『英雄』の条件?
咲) 英雄ってかっこいいもんじゃないの?
狂人) 悪を殺す悪じゃね?
咲) 何それ怖い
敗北者) ただのハタ迷惑な偽善者だよ?
咲) お前考え方ねじ曲がってんな
僕:「へ? 僕たちが英雄になれる?」
いきなり敗北者が僕たちと真逆な人種になれると言ってきた
敗北者:「そうさ?英雄になれるのさ?・・・やっぱまって?英雄ってよく考えたらただの偽善者だったよ?」
僕:「いやどうでもいいよそれは・・・。大事なのは何で君がそう考えたかだよ」
敗北者:「教えてあげようか?」
敗北者がいつも顔に張り付けている笑顔じゃなく、『本当の敗北者としての笑顔』を見せた
それはとても気持ち悪かった
僕:「教えてよ。親友だろ?」
敗北者:「やだね?」
僕:「言うと思ったよ。気が向いたら教えてよ?」
敗北者:「うん? ・・・よし? 気が向いたから教えてあげよう?」
敗北者マジでめんどくせぇぇぇぇぇぇぇえええええ・・・・・
敗北者:「狂人?じゃぁ、あそこにいるゾンビ倒してきて?バットかすからさ?」
敗北者は僕に血のついたバットを渡し、1体のゾンビを指さす
指の差されたゾンビは少女2人を追いかけていた
少女1:「こないでぇ!!」
少女2:「何なのこの人達!!?」
僕:「え~・・・あそこに僕が行くの?」
敗北者:「うん?頑張ってきて?」
僕:「敗北者が行けよ~」
敗北者:「やだよめんどくさい?」
僕:「僕だってめんどくさいよ」
僕と敗北者がマイペースに会話していると1人の女の子が転んだ
少女1:「痛ッ!!」
少女2:「ゆい!?」
「あぁぁあぁぁぁあ」
転んだ少女にゾンビがなんか変な声を出しながら近づく
ゾンビ足遅ッ
少女1:「あ、あああ、ああぁぁ・・・」
少女2:「早く逃げて!!」
少女2が叫ぶが少女1は恐怖のせいか動けずにいる
そこにとうとうゾンビが少女1の目の前に立ち、倒れるように覆いかぶさろうとする
少女1:「いやぁぁぁぁあああああ!!!」
少女2:「ゆいぃぃぃぃいいい!!」
少女1絶体絶命!! マジで死んじゃう3秒前!!
こうして、少女1と少女2の悲劇の別れは・・・
僕:「あっ、すいませんここ通ります☆」
空気の読めないお面をかぶった少年にぶち壊された
ゾンビは僕に頭をグシャ☆ってされて倒れた
敗北者:「ナイススイング?野球部に入りなよ?きっとピッチャーになれるぜ?」
僕:「なんでピッチャーやねん。バッターだろ普通」
敗北者が拍手をしながらこっちに来る
敗北者:「で、どうだった?」
僕:「なにが?」
主語を無くすな主語を、若者にありがちな事だぞ
敗北者:「人間『だった』化け物を殺した気分のことだよ?」
僕:「ん? あ~、・・・何にも感じなかったよ? だってもう化け物じゃんこいつら」
とりあえず素直に思った事を話した
敗北者:「・・・ククッ、さすがは狂人。俺と全く同じだな」
僕:「はぁ?」
敗北者が嫌なことを言う・・・。敗北者と同じってもはや悪口の領域だよ
僕:「敗北者、口調変わってない?」
敗北者:「いや? 変わってないよ? ・・・さて、暗くなってきたしはやく安全な『秘密要塞型遊び場所・東第3公園』に行こうか」
僕:「あっ、結局そこに行くことにしたんだ・・・・・・・・・・・・・・って英雄の話は!!?」
危うく忘れるところだった!!
敗北者:「ん? ・・・あ~、ごめんごめん?まぁ要するに、『人間だった化け物を全く躊躇せずに殺す』? がこの世界の英雄の第1条件なのさ?」
僕:「はぁ? 何当たり前のことを言ってるのさ。殺せるのは当たり前だろ?」
僕たちに害をなす化け物がいたら、たとえそれが『元』人間であっても殺すのが普通でしょ
敗北者:「分かってないなぁ~? 僕たちは『狂って』たり人間として『終わってる』からそういう考え方かもしれないけど、普通の人の考え方はちがうんだよ?」
僕:「へ~。どんなふうに違うのさ?」
敗北者:「そうだねぇ~?まぁ簡単に言うと、普通の人は僕たちみたいに『この世界』を受け入れてすらいないのさ? そりゃさっきまで平和に暮らしてたのに今は人間の姿をした『元』人間が人間を捕食してんだもん? 受け入れられる方がおかしいのさ? だから、普通の人達はこの状況に飲まれて死んでしまうのさ?
例えば、さっきの女の人みたいに大切な人が噛まれて、手当などするため近くに居たらその人は大切な人『だった』化け物に食われる。それに、化け物たちは人間の姿をしているから、普通の人達はたとえそれが化け物だろうが殺したくはないのさ? 僕たちは違ったけどね?」
敗北者・・・おまえ、頭打ったのか?
頭がいい敗北者なんて敗北者じゃないよ!!
敗北者:「・・・今、失礼なこと考えたでしょ?」
僕:「いや? ただ『敗北者』の癖に『普通の人』たちの事がよくわかるな~って思っただけ」
敗北者:「やだな~? 僕は敗北者だから、人の気分を悪くするために日夜頑張っていたら普通の人の気持ちが分かるようになっただけさ?」
さすが敗北者、考え方が腐ってるぜっ!!
僕:「でもさ、それだと僕らが英雄になる理由になってないよ?」
敗北者:「もう、ちょっとは頭使えよ狂人? ネズミだって考えて生きてるんだぜ?」
僕:「うるさいな~」
敗北者:「じゃぁ君のミジンコ脳でも理解できるように教えてあげよう? 普通の人がこの状況に殺されるのなら、この状況でも殺されず、しかも普通に適正ができてる僕たちは、普通の人達を救ってあげることができるんじゃないのかな?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ
僕:「確かにそうだね!! こんな狂った状況でも平然としている奴が狂った状況に殺されそうな『普通の人』を助けて、導いてあげればいいんだ!!」
敗北者:「そゆこと? それでさ?」
僕:「ん?」
敗北者:「僕らが君たちを救ってあげようじゃないか?」
敗北者が、気持ち悪い笑顔で少女1、少女2に問いかける・・・・
そういや、ずっと空気だったね。君ら・・・・・
咲) どうだ!!女の子出してやったぞ!!
狂人) ありがとうございます!
敗北者) まだこの小説で出て来た女は今回のを合わせても5人じゃねぇか?