コンビニ到着
咲) 敗北者を出したいと思うこのごろ
狂人) あいつ、今頃何してんだろうね
咲) ・・・・・想像ができないな
僕:「・・・で、コンビニに入ったゴスロリを着た37歳の男は店員に捕まったんだよ。それで店員は言いました。「お客さん、ゴスロリを着る際はグラサンをはづしてください」ってね。そしたらゴスロリおっさんは「フッ・・・。貴様はまだまだのようだな」って言ったんだよ」
守:「ほほぉ。それで?」
心和:「国王、目的地が見えてまいりました」
2人に公園やコンビニに行く理由などをおおむね教え、雑談やゾンビ殺しなどをしながら歩き、やっと目的地に着いた
僕:「おお。やっと着いたね」
守:「やっとっておい、俺らそんなに歩いてないぞ?」
僕:「君らはそうだろうけど、僕はいろいろ寄り道したから少なくても1時間半以上は歩いてるんだよ」
綾:「え!? あんたはこんな化け物だらけの街をバット1つで1時間半以上歩いてるの!?」
あるぇ? 言ってなかったっけ?
心和:「さすが我が国の王。尊敬いたします」
僕:「いや~どうもどうも」
綾:「はぁ・・・凄いんだかバカなんだか・・・」
そんな会話をしながら僕等はコンビニの中に入った
コンビニの中は案の定というかなんというか、一言で言うと悲惨だった
綾:「うわ・・・。見事な荒らされっぷりだわ」
棚は倒れ、お菓子やパンなどの食べ物や飲み物類が散乱し、変なにおいを醸し出している
さらにはマンガや日常製品までもが床に転がっていた。レジは何故か消えている・・・。ゾンビにでもやられたのか、死体はなかったが血があちこちについてる
僕は、いや、僕等は改めてもといた世界は消えてしまったと実感した
僕:「よし。ゾンビもいないし今のうちにそこらに転がってるコンビニのバスケットを拾って大丈夫なものを詰めよう。僕と守は重い『飲み物』を担当するから、心和ちゃんと綾は軽い『食べ物』と『薬とサプリメント』を担当してね。食べ物はできるだけ『保存食料』を中心に集めてね。あと、各自外への警戒は怠らないように。こんな狭い建物の中でゾンビとのダンシングはかんべんだからね。分かったら返事して?」
保存食料は僕等が生まれる前にあったという大地震のおかげで結構開発されている
薬やサプリメントがただのコンビニにあるわけねぇだろって?
あるんだなぁこれが
心和:「了解しました」
守&綾:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
僕:「あれ? 2人とも返事は?」
何か2人が意外なものを見るように僕を見てる。なんでだろ?
綾:「あんた、ちゃんとリーダー的なことできるんだ」
僕:「なにそれバカにしてるの? ヒドイな~・・・。これでも一国の王だよ?」
守:「いや、感心してるのさ。こんな異常な現実を目の前にしているっていうのに全く動じず、しかも的確な指示をするお前にさ」
僕:「あぁ。そんなこと?」
綾:「そんなことってあんた」
僕:「みんな忘れがちだけど、僕は『狂人』だぜ? こんな少しばかり狂った現実、『僕の目』にしてみたら0,3秒でいつもの日常に戻るんだぜ」
ほんと、たまにみんな本気で僕が狂ってることを忘れるから困るよ
心和:「さすが国王です」
守:「・・・そうだよな、もう昨日までの世界はないんだよな」
綾:「まったく・・・。私も狂おうかしら?」
僕:「いいんじゃないの狂ったって。むしろ僕の国民なんだから狂えよ。心和ちゃんなんてもう狂いだしてるんだぜ?」
心和:「はい? 私がですか?」
僕:「そうだよ。君はもう僕のから見たら同士だ。悲しいかい?」
心和:「それは・・・・。・・・えへへ、悲しくありません。むしろ国王と同じになれてとても嬉しいです♪」
僕:「それは良かった。・・・じゃ、無駄話もここまでにして、作業に取り掛かろうか」
僕はコンビニバスケットを持つ
心和:「はい♪ 国王様♪」
綾:「そうね、サッサと終わらせちゃいましょ」
守:「同感っと」
3人も遅れてバスケットを持つ
*****
心和:「あの、すみませんが国王?」
僕が肉まんの残骸を見て死にたくなってる時に心和ちゃんが声をかけてきた
僕:「・・・・ん? どうしたの?(肉まん・・・)」
心和:「あの・・・トイレから物音がするんですが」
僕:「あぁ、たぶんそれはトイレの神様だね(肉まん・・・)」
心和:「トイレの神様・・・・・・ですか?」
僕:「あぁ、僕のおばあちゃんが言ってたんだけどね、『トイレには、それはそれはきれいな女神さまがいるんやで』って言ってい(肉)」
綾:「それ結構前にはやった歌の歌詞だよね!!?」
おおぅ。ばれたか・・・
僕:「よくわかったね。僕等が生まれる前に流行った曲の事が」
守:「おい!! そんなことどうでもいいから、誰かトイレを見てこいよ!! ゾンビかもしれないだろ!!」
僕:「えぇ、めんどくさいし、ほっとこうよ~」
綾:「あんたね~・・・。それでも」
??:「誰かいるの!!?」
綾がなんか言おうとした時にトイレから女性の声が響いた
僕:「いますよ~。バリバリいますよ~」
??:「へんなひとはいますか!!」
綾:「変な人は・・・・。・・・1人いるわね」
綾さん、そんな悲しい人を見る目で見ないで。照れちゃうよ。
??:「え!? なんであなたたちは平気なんですか!?」
守:「なぁ、この人の言ってる変な人ってゾンビの事なんじゃないの?」
??:「!! やっぱりあれはゾンビなんですね!!」
綾:「あぁ、あいつらは今居ないよ。だから安心して出てきていいわよ」
??:「・・・・・・よかったぁ」
そう言ってトイレから出てきたのは、高校生くらいのメガネをしたお下げの女の人だった
僕:「大丈夫か~い?」
女の人:「大丈夫な訳ないじゃないですか~。いきなり変な人が来たと思ったら目の前で店員を食べ始めるんですから」
そう言って「はぁ・・・」とため息を漏らす女の人
綾:「にしても、よく生きてたわねぇ・・・。パニックにもなってなさそうだし」
女の人:「あっ、私B級ホラー映画が大好きで、もう店員が首噛まれた瞬間これはゾンビだって思って一目散にトイレに避難したんですよ~」
心和:「他に人はいましたか?」
女の人:「居たにはいたんですけど、いきなり店員が殺されちゃうものだからみんな外にでも逃げたんじゃないですか?」
僕:「なるほど、それでゾンビはその人たちを追って外に、あなたはトイレに居て何とか助かったのかな・・・」
女の人:「はい、その通りです。・・・・あの、わたし、『鈴木 直子』と言います。どうかあなたがたと一緒に行動させてください」
守:「え? 俺に言うの? あっ、そうだな・・・」
守は直子にいきなり頭を下げられて困ってる。何故に守に頭下げるねん
僕:「いいよ~。その代わり、あなたには国民になってもらいますがね」
直子:「え? 国民?」
僕を不思議そうに見る直子さん
僕:「えぇ、国民です。この世界で僕等は国を作ってるんですが、まだ人が足りないんですよねぇ」
直子:「へぇ。面白いですね!! 私も国民になりたいですお願いします!!」
そういって直子さんはまた守に頭を下げる。だから何で虫に頭を下げる?
守:「あぁそのぉ、俺に頼まれても困ります」
直子:「え? あなたがリーダーでは? 女の子だけの国を作ってハーレム王になるのでは?」
守:「はぁ!? そんな訳ないじゃないですか!!」
ハーレム王か・・・
そういうのもいいなぁ
というより、なんで守がハーレム王?
心和:「我らの国王はそれではなくこのお方です」
心和ちゃんは守をそれ呼ばわり僕をしめす
直子:「え!? この少女がですか!?」
お前もかッ!!? お前も僕を少女と言うか!!
・・・あっ! なるほど! だから守がハーレム王か!!
確かに直子さんが僕を少女って認識してたら男は守だけ、あとは女だけか!!
なにそれ笑えるッ!
綾:「はははは! 守が王て、その国終わりだわ!! 虫に食われて終わるわ!!」
おおっと!!心和ちゃんにそれ呼ばわりされた上に綾さんからこの扱い!!
守は心に200のダメージだー!!
守:「神様・・・。俺、あんたになんかしたかな・・・?」
僕:「直子さん、僕はこう見えても18で男です」
直子:「え!? 本当ですか?」
僕:「本当です」
直子:「生命の神秘ですね!!」
僕:「そこまで大層なことではありませんよ?」
うん。この子面白いから国民にしようか
僕:「じゃぁ、
第4国民に『鈴木 直子』を承認。
これであなたは僕の国民です」
直子:「え? ・・・やったー!!」
一瞬きょとんとしたが、直子さんは喜んでくれている
僕:「そうだねぇ・・・直子さん」
直子:「はい?」
僕:「さっそく仕事。このバスケットに『電池や日用製品』を入れて」
直子:「は~い。分かりました国王様♪」
こうして僕らはコンビニを後にした
咲) 道化師もそろそろ出さんとな
狂人) あいつはあいつで忙しいだろね
咲) ・・・まずどんな人か分かんないし
狂人) お前ホントに作者か!?