを倒すのに十分だった。


「あ、ありがてぇ。あんたすげぇな。実は熟練の冒険者だったりするのか?」


冒険者って言い方はNPCがプレイヤーを呼ぶ呼び方、正確に言うとプレイヤーは全員冒険者って設定なんだがその冒険者という言い方を使うプレイヤーはほとんどいなかったのでそういう認識になっているのだ。


「うーん、まぁな。これでもずっと続けてるし」


若干言い方に疑問を覚えつつも答える。俺はサービス開始から16年間続けていたのでずっと続けてるという表現で間違ってはいないはずだ。


「俺はラインヘルっていうんだ。よろしく」


「私はマリィよ。助けてくれてありがとう」


「・・・ロベルトだ。・・・助かった」


リーダーっぽいラインヘルと紅一点のマリィ、無口そうなロベルトに自己紹介をされる。


「俺はアダンっていうんだ。いきなりで申し訳ないんだがここから一番近い町を教えてもらえないか?ここらへんは来たことがないんだ」


アダンという名前を聞いた瞬間にちょっと反応したな。まだ俺の話って出回ってるんだろうか。


「ここらへんに来たことがないとはな。いいぜ、俺らも最近ここに来たばっかだが俺らの行く予定の町まで案内するよ」


「おお、ありがとな!」


そういうわけで現在はラインヘルたちとともに町を目指しているわけだが、どうやってこれから生きていこうか。

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