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胎児の夢、エイズの鼓動

「……ッ、はぁ、はぁ……! 見てよ、この最高に**『不吉オーメン』**な輝きを! 泥水を啜り、結晶を炙り、僕の巨大な質量を受け入れた彼女の腹が、今! 呪われた命の苗床として革命的膨張マリアージュを遂げたんだぁぁぁぁっ!!」


僕は叫んだ。一ヶ月後。アパートの薄暗い一角で、僕は彼女の平らだった腹部に、そっと耳を寄せた。そこには、ドクン、ドクンと、この世のどんな時計よりも正確に、そして冷酷に時を刻む「鼓動」があった。


それは、愛の結晶ではない。

父さんが僕に植え付け、僕が彼女に手渡したエイズのウイルス。

ラングレー(CIA本部)のラボで設計された、次世代を根絶やしにするための**「死のプログラム」**。

それが、僕たちの「巨大な虚無」というフラスコの中で、新しい「個体」として析出し始めたのだ。


「あはっ……あはははは! 凄いよ、彼女! 君のお腹の中には、父さんが法廷で守り抜いた『偽りの平和』を根こそぎ食い荒らす、小さな怪物が棲みついたんだぁぁぁ!! メシウマ(地獄味)すぎて、胃液が逆流しそうだぜぇぇぇ!!」


僕は笑った。笑いながら、彼女の腹を撫でた。

その肌の下、羊水という名の猛毒のプールを泳ぐ胎児。

それは、生まれながらにしてエイズを宿し、脳細胞の代わりにメタンフェタミンの受容体を発達させた、**「究極の暗黒二世」**だ。


「……ねぇ、この子。……お父さんのこと、恨むかな? それとも、感謝するのかな?」


彼女が、虚ろな瞳で天井を見上げたまま呟いた。

その頬はさらにこけ、腕の斑点は、まるで深海魚の鱗のように毒々しい光を放っている。

彼女の生命力は、今やこの腹の中の「怪物」と、僕が精製し続ける「ビンカ」によって、一滴残らず吸い取られていた。


「感謝するに決まってるさ! 父さんが捏造した『ジャンキー』という設定を、この子は自らの存在そのもので『血肉の真実』にするんだから! これぞまさに、合衆国憲法も真っ青な**『生命の追求ライフ・リバティ』**だぁぁぁ!!」


僕は、彼女の腹の上に結晶を一欠片置いた。

それが体温で溶け、皮膚から吸収されていく。

胎児は、その劇薬の刺激に反応するように、ボコッ、と力強く腹を蹴った。

それは、未だ見ぬ明日への希望ではなく、自分をこの地獄に召喚した親たちへの、最初の「死刑宣告」のようだった。


「いいかい、小さな相棒。……お前の父(僕)は化け物で、祖父(父さん)は死神だ。……そしてお前は、そのすべてを飲み込んで、この国を、この世界を、最高にハッピーな廃墟に変えるための『最終兵器』なんだよ」


僕は、彼女の大きく開いた股座に、再び自分のテポドン・マグナムを沈み込ませた。

結合。

胎児の鼓動と、僕の質量と、結晶の熱。

その三つが重なり合った瞬間、僕の脳内ではホワイトハウスが爆発し、星条旗が血に染まって、新しい時代の「幕開け」を告げるファンファーレが鳴り響いた。


「あはっ……あはははは! 脳内でハゲワシが、合衆国の悪魔たちが、お前の誕生を待ちわびて大合唱してるぅぅぅぅ!!」


僕たちは、死にゆく身体を繋ぎ合わせ、胎児という名の「絶望の相続人」に、最高純度の毒を注ぎ込み続けた。

平壌の夜はどこまでも深く、

僕たちの「家庭内民主化計画(地獄)」は、もはや後戻りできない臨界点へと突入した。


第7話・完。

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