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狂人ですが何か  作者: 紅葉 咲
ゾンビ街へ
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木下と触手

さぁさぁ2015年最初の狂人を投稿しますよ

僕:「へい触手の王子起きて! へい起きて! 触手の王子様目覚めの時だよさぁ起きて!」


僕は頭から触手を生やしたまま気を失ってる木下君に声をかける


・・・・が、目覚める気配がない


僕:「・・・勇人。キスしてあげて」


勇人:「ふぁ!? 急に振ってきたと思ったらなんだそれ!?」


全く。長い夢を覚ますのはキスだと相場は決まっているだろうに何を言ってるんだか・・・


僕:「ほらはやく。さもなければ君のこれからの主食(しゅしょく)をアサガオにするぞ」


勇人:「ヤダよ!」


僕:「じゃぁ干し草がいいのかい?」


勇人:「なんで花と草をチョイスすんだよ!?」


僕:「だって君って草食系男子だろ」


勇人:「意味が根本的にズレてんだよおめぇは!」


まぁ、僕は男同士のキスなんて別に見たくないからどうでもいいか


心和:「国王!」


店の2階へ続くドアから勢いよく半泣きの心和ちゃんが出現してきた


僕:「おぉ心和ちゃんどうしたの半泣きで?」


心和:「国王が私を置いて危険をおかしたからです!」


勇人:「んなもんいつもだろ・・・」


心和:「あなたは黙っていてください!!」


勇人:「スミマセン」


僕:「まぁほら落ちついてよ心和ちゃん。ほら、僕の何処にもケガはないでしょ?」


僕は両手を左右に広げて無事な姿を見せる


心和:「念の為肌に直接触って確かめなければなりません・・・!!」


心和ちゃんが僕の体に抱きつこうと突進してきた


僕:「すみませんお客さんウチはお(さわ)り厳禁なんすよ~」


牛をもてあそぶ闘牛士(とうぎゅうし)のように僕は華麗(かれい)に心和ちゃんをかわす


この子の握力は舐めてはいけない


さっき僕がドアの奥に引き込まれたときに捕まれた手首にはまだ彼女の手の後が残っている


心和:「一度でいいですから触らせて下さい! もう二度と離しませんが」


勇人:「こいつさぁ、この頃変態に近付いてないか?」


皐月:「すみませんが私の目の前でイチャイチャするのやめて頂けませんかぁ?」


弥生:「いやぁ2人とも無事で何よりだよ。ま、そっちのイケメンは無傷ってわけじゃないようだけどね」


ドアから店の持ち主2人も出てくる


勇人:「イケメンじゃねぇっすよ」


弥生:「血も滴る良い男さあんたは。ほら、消毒液と包帯さ。大事に使っておくれよ」


店長では勇人に店内のものである手当道具を渡す


この世界では中々に貴重な物だよね消毒液とか


僕:「・・・さて、勇人の腕の処置も済んだし。2人とも教えてくれるかな? この触手王子(きのした)のことをさ」


弥生:「教えてって何をさね?」


僕:「おいおい。僕との仲じゃないか? なんで急にこの子が襲ってきたのか。教えてくれたっていいんじゃないかな?」


弥生:「さぁねぇ・・・。さっぱり見当もつかないんだよ。これが」


店長は知っていても木下君にとってマイナスになるようなことを言わないんだろうなぁ・・・


皐月:「・・・・本当だよ。信じて狂人」


皐月ちゃんは嘘が下手だが、嘘をついてるようには見えないね


僕:「・・・・あぁ、信じるよ。君と僕との仲じゃないか」


勇人:「じゃ、やっぱり直接聞くしかないみたいだな」


僕:「だね。起きるまで気長に待ちますかー」


心和:「爪をはがして強制的に起こさせますか?」


僕:「絶対だめだからね?」


心和:「急に人を襲う人なんて少しお灸をすえなければ・・・」


皐月:「普段はおとなしい男の子なんだよぉ? ただ死んだ人達には人が変わったように容赦なかったけどぉ・・・」


皐月ちゃんが木下君を頑張ってかばう


勇人:「容赦がなかった?」


弥生:「あぁ。なんでも『俺が生まれた理由は急に出現したこいつらをどうにかする為』らしい」


僕:「なにそれ、本当に言ってたの?」


弥生:「あぁ」


僕:「うわぁ。結構木下君って中二病はいってたんだね」


俺が生まれた理由はゾンビを倒すためねぇ・・・? 

木下君は普通の男の子じゃなかったのかな? 生まれた理由がゾンビたちを倒す為と言うことはゾンビが発生することが分かっていたのかも。 木下君は中学生位だから、少なくとも10年前からゾンビ発生は予期されていたってことになるね。 いや、そんな訳ないよね・・・。だとしたらもっと被害は少ないはずだし。だって10年も前から分かっていたなら対策だっていくらでも立てられるもん。それに木下君自身が『急に出現した』といっていることから、やはりこれは予期されていたこととは考えにくいねぇ。でもじゃぁなんで『俺が生まれた理由』なんて言葉を使ったんだ? もしかしてゾンビが発生してから木下君は生まれたのか?


僕:「・・・・そういえば木下君は確か、触手にも意思・感情があると言ってたね」


勇人:「ん? あー、言ってたな。よく覚えてんなそんなこと」


木下君は初対面の僕から見てもゾンビ達を何人も殺せるほどのタフガイには見えない


だが、触手はどうだ? 実際に僕たちにまっさきに攻撃を仕掛けて来た


この時、確実に木下君自身には戦う意思が見られなかった


ということはもしかして、ゾンビと戦っていた時に喋っていたというのは・・・


??:「あぁ。確かに言ったな」


僕:「・・・・お早いお目覚め、嬉しい限りだよ。木下君?



それとも触手君と言った方がかな?」



とりあえずカマくらいかけとくか。悪くて恥かくくらいだし


勇人:「触手だぁ?」


勇人はバカを見る目で見てくる。後で殴ろう(決意)


心和:「国王?」


心和ちゃんは珍しく疑問の声を僕にかけてくる


皐月:「まぁた訳分からないこと言ってるぅ・・・」


『また』とはなんだ。『また』とは


弥生:「・・・・・・・・」


ん? 店長・・・?






木下?:「・・・・・・・・何故分かった?」






僕:「さぁねぇ。自分の今までの行動を見直してみなよ」


おぉ。カマかけたら普通に答えたよアホだこの人


いや人なのか?


勇人:「どうした木下? さっきの俺らとの殺し合いで頭でも打ったか?」


木下?:「とりあえずこの縄解いてくんねーか? 大丈夫。もう害は与えねぇからよ」


木下?は観念してるかのようにぶっきらぼうに言う


僕:「おっけー。でもその前に質問をいくつかしたいんだけどいいかな?」


木下?:「いいぜ。俺がこたえられる範囲ならな」


僕:「問1、何で僕と勇斗を攻撃してきたの?」









木下?:「んなもん、お前ら2人とも人間じゃねぇからだよ」

ゾンビ町編ももうすぐラストですね~

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