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狂人ですが何か  作者: 紅葉 咲
世界がガラッと変わった日
15/61

狂人の日常 5

咲) いや~、日常はいいね~


狂人) その日常を壊した奴が何をいうか・・・


僕:「おいーっす」


今日僕は自販機でお金を採取したので、行きつけの店に肉まんを買いに来た


店員:「おぉ~、狂人ですか~。今日のお面は・・・何レンジャーです~?」


僕:「残念。レンジャーじゃなく仮面ライダーでした」


この接客態度がなってない女店員はこの店の店長の義理の娘で、僕が来る時はいつもレジ打ちをしている


僕:「店長はいる?」


店員:「いるよ~。奥で難しい顔してパソコンしてたよ~」


この店には店長が住んでいる。まぁ自営業(じえいぎょう)だからね


もちろんその店長の義理の娘であるこいつもここに住んでる


僕:「にしても、相変わらず人いないね。よくつぶれないわ」


店員:「狂人が来てくれてるからね~。 友達いないの?」


僕:「失礼な。僕には親友が2人もいるんだぞ」


店員:「へ~。以外だね。その親友2人の名前は?」


僕:「『敗北者』と『道化師』だよ」


そういえば3人で青い薬飲んでから会ってないな・・・


店員:「『狂人(きょうじん)』の友達は『敗北者(はいぼくしゃ)』と『道化師(どうけし)』ね~・・・。やっぱり君はおかしいね~」


僕:「うるさい。そんなこと言う前に客寄せでもしなさい」


店員:「客寄せね~・・・。人が店の前を通らないからやってもいみなさそうだね~」


店長:「しかたないでしょ。ここ立地が悪いんだから」


店員:「あっ、母さん」


長い髪を後ろにまとめている(ロングポニーテール?)女性、店長がレジの奥にあるドアから出てきた。いつもの不機嫌そうな顔には寝不足なのかクマが浮かんでいた


僕:「おいっす詐欺師(さぎし)さん」


店長:「誰が詐欺師だ」


僕:「いや詐欺師でしょ。しわ1つ見えないのに40後半なんだから」


この見た目20前半のOL風の女は実は40過ぎのおばさんなのだ!!


これを詐欺といわずなんというか!


店員:「そんなこと言ったら~、狂人はなんですか~? そんなかわいらしい見た目で高校生の男子なんてそれこそ詐欺ですよ~」


僕:「うるさいなぁ。そんなの星になった両親に言ってよ」


店長:「で、今日は何の用だ? 客か? それとも家族か?」


僕:「ん、今日は客だよ」


僕はこの店には客としてだけではなく、家族として利用することもある


簡単に言うと、生活がもうだめ、絶対。って時にここの家族になってコンビニを手伝う代わりに養ってもらうことがたまにある


元はこの店の前で倒れているところを店員に助けてもらい、流れで4カ月過ごしたからだ


店員:「えぇ~。なんだよ~・・・。楽できると思ったのにな~」


僕:「ちゃんと仕事しろ」


店員:「てかもうここにすもうよ~」


店長:「そうだな、それがいい。そうしろ」


僕:「誰があんたらの荷物に喜んでなるか」


店長:「別に荷物にはならんぞ? その分働けばな」


店員:「そうだよ~。一緒に働こうよ~」


僕:「あんたらただでさえ赤字ギリギリなんだろ?それなのに僕を養おうとか無理だろ」


気持ちは嬉しいが、それで赤字になったら意味ないだろ


店員:「仕方ないでしょ~。母さんの言う通り場所が場所何だから~」


たしかにこんな町の中心の路地裏の奥の奥、ひっそりとした所にポツンとあったら誰も来ないわな


僕:「何でこんな所で商売しようと思ったんだか」


店長:「いいんだよここで。なんて言ったってこの場所はいろいろな災害から守ってくれるからな」


僕:「あ~、そいえば店長は昔あったって言う大地震を生身で受けたんだっけね?」


この人はそのせいでコンビニの癖に保存食ばっかを商品にしている


このことも人が少ない理由だろう・・・


店長:「あの日の地震のせいで私は保存食の大切さと災害の怖さが分かったんだよ」


店長が遠い目をする


店員:「お母さんはその地震で孤児院に送られた私を引き取ってくれたんだよね~」


店長:「あぁ、そうだな。そうだ狂人。ここはあらゆる災害の対策をとってるから、何かあったらここに来な。あんただったら歓迎するさ。とくにこの子がな」


店長はそういって店員の頭をなでる


店員:「!? お母さんなんてこと言うの!!」


店長:「おや? じゃぁ歓迎しないのかい?」


店員:「そ、そりゃするけど~・・・」


僕:「ねぇ、そろそろいいかな?」


親子でなにきゃいきゃいしてんだか・・・


店長:「あぁ、わるいわるい。で、なにを買うんだ?」


僕:「いつもの肉まんだよ」


店員:「本当に肉まん好きだね~」


僕:「いいだろ別に」


店長:「はい肉まん」


僕:「はや!!」


店長の手には2つの肉まんの入った袋があった


僕:「ってあれ?何で2つ?・・・・!! まさかの押し売り!!?」


酷い!! 信じてたのに!!


店長:「違うよバカ。これはあたしらのサービスさ」


店員:「そうだよ~。今度、狂人が肉まん頼んだら1つおまけしようねってまえから決めてたんだ~」


おぉ!! その優しさは心にしみるな~


僕:「ぐすっ。あ、ありがとう~」


店長:「なにおまけぐらいで涙ぐんでんのさ。お面してっから分からんけど」


僕は店員にお金を渡す


店員:「はいちょうどね」


店長:「また10円ごまかしたりしてないだろね?」


僕:「あ、当たり前でしょ!!」


この前20円ごまかした


僕はいまでは珍しくなった手で開けるタイプのドアに手をかけ、


僕:「この店、繁盛すればいいね!!」


そう言って店を後にした

咲) 君の親友、名前ないの?


狂人) うん。僕を含めて敗北者と道化師には名前はないよ


咲) ・・・・・そっか

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